MICHAEL MOORCOCK'S STORMBRINGER


 『ストームブリンガー』は米国のChaosium社から発売されたTRPGです。邦訳版は第2版がホビージャパンから、第5版がエンターブレインから発売されています。マイケル・ムアコックのエピック・ファンタジー小説「エルリック・サーガ」の背景世界である<新王国>を舞台にした冒険を体験するためのゲームです。プレイヤーは紫の街の島の商人やターケシュの船乗り、時にはメルニボネ人の魔術師となって、一攫千金のため、あるいは復讐のために無慈悲で危険な<法>と<混沌>がせめぎあう<新王国>の冒険に挑みます。


ストームブリンガー
 ゲームのシステムとしては(『クトゥルフの呼び声』と同じ)ベーシック・ロールプレイが採用されています(以下の記述は第4版ルールに準拠しています)。

 物理的な戦闘においては、ちょっとした偶然(クリティカル/ファンブル)が重なるとすぐにキャラクターの耳が削がれ、鼻がもがれ、腕や足が飛んでいきます。神様にムニャムニャ祈れば瞬時に耐久力が回復するようなルールがないので、戦闘はかなり過酷なものとなります。扱うテーマ的に戦闘が不可避な場合が往々にしてあるので、かなり死ねます。

 このゲームの最大の特徴と言われるのは、特異な魔術システムです。杖を持ってムニャムニャ呪文を唱えれば光の矢が飛んでいく分かりやすい魔術はなく、魔術師は精霊やデーモン(時にはそれ以上の存在、神)を召喚してその力を行使させる事で業を成します。光の矢を飛ばすには、光の矢を飛ばせるデーモンを呼び出して「光の矢を飛ばせ!」と命令するのです。<新王国>では魔術は稀少にして恐れられています。魔術には常に危険が伴い(魔術に失敗するとデーモンに襲われたり能力値を失ったりします)、それを学べるのはごくわずかな知識階級にある者たちだけです。


サプリメント等
 「エルリック・サーガ」、「ストームブリンガー(TRPG)」等についてのさらなる情報は、ネットで調べると当HPより遥かに詳しく解説しているページがゴロゴロ見つかります。熱烈なファンの方のサイトは見ていて非常に参考になります。

 本国では『ストームブリンガー』は第5版まで出ていますが、当HPでは概ね第4版準拠でプレイを行っています。第4版自体は邦訳されていませんが、邦訳された第2版(ホビージャパンのBOX版)とサプリメント「ストームブリンガー・コンパニオン2 デーモンマジック」の魔法ルールを使うとほぼ第4版になります。その他、サプリメント「Sorcerers of Pan Tang」(未訳)のルールの一部や、タクテクス、RPGマガジンといった雑誌に掲載されたデータ等も雑多に導入しています。
 シナリオも既訳、未訳、ネットで公開されているもの、雑誌に掲載されたものを使用していますので、ネタバレ満載です。もし目を通す方がいるなら、要注意。



※Chaosium社とムアコックとの間の『ストームブリンガー』に関する版権は切れたらしく、現在はルール自体流通在庫のみのようです(エンターブレインの第5版ルールの権利周りは良く分かりません)。
 …タクテクスとかRPGマガジンとか、絶版だらけだな。知っている人が昔を懐かしんでいただければ。
(2007年12月3日)


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