機動戦士ガンダムRPGアドバンストエディション


 『機動戦士ガンダムRPGアドバンストエディション』はホビージャパンから発売されたRPGです。プレイヤーは宇宙世紀に生きる軍人(場合によっては民間人)になって、地球連邦政府とジオン公国との間で勃発した「一年戦争」を戦い抜きます。



ルールブック システムはごく簡単で、3D6か2D6を振って、出た目が関連する能力値以上であれば成功、未満であれば失敗というものです。戦闘においてはPAD(パーソナル・アビリティ・ダイス)というボーナス/ペナルティが発生し、戦場変化をもたらします。

 キャラクターのクラス(このゲームでは「キャリア」と呼ばれます)の花形はもちろんモビルスーツを操縦できるパイロットですが、キャプテンやクルー、ソルジャー、シビリアン(民間人)なども用意されており、プレイに変化と楽しみを添えてくれるでしょう。

 ……正直に言って、あまり良くできたシステムとは言えないと思います。かなり大味なルールであり、特に戦闘ではストレスを溜めるプレイヤーもいるでしょう。サンプル・シナリオは目を覆う出来です。ただ、私は個人的に「世界中の名だたるゲーム・デザイナーを集めて作らせても、万人が納得するガンダムRPGは決して作れない」と確信していますので、ユーザー・レベルで改造(改良)する隙のあるこのシステムは、「ガンダム」にはちょうど良いのかもしれません。
 我々の年代にとって「ガンダム」は遺伝子の一部であり、それを厳密で煩雑なシステムで再現したいわけではないので、ハウス・ルールを用いずにまっさらな状態でプレイしました。

 『アドバンストエディション(上図真ん中)』というだけあって、このシステムの元となった無印の『機動戦士ガンダムRPG(上図右側)』(およびエキスパンション『一年戦争史(上図左側)』)もあるのですが、こちらの出来栄えは本作をさらに下回ります。一年戦争の資料としては手軽で良くまとまっているとは思います。



 「機動戦士ガンダム」については私が語るまでもなく超有名であり、考察している資料・サイトは枚挙に暇がありません。Googleで「機動戦士ガンダム」とググれば結果は「約 8,310,000 件 (0.11 秒)」という具合です(平成22年5月現在)。どの資料もガンダム愛にあふれているので、解説は余所様にお任せします。

 例によって絶版ルールですが、古本屋できわめて安く売られていたりしますので、興味のある方は探してみてはいかがでしょうか? ただし、大きな期待はしない事。



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