書架:3



目録21:アトラク=ナクア アトラク=ナクア
刊行年:1997年 発売元:
アリスソフト
定価:
アリスの館4・5・6収録ゲーム
著者:−
収録作品:−

スミス: えっちぃゲームですわっ!
有味: 日本でクトゥルフの次に著名な邪神はクモ神・アトラック=ナチャかも知れんなー。
スミス: えっちぃゲームですわ。
有味: 製作スタッフによって「クトゥルフ神話とは無関係」と断言されたにもかかわらず、ジャンクで済ますには惜しすぎる名作。「クトゥルフ最萌えトーナメント」でも猛威を振るったのは記憶に新しい。
スミス: えっちぃゲームですわ……。
有味: オレ的には和久編バッドの最後のセリフ「みゃーちゃん……ウソやろ?」にマジ惚れした。キャラ的には月並みながら奏子萌えと言っておく。しかし……姉さま、姉さま!!
スミス: えっちぃ……。
有味: 下手なジャンク作品よりはずっと神話の雰囲気があるゲーム。確か廉価版が出たはずだから、未プレイの人はプレイしてみてほしい。……はぁ、奏子も姉さまもイイなぁ。
スミス: (私というものがありながら……っ! えっちぃゲームっ!!)



目録22:シャドウプリム シャドウプリム
刊行年:2001年 出版社:角川書店 定価:570円 著者:出海 まこと
収録作品:「萌美と炎手」、「六畳一間メイド付き」、「ホフリノヤカタ」

スミス: 巨乳なメイドが活躍するお話ですわよっ!
有味: ? ……その通りだけど、なに怒ってんの?
スミス: 別に怒ってなんかいませんわ! メイドと巨乳、お好きでしょ?
有味: 人の嗜好を声高に叫ぶのはやめてもらおうか。3編目の「ホフリノヤカタ」が神話作品だな。なんつーか、ジャンクに限りなく近いが。
スミス: ……。
有味: ……ノリ悪いね、スミス。メイド忍者・風間萌美という大前提が作者の頭の中にあって、その活躍を描きたかったんだろう。でも、なんつーか、作者の脳内で盛り上がりすぎて8割くらい設定が仕上がった段階で突撃しちゃった感じ。
スミス: ……。
有味: 朝松健の人物描写に通じる所があるっつーか、ディテールの甘い部分がある。あと1割設定を上乗せしないと、萌えには達しないな。
スミス: ……。
有味: あいかわらずイラストレーターには恵まれている。逆にいえば、イラストレーターは作家に恵まれなかったという事な訳だが。
スミス: ……。
有味: ……何か知らんが、仕事はちゃんとしようぜ、スミス。さもないと君にもメイド服を着てもらうぞ!
スミス: 別に構いませんわ。
有味: えっ!? ホントに!? やったー!!!



目録23:黒の碑 黒の碑
刊行年:1991年 出版社:東京創元社 定価:550円 著者:ロバート・E・ハワード
収録作品:「黒の碑」、「屋上の怪物」、「大地の妖蛆」、他

スミス: ハワードの神話作品集ですわ。
有味: ハワードの作品は登場人物の生存率が高い。ガッツンガッツン怪物を倒して生き残ってしまうあたりは、さすがコナンの作者といった所だろう。
スミス: あら、オーナーはハワード嫌いですの?
有味: いや、全然好き。ハワードはラヴクラフトの真似だけに留まらずに独自の神話を作り出している。その魅力が凝縮された本書は創元推理文庫の神話短編集では白眉。
スミス: では、その中でもオーナーのイチオシはどの作品ですの?
有味: 「アッシュールバニパル王の火の石」。全神話作品の中でも上位にランキングされるほど好きな一篇。
スミス: 呪われたアイテムとその守護者というテーマが如何にもオーナー好みですわ。
有味: 表題作の「黒の碑」も神話体系では重要な位置付けの作品。是非一読してもらいたい一冊だ。



目録24:ラヴクラフト・シンドローム ラヴクラフト・シンドローム
刊行年:1994年 出版社:
アトリエOCTA
定価:1,500円 編集人:東 雅夫
収録作品:「闇に輝くもの」、「恐るべき物語」

有味: ムック登場。こっちは幻想文学の別冊だな。
スミス: 『クトゥルー神話大全』よりは硬派な作り、という感じですわ。
有味: 『神話大全』も矢野健太郎のイラストが異彩を放っているだけで、別に軟派な作りではないがな。
スミス: 学生時分によくこんなムックを保護いたしましたわね。さすがオーナー、先見の明ですわ。
有味: 確かに、苦学生(?)だった自分がよくこんなものに手を出したもんだ。きっとバイトの給料が入ったばかりだったんだろう。
スミス: 見所はどこですの?
有味: 評論に関しては、オレは素人なので敢えて触れないでおこう。「ラヴクラフト入門百科事典」は興味深い記事。つーか、辞典系好きだな、オレ。
スミス: 6種類の切り口の違う辞典が集められていますのね。
有味: 『クトゥルー神話辞典』とは違って、あまり有名じゃない項目まで網羅しているのが楽しい。幻想文学別冊といえば『クトゥルー倶楽部』もあるんだけど、こっちは入手できてないんだよね。
スミス: 今後の課題ですわ。……難題ですわ。



