書架:1



目録01:暗黒神話体系シリーズ クトゥルー全13巻 暗黒神話体系シリーズ クトゥルー
刊行年:
1988年〜2005年
出版社:青心社 定価:600円 著者:H・P・ラヴクラフト、他
編者:大瀧 啓裕
収録作品:「クトゥルーの呼び声」、「インスマスを覆う影」、「闇をさまようもの」、他

スミス: 記念すべき最初のお題ですわ。
有味: うむ。まずは入手のしやすさから言ってこのシリーズだろう。
スミス: 確かに値段も手頃ですわ。それで内容の方はどうですの?
有味: 良いんじゃないの? これを入門としてその後深く立ち入るかどうか決めればいい、という感じだな。
スミス: オーナー的イチオシは?
有味: 収録作品も多いから一つに決めるのは難しいのだが、ヒールドの「永劫より」とかは結構好きだ。
スミス: し、渋いですわ……。
有味: 切実に続刊希望なシリーズ。特にキャンベルあたりの充実を図ってほしい。

※2005年、全13巻にてシリーズ完結。

 完結記念化粧箱
化粧箱
有味: コレクター ナメんなぁ!! の証拠写真。
ヴァレリィ: 箱の中は黒背の神話体系が13冊だね。
有味: しかし、古くからの読者は紫背の13巻カバーが欲しい罠。
ヴァレリィ: 本棚で13巻だけが黒背で微妙な気持ちになっている読者は多そうですにゃ。
有味: 『パンタクル』みたいにカバー交換キャンペーンをやって欲しい。つーか、途中で黒背に転換した経緯を知っている人、いたら情報プリーズ。



目録02:ク・リトル・リトル・神話集 ク・リトル・リトル神話集
刊行年:1976年 出版社:国書刊行会 定価:1,000円 著者:H・P・ラヴクラフト、他
編者:荒俣 宏
収録作品:「アルハザードのランプ」、「白蛆の襲来」、「地の底深く」、他

スミス: これもまだまだ書店の店頭で見かけますわね。
有味: そうだな。面白い切り口でよくまとめられている一冊だと思う。
スミス: オーナーのイチオシはどれですの?
有味: 「白蛆の襲来」だね。このルリム=シャイコースの恐怖を扱った作品は本書でしか邦訳されてないんじゃないかな。
スミス: さむさむゾウアザラシのお話ですわね。
有味: ……。
スミス: さむさむゾウアザラシ。
有味: ……。



目録03:ハスタール ハスタール
刊行年:2001年 出版社:角川書店 定価:590円 著者:伏見 健二
収録作品:−

スミス: いきなりジュヴナイル。
有味: 色々読んでみて、その中から真実を見出すのが識者というものだよ、スミス君。ジュヴナイル系もバカには出来んぞ。
スミス: では自称・識者たるオーナーの評価をお聞かせ願いますわ。
有味: うむ。内容的にはそれほど酷くないが……。
スミス: やはりイラストですの?
有味: う〜ん、さすがにクトゥルフにこの挿絵はないだろ。上手い下手の前に雰囲気ぶち壊し。
スミス: 内容はジャンクじゃないだけに惜しいですわ。
有味: ライトノベルはカバー絵が勝負だが、内容との整合性も最低限保ってほしいものだ。
スミス: ではこのHPのイラストは神話の雰囲気と合致したものですの?
有味: ぐあぁぁぁっ! デムパを受信したっ!! ゆんゆんっ!



目録04:秘神黙示ネクロノーム 全3巻 秘神黙示ネクロノーム
刊行年:
1998年〜2001年
出版社:角川書店
定価: @570円
A710円
B790円
著者:朝松 健
収録作品:−

スミス: 朝松センセがあとがきで「手応えを感じている」と書いてしまった作品ですわ。
有味: オレ的には、このシリーズで朝松健は自らに決定的なトドメを刺したと思っている。
スミス: そこまで酷いんですの?
有味: 話の出来云々も語れるが、それ以前に日本の神話作家の第一人者がこれに手応え感じちゃダメだろ。
スミス: それでも全3巻を通読いたしましたのね……。
有味: だって完読しておけば、「ネクロノーム? あー、アレはダメだろー」と共通の話題で盛り上がれるだろ?
スミス: 誰と盛り上がるんですの?
有味: ……ええーいっ、小娘が減らず口をっ!!
スミス: ぎ、逆ギレですわっ!



