逢瀬
まっすぐの距離にはいたくない
あいだに衝立があるくらい
でも姿がなければ不安になる
声が聞こえて
目を向ければ顔が見える
でも目を動かせばそれも消えてくれる
それくらいの距離が丁度良い
目を落とせばテーブルが見える
載っているコーヒーも見える
背景には人々がいる
僕たちのことを何も知らない
僕たちだって何も知らない人たち
ガラスの向こうに見える街の灯りや
ちょっと気持ちを向ければ聞こえてくる音
静かだったり、騒音だったりは
僕は自分で決められる
あらゆる無機質でさえ
丁度良い緩衝剤になってくれる
向き合わずにすむ口実になってくれる
ちょっとした勇気がでたときだけ
君の方を向けばいい