#ex. 鈴原 志郎





アクション1:
@ 午前(赤室のマンションを出た後すぐに)
A 自宅から國史院大学医学部に電話
B 赤室の代理、会社の部下を名乗り、先日赤室が問い合わせた内容について、もう一度、確認させて欲しい、といった内容で電話します。
 教えてくれないようなら、赤室が昨日交通事故で亡くなったことも話し、急遽の引継ぎのなかでそちらに問い合わせをしていたことが分かり、業務に関係あるかもしれないから、教えて欲しいと頼みます。



リアクション1:
【國史院大学医学部へ電話する】

 赤室翔彦の部屋にあったメモから取得した電話番号へ電話をかける。数回の呼び出し音の後に返ってきた声は、予想通り「國史院大学医学部でございます」という事務的な女性の声だった。翔彦の代理であると名乗り、先日翔彦が問い合わせたであろう内容について確認したい旨を告げる。「少々お待ちください」と応じて、受話器の向こうで何やら紙片をめくる音が聞こえてくる。電話対応帳か何かを確認しているのかもしれない。しばらくの後、受話器の向こうから聞こえてきたのは次のような声だった。
「申し訳ありませんが、赤室様という方からの問い合わせの記録はございませんが・・・」
 翔彦はメモした番号へ電話をかけなかったのか? もしくは偽名を使っていた可能性もある。
「あの・・・」
 思わず言葉を詰まらせたあなたに、電話の向こうから更に声がかかる。
「2日ほど前に蔵書確認のお電話があったのですが、調べてみたところ当該書籍が紛失している事が判明いたしまして、その件について何かご存じないでしょうか? あの―――」
 二の句が告げられる前に、あなたは受話器を置いた。受付の女性の言った紛失書籍が翔彦によって持ち出されたのか、それとも既に何者かによって持ち出されていたのかは分からない。あなたの追っている件とは無関係な可能性もある。しかし書名も分からない現状、これ以上國史院大学に探りを入れるのは危険だ。
 書物の登場から今に至るまでの流れを正確に把握できれば、少なくとも誰が医学部から持ち出したかは推理できそうだが・・・。
(#ex.に情報開示はありません。#4へ進みます)