ペンドラゴン


 『KING ARTHUR PENDRAGON(以下『ペンドラゴン』)』はChaosium社から発売されたエピック・ロールプレイング・ゲームです。第4版の権利はChaosium社からGreen Knight Publishing社へ移り、最新版の第5版はWhite Wolf社から出ています。
 古典「アーサー王物語群」を再現するのに特化したゲームであり、5〜6世紀のブリテン島を舞台に王や騎士たちの活躍の軌跡をたどります。テーマは「騎士道」と「ロマンス」です。



『ペンドラゴン』第4版 システムはChaosium社お得意のベーシック・ロールプレイングであり、20面体ダイス(d20)を使って判定を行います。対抗者が存在する判定(戦闘など)はd20のロールの出目の大小を比べて大きい方が勝者というかなりザックリしたものです。もちろん、判定には技能レベルその他の要因が関わってきます。アーサー王世界の騎士の活動を再現するために様々なルール(狩猟、トーナメント、恋愛、等々)が用意されていますが、基本となるのはこの「d20ロール」です。

 『ペンドラゴン』で最も特徴的なのは「性格(Trait)」と「感情(Passion)」に関するルールでしょう。キャラクターは13対の性格といくつかの感情を持ち、その性格/感情のロールに成功する事で重要な選択を決めていきます。例えば[慈悲深い]の性格値が高いキャラクターは、10年以上追い続けていた父親の仇に命乞いされれば、プレイヤーの意志に反して、その仇を許してしまうかもしれないのです。一見不条理に見えるこうしたルールは、アーサー王物語の中に息づく騎士たちを見事に再現します。非常に慈悲深くて誠実な騎士であるガウェイン卿も、父親の仇であるド・ゲール一族への憎悪にかられて、立派な騎士ラモラック卿を闇討ちにしてしまいました([憎悪(ド・ゲール一族)]の感情ロールにクリティカル成功したに違いありません)。

 プレイヤーは自分のキャラクター(騎士)をどのような騎士に育てたいかという明確なビジョンを持ってプレイしていく必要があるでしょう。キャラクターになりきってプレイするゲームというよりも、第三者的視点から自分の騎士が如何に成長していくのかを見守るというゲームなのでしょう。プレイヤーは騎士の行く道を定める道標なのです。



 『ペンドラゴン』や「アーサー王物語」については詳しく解説しているページが余所様にたくさんあるのでそちらもご覧ください。未訳ゲームにもかかわらず熱心にプレイされている人が多いようで驚きます。また、「クトゥルフ神話」や「エルリック・サーガ」とは圧倒的に積み重ねてきた歴史が違うため、「アーサー王物語」を扱うホームページは非常に多く、愛にあふれており、これも参考になります。
 なお、終末同盟ではGreen Knightの第4版を、有味による拙い私家訳版で運用しています。誤訳・珍訳もあるかと思いますが、どうかご容赦を。翻訳・運用には以下の資料・文献を参考にしています。

参考資料