Cthulhu Rising Title


 2271 年。未来は暗く危険な場所である。外宇宙は新しいフロンティアであり、人類は銀河を利用するために地球を飛び出した。統一地球連邦(United Earth Federation、UEF)が最初に太陽系以遠を植民地化し始めてから、一世紀半が経つ。



Cthlhu Rising Cover 『Cthulhu Rising』は23世紀末の世界で『クトゥルフ神話TRPG(CoC)』をプレイするための追加ルール・設定資料集です。Chaosium社からMonographシリーズの一冊として発売されています。

 23世紀末までに、地球は政治、経済、技術において大きく変化しました。
 統一地球連邦(UEF)の発足により、地球は一致団結しています。国家は大きく9つに再編されました。しかし太陽系外で生活する人々は地球の干渉を嫌い、対立する姿勢を見せています。23世紀の未来でも、人類は相互の反目を捨てられずにいます。
 資本の大部分は12大企業の手に握られていますが、外惑星の未知の領域にはいまだ手つかずの開拓地が残されています。ベンチャー企業は大企業からの委託を受け、一獲千金を夢見て危険の中へ船を漕ぎだしていきます。
 ヒューゴ・フォスコロの「フォスコロ不連続」発見により、無反動位相ドライブ、フォスコロ・スター・ドライブが開発され、人類は太陽系内外への高速移動手段を手に入れました。太陽系内、太陽系外の有望な惑星がテラフォーミングにより植民地化され、企業を主体として何億もの人々が宇宙へと移民を開始しています。宇宙で生まれ、地球の地を踏んだこともない人たちが増え続けているのです。
 そして、宇宙の深淵にはクトゥルフ神話の神々が潜んでいます。未知の領域に足を踏み入れた人類に、彼らは突然前触れもなく姿を現すのです。統一地球連邦は民衆に不安と混乱を与えないようにするため、異星生命体の存在の大部分を公表していません。しかし無限の宇宙のどこかで起こる人類とクトゥルフ神話の遭遇を、誰に防ぐことができるでしょうか?

 ルールはCoCをベースとして、追加ルールを載せていく形となります。
 傑作SFゲーム『トラベラー』の影響を強く受けており(デザイナーもそう言っています)、追加技能には『トラベラー』から移植したものが数多くあります。ただし、名前だけ取り入れて、実際の効果や適用範囲を説明していない技能も複数あり、ただでさえ数の多いCoCの技能をさらに増加させ、細分化してしまっています。
 耐久力には部位ルールを導入していますが、『クトゥルフ・ナウ』の部位ルールとは多少異なっているようです。また、戦闘ルール、特に射撃のルールは基本ルールよりも詳細なものとなっています。
 追加ルールの半分を占めるのは超能力に関するものです。科学的に超能力が証明されている世界観ですが、これもやはり『トラベラー』同様、超能力者には偏見が付きまといます。超能力を導入するには慎重な取り扱いが必要になるでしょう。特にキーパーは各パワーの詳細効果に通じていなくてはなりません。
 ちなみに、アンドロイドのPCをプレイすることも可能です。

 SFクトゥルフはちょっと思い浮かべただけでも『End Time』、『The Void』、『Chthonian Stars』、『Cthulhu Tech』と多数が考案されている魅力あるテーマです。好みの世界観を探して、ワールドワイドを超えたインターステラーなキャンペーンに挑戦してみるのはいかがでしょうか?



リプレイ 「シュトレゴイカバール」

 『Cthulhu Rising』用オリジナル・シナリオのリプレイです。

リプレイ「シュトレゴイカバール」



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