Cathulhu

クトゥルフ神話における猫の探索者


「……猫族に対する小生の尊敬と愛情の念は、既に揺籃襁褓の頃よりして世の常ならぬものがあった。その無垢なる優雅さと倣岸なる自尊の中に、宇宙そのものの完璧なる美と、無感動なる非人格性の象徴を看取していたのであり、神秘をこめた黙然たるその風貌は、未知なるものの驚異と魅惑に満つるかのごとく小生の目に映ずる。」 ―― 「猫と犬」H・P・ラヴクラフト



Cathulhuとは

WoC#4 「Cathulhu(cat-thoo-loo)」Worlds of Cthulhu誌第4号(WoC#4)に掲載された「猫をキャラクターとしたクトゥルフ神話TRPG」を再現するための追加ルールです。
 ラヴクラフトが愛猫家であった事は一部で有名であり、小説「ウルタールの猫」、「壁の中の鼠」、「未知なるカダスを夢を求めて」等の中で彼らは重要な役割を果たしています。Cathulhuでは猫は人間に匹敵する知性と勇気を持ち、神話の脅威を探索するに足る知的種族と設定されています。プレイヤーは小さく素早い鋭敏な探索者となり(いつも通り!)神話の恐怖の解決に当たるのです。

 Cathulhuの猫探索者は肉体的には(DEXを除き)人間に大きく劣りますが、知性・精神的には人間と同等以上の存在です。人間が失うと狂気に陥ってしまう正気度(Sanity、SAN)の代わりに、猫たちは理性度(Sentience、SEN)を持っています。理性度が減りすぎると猫は知的で意図的な行動をする能力を失い、本能のままに野生化してしまうのです。また、彼らは人間が猫の生態について知っていると思っている事を遥かに上回って人間を熟知しています。飼い主がベッドで就寝している間、彼らは書斎で生物学や天文学の研究書を読み、知識を蓄えているのかもしれないのです……。

 Cathulhuにはいわゆる犬の犬種に当たる「猫種(純血種)」があります。使える猫種はアビシニアン、ブリティッシュ・ブルー、シャルトリュー、エジプシャン・マウ、メインクーン、マンクス、ペルシャ猫、ロシアンブルー、シャム猫、サイベリアン、バーマン、バーミーズ、コーニッシュレックス、コラット、ターキッシュバンと多彩です。もちろん野良猫にあたる「雑種」の数の方が圧倒的であることは言うまでもありません。純血種には特典と不利益があり、雑種には特典も不利益もない代わりに自由があります。

 Cathulhuで最も特徴的なルールは「トリック」に関するものです。人間の目には何も映らない虚空をジッと見つめる猫には何が見えているのでしょうか? 翼もないのに、なぜ猫はあのような高い場所へ至ることができるのでしょうか? それらは彼らの持つ特殊能力「トリック」によって可能になるのです。我々が良く知るトリックの一つに猫が“器用にレバーを操作して扉を開ける”というものがあります。[扉を開ける]トリックは怪しい魔術師の館内を調べる際に、大いに役立つでしょう。ドリームランドで確固たる地位を占める彼らは、生来具わる[月への跳躍]トリックにより、人間より遥かに上手にドリームランドへ跳躍できます。

 設定のコミカルさに比べてセッションはかなりシビアになると思います。猫の肉体的脆弱さは人間の比ではありません。自らに具わる敏捷さ、慎重さ、そして狡猾さで、あらゆるもの(人間さえも!)を駆使して、神話の脅威に立ち向かいましょう!



リプレイ「フロム・ウラヌス」

 Cathulhu用オリジナル・シナリオ「フロム・ウラヌス」のリプレイです。
登場猫紹介 1 2 3 4 5 6 7 8 キーパーの言い訳。



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