読み週記 10

 

第4週(10/25〜10/31)

 しばらく更新を休んでいたらあっという間に2ヶ月経っていた。そのほとんどは趣味の読書をほぼ全くせずに過ごしていたので、今こうやってまた本を読んでいるのが不思議なくらい。よくもまあこんなに長い間小説の類を全く読まずに生きていられた物だ。実際は先週くらいから趣味の読書を再開してたんだけど、溜まっている雑誌に忙しかったので、本の更新をこの週から再開。

 書店にもあまり行かずに過ごしている間に、数年前に話題になっていた浅田次郎『蒼穹の昴』(講談社文庫)が文庫になっていた。書評その他で名前を見て読みたかった物なので迷わず全4巻を一気買い。ほとんど当時読んだ紹介を覚えていなかったので、時代小説だった、という以外の予備知識もないまま読み始める。時代は中国清朝の後期。どうしても中国の王朝を漢字で見ると古い気がしちゃうんだけど、物語の始まりは1886年で、日本では明治時代。そうそう古い話でもないですな。
 主人公は貧しい家に生まれ、糞を拾って生活をしている少年李春雲。彼を中心に、科挙に挑む村の変わり者の天才梁文秀ら将来の文官達。アヘン戦争以降ヨーロッパの国に侮られ、数々の戦争を仕掛けられては不平等条約を結ばれて衰退していく清王朝を舞台に彼らの野心の行く末が語られる。村に住んでいた予言者の言葉につられるように、彼らは自らの運命を切り開いていく。西太后の意外な姿や春雲の決断など、気付くとどんどん先に進みたくなる面白さ。まだ一巻しか読んでないのでわからないけど、これは確かに素通りできない快作なのかも。先が楽しみ。

 そんなわけでまた読書を再開。相変わらず変な忙しさがあるのでどれくらい続くか、ペースがあがるかもわかんないけど、とりあえずまた始めました。