読み週記 10月

 

第3週(10/21〜10/27)

 更新日記に書いたとおり、今週は先週手にした溜まりまくり雑誌読み切り週間と勝手に名付けて、読み終えた本が無し。雑誌についてはすっかりこのスペースで書かなくなってしまったので、今週の読み週記はネタ無しである。すごい。

 変わりに本関係の話題を少し。

 なんて言ってなんにも思いつかなかったので、J・K・ローリングの「ハリーポッターシリーズ」について言わせてください。
 というのも、ついに今週、4巻の『ハリーポッターと炎のゴブレット』上・下(静山社)がついに刊行。発売日厳守のお達しが全国に行き渡った後、紀伊国屋だかどこかでは、朝6時から店頭にて販売とか。windowsか?
 大ヒットでノリに乗っている静山社は、返品無しの買い切りで発行したそうで。

 まさに怖い物無しの大騒ぎです。
読み週記でも何度か書いたと思うけど、この「ハリーポッター」が異常につまらないのはどういうことか。

 字もおっきいし、読みやすいとは思うんだけど、これと言って気持ちの沸き立つ物がなんにもない。
読んだのは最初の『ハリーポッターと賢者の石』だけなので、続巻があっと驚くくらい良くなってるんだったら世間の皆様に申し訳ないので腹かっさばいてお詫びする予定はないけど、おそらくそんな事はないと思います。

 ちまたでは「ハリーポッター」愛好家か何かを「ポタリアン」と言うそうで。なにそれ。

 なんでこんな悪感情丸出しでいるかと言うと、まあ無茶苦茶売れちゃう本が一杯あって、それぞれ特に面白くない事が多いんですが、それはそれで別に気にならなかったのに、今回だけはどうもやけに気になってしまう。 というのも、今ひとつ日本では日陰のジャンルだったファンタジーとかメルヘンとか幻想文学が、今になってようやく日の目を見るようになったのに、そのきっかけがあんなのだったのが、どうしても釈然としない。
 子どもが読むのに丁度の本なのに大人に人気で、なんの真新しさも無いのに今更取り上げられてて、そのくせ広く掘り起こされたのがトールキン『指輪物語』だけだった、というのはどういうことなんでしょう。色んな部分が「丁度良い案配だった」ということなんでしょうか。

 謎が謎を呼ぶ「ベストセラー」だけど、色んな想いが相まって、不思議やら軽く腹立たしいやら。そんなに目くじら立てるような事じゃないんですが、かつて(いや、今でもだけど)大好きだったジャンルだけに、複雑な気持ち。
 

第2週(10/14〜10/20)

 地元の本屋に行ったら、しばらく買わずにいた大量の雑誌が取り置きしてあって、あまりの量の多さにびっくり。すみません。ご迷惑をおかけしました。5〜6Kgはあって、ちょっと退いてしまった。これ読んでたら、本なんか全然読めなくなっちゃうなぁ。

 久々の山本周五郎『松風の門』(新潮文庫)は、武家物から近現代物までをそろえた短編集。近現代物、と言ったって、発表当時は現代物だったんだろうけど。
 安心のクオリティというか、ある種マンネリズムを感じる作品も無くはないが、時代小説が読みたくなってめぼしい物が見つからなかったら、周五郎ではずれはない、というは毎回言っているとおり。問題は、それぞれをばらばらに買うので、一体どれが読んだ物なのか、書店で迷ってしまうようになったことだ。今回も、読んでいる途中に、「この短編、どっかで読んだことない?」という不安に襲われ、本棚を確認してしまった。とりあえずなさそうだったけど、本棚以外の場所にも結構埋もれてるしなぁ。

 『Mr.クイン』(ハヤカワ文庫)で一躍注目を集めたシェイマス・スミスの『わが名はレッド』(ハヤカワ文庫)でも、やはり主人公は悪事のプランナー。が、前作と違って、こちらで焦点になるのは、手の込んだ悪辣なトリックの数々ではなく、むしろ主人公の背景にある葛藤と、主人公の陰謀と同時進行する連続殺人事件にある。主人公のレッド・ロックを中心に、彼の陰謀の道具にさせられる女性や、連続殺人事件の犯人など、複数の視点で語られる物語が絡み合いながら進んでいくことで、スピード感を作っている。
 とはいうものの、ややご都合主義的な人物背景や、ラストに到る主人公の心情の描き方がやや雑な感じがする所などあって、前作ほどの興奮は味わえないかも。

 大量の雑誌を読むのは大変で、家中の色んな場所で合間を見つけては読んでいくので、なにがどこにあるのやらわからなくなったりしてしまう。そうでなくったって、家のどこに何があるのかわからないのに。