はじめに

「それから、私は深みへと沈んでいき、
魂に黄衣の王の囁きを聞いたのだった。
“生ける神の手に落ちるとは 恐ろしいことだな!”
――『竜の路地にて』ロバート・W・チェンバース 



1人の探索者が陰鬱な運命に立ち向かう
ダニエル・ハームズ 作
〜The Unspeakable Oath #13 より〜


The Unspeakable Oath #13 「生ける神の手(HANDS OF THE LIVING GOD)」は『The Unspeakable Oath #13』に掲載されたシナリオです。
 クトゥルフ神話TRPGはワン・オン・ワン・セッション(キーパー1人、プレイヤー1人)に向いているシステムだと思いますが、はじめからその状況を想定して作られているシナリオはあまりないと思います。「生ける神の手」ははじめからプレイヤー1人対キーパー1人をセットアップとして想定している、珍しいシナリオです。

 必要となる技能を持つには探索者の人数が少なすぎるため、このシナリオでは特定の手がかりに対してダブルタイム・ルールを適用します。例えば、1回の<図書館>ロールには30分の調査時間がかかるとします。もしロールに失敗しても、同じ時間をかければ自動的に情報を発見した事になるわけです。キーパーには厳密な時間管理が求められるでしょう。

 リプレイを読むにあたっては、ロバート・W・チェンバースの『黄衣の王』を呼んでおくと理解や解釈の助けになると思います。

 例によってネタバレ全開です。取扱注意。



探索者:織本 光洋
織本光洋

 織本。20歳。國史院大学文学部3回生。
 「地底の侵略者」、「トンネル」事件を解決した探索者の一人。
 あまりにも巻き込まれる事件がコズミック規模過ぎて、最近SF研究会とは距離を置こうか悩んでいる。
 ※ある日の日記より抜粋:
 「のマークのファーストフード店のあいつは、絶対にコズミック規模で陰謀を巡らしている。
 らんらんるー、らんらんるー。つい殺っちゃうんだ。らんらんるー」
 所持品:バイク、スニッカーズ。
 プレイヤー:“Junnkie”