目録05:黒の召喚者 黒の召喚者
刊行年:1986年 出版社:国書刊行会 定価:2,200円 著者:ブライアン・ラムレイ
収録作品:「黒の召喚者」、「ニトクリスの鏡」、「魔物の証明」、他

スミス: ラムレイの作品集。
有味: 数年前まで通販で新品が入手できた。興味ある人は探してみよう。
スミス: 14篇中10篇が神話作品ですが、オーナーのイチオシ作品はどれですの?
有味: 表題作の「黒の召喚者」かな。ゲーム的に言えば「ザ・ブラックの召喚者」だ。イブ=ツトゥルが見え隠れするレアな一篇だぞ。
スミス: 『タイタス・クロウの事件簿』にも収録されていますのね。
有味: うむ。ところで、なぜホビージャパンは“Yibb-Tstll”を“イブ=スティトル”と表記する英断を下してしまったのだろう? どう考えても“スティ”と読める部分はないのだが。
スミス: 神々の名前を正確に発音する事は不可能なのではなくて?
有味: クッ、利いた風な口を。しかしまったくもってそのとーりだ。



目録06:暗黒の邪神世界 クトゥルー神話大全 クトゥルー神話大全
刊行年:1990年 出版社:学習研究社 定価:1,200円 著者:−
収録作品:−

スミス: ムックですわね。
有味: ムックだな。こんな物が出る時代もあったのだ。
スミス: 静かにブームだったのですのね。想像も出来ませんわ。
有味: 書店でこのムックを見かけたときはショッキングだったよ。特に矢野健太郎の絵が。
スミス: それで、どんな内容ですの?
有味: 主だった作品のダイジェストや(矢野氏の絵による)クリーチャー紹介等、さすがムーの別冊だけあってソツなく作られている。
スミス: オーナー的見所は?
有味: 用語集と作品ガイドかな。これが後の『神話辞典』につながっていくのだろう。
スミス: デモンベイン効果で、またこういうムックが出版される日が来ないかしら?
有味: どうかな。オレ、デモベやってないし。



目録07:ALICIA・Y(アリシア・Y) ALICIA・Y
刊行年:1994年 出版社:茜新社 定価:580円 著者:後藤 寿庵
収録作品:−

スミス: コミックスですわ。
有味: 遊びを入れながらもしっかりと神話している。良作だ。
スミス: ジャンクで終わらせないところに作者のセンスを感じますわ。
有味: 所蔵する神話系コミックスの中でも1、2を争うほど面白いぞ。野心家じゃないニャルラトテップとかはイイ感じだ。
スミス: オーナーの事だから、てっきり“アリシア萌え”と言い出すものと思ってましたわ。
有味: 見損なってもらっては困るな、スミス君。
スミス: さすがオーナーですわ。惚れ直しました(ポッ)。
有味: しっかり萌えてますが、それが何か?
スミス: Σ( ̄□ ̄;)



目録08:呪われしロキ 呪われし地
刊行年:1986年 出版社:国書刊行会 定価:2,300円 著者:クラーク・アシュトン・スミス
収録作品:「地霊」、「ヴルトゥーム」、「食屍鬼の神」、他

スミス: 神話色が薄すぎるのでは?
有味: まぁな。でもヴルトゥームとモルディギアンはパラメータ化されているから余裕でセーフだろ?
スミス: そういう事でしたら異論はありませんわ。イチオシはどれですの?
有味: 「プトゥームの黒い僧院長」。オチが笑えるから。神話作品じゃないけどナー。
スミス: “眠るもの”も“食屍鬼の神”も邦訳は本書だけかしら? レアすぎですわ。
有味: モルディギアンはd20のルールブックに載ったから、これからブレイクするんだよ、きっと。
スミス: でもd20クトゥルフ自体、ブレイクしな(以下自主規制)



目録09:肝盗村鬼譚 肝盗村鬼譚
刊行年:1996年 出版社:角川書店 定価:600円 著者:朝松 健
収録作品:−

スミス: 再び朝松センセの登場ですわ。
有味: 得意のジャパネスクだな。うらびれた辺境の地への帰郷という、ある意味クトゥルフの王道シナリオだ。
スミス: 息苦しい閉塞感が焦りと恐怖を演出していくのですわ。ところで内容の方は?
有味: 終わり方が中途半端な気がする。文庫一冊の容量があるんだから、ちゃんと完結させてほしかった。つーか、あんまり内容覚えてない。
スミス: パラパラ……(本をめくって)。……あ、このシーンは覚えているのでは? 156ページ5行目、「ごめんね。疲れてるのに、甘えちゃって」。
有味: ……(ムラ)
スミス: 「ごめんね。疲れてるのに、甘えちゃって」。
有味: ……(ムラムラ)



目録10:クトゥルー神話シリーズ
アルハザードの遺産、アルハザードの逆襲 
アルハザードの遺産
 刊行年:
 1994年、1995年
出版社:青心社 定価:600円 著者:新熊 昇
収録作品:「傀儡戦争」、「真紅の砂漠」、「奈落の文様」、他

スミス: アブドゥル・アルハザードが色々と権謀術数めぐらせて、結果的に失敗して「ちっ」と舌打ちして逃げる作品集、で良いんですの?
有味: 概ねそんな所だ。著者独特の神話観と古代ヘレニズム世界があいまって非常に面白い。日本人作家が書いた作品は読み易いしな。
スミス: ホラーというよりは活劇色が濃いですわ。
有味: そう言うなって。
スミス: オーナー的イチオシをお聞きしますわ。
有味: 『遺産』の方は「アッシュールバニパルの焔の由来」、『逆襲』は「アルハザードの逆襲」。既存神話エピソードの個人的解釈のような感じで好きだ。
スミス: この著者の方は他に作品を物していないのでしょうか? 惜しいですわ。
有味: そうだな。アルハザードのシリーズは完結してるっぽいので、新シリーズでの再登場を切に願う。



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