目録25:エンジェル フォイゾン 全4巻  エンジェル フォイゾン
刊行年:
2000年〜2005年
出版社:角川書店 定価:850円 著者:澁澤 工房
収録作品:−

スミス: こ、これは……。
有味: うむ、愕然とするのも無理はない。萌え系クトゥルフのトップランナーだ。
スミス: (((((((( ;゚Д゚)))))))ワナワナ……鬼門ですわ……書架3は鬼門ですわ……。どうしてこんなラインナップばかり……。
有味: しかし安心してほしい、スミス君。オレも「さすがにこれはないだろー」と思ってるから。
スミス: それを聞いてホッとしましたわ。
有味: 何でもクトゥルフにすれば良いって訳じゃねーだろ、という見本。現在は連載休止中(?)のようだがあまり切実に続きを書いてほしい作品ではないな。
スミス: ……萌えられるキャラがいない、というのがその理由ではありませんわよね?
有味: まぁ、それもあるんだけど、オレにも良識ってもんがあるからナー。ところでこの間言っていたメイド服の話だけどさー。
スミス: ……。
 
−2005/03/28 追記−
スミス: 完結いたしましたわね。
有味: そうみたいね。何か最後は訳分からん展開だったが。もう誰が誰やら。
スミス: ……で、結局誰萌えなんですの?
有味: ……スミス。
スミス: まっ(ポッ)
(茶番)



目録26:暗黒神ダゴン 暗黒神ダゴン
刊行年:2000年 出版社:東京創元社 定価:540円 著者:フレッド・チャペル
収録作品:−

スミス: あら? 貸し出し中ですわ。
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目録27:夢魔の書 夢魔の書
刊行年:1995年 出版社:学習研究社 定価:1,600円 著者:H・P・ラヴクラフト
収録作品:「ポラリス」、「緑の草原」、「無名都市」、他

スミス: ラヴクラフトを語る上で無視できない「夢」についての記述を集めた書籍ですわね。
有味: 夢について触れた書簡集と、夢に関連した短編集の2部構成になっている。「夢」にテーマを搾ってまとめられているのは珍しいな。
スミス: ドリームランドは神話世界でも重要な位置を占めていますのに、そこに焦点を当てた作品集は少ないのが残念ですわ。
有味: まったくだ。その点でも貴重な資料かもしれないな。短編集はなかなかに雰囲気のある作品が集められていて、唸らされた。「ランドルフ・カーターの陳述」と「ダゴン」はラヴクラフトネタでよく使われる有名なフレーズが使われているので、要チェックw
スミス: 「お莫迦さん、オーナーは死にましたわ」
有味: 「あの手は何だ。窓に、窓に」



目録28:ラヴクラフトの遺産 ラヴクラフトの遺産
刊行年:2000年 出版社:東京創元社 定価:1,000円 著者:F・ポール・ウィルスン
ブライアン・ラムレイ、他
収録作品:「大いなる“C”」、「血の島」、「荒地」、他

有味: 東京創元社の分厚い文庫シリーズ。ラヴクラフトに影響を受けた作家たちの作品を集めた短編集。
スミス: 全てが神話作品ではありませんのね。
有味: 前にも言ったが、ラヴクラフトはクトゥルフ神話だけじゃないからな。
スミス: 内容的にはどうですの? ラヴクラフト御大の影響ゆんゆんですの?
有味: う〜ん、どうなんだろうね。オレは神話好きではあるが、熱狂的なラヴクラフティアンではないからナー。「ラヴクラフトの影響を受けた!」という触れ込みで集められたのだから、きっとそうなのだろう。みたいな。
スミス: ……ナゲヤリですわ。
有味: ただ、彼の名のもとに多くの作家が集められて一冊の本を成す事が出来るのだから、やはりラヴクラフトは偉大な作家だったんだろうね。
スミス: 綺麗にまとめて逃げようとしてますわね?
有味: イチオシはマクノートンの「食屍姫メリフィリア」。ラヴクラフトが絶対に書きそうにない類の食屍鬼譚。そゆことで。



目録29:暗黒界の悪霊 暗黒界の悪霊
刊行年:1985年 出版社:
朝日ソノラマ
定価:520円 著者:ロバート・ブロック
収録作品:「猫神ブバスティス」、「嘲笑う屍食鬼」、「顔のない神」、他

スミス: ブロックの短編集ですわね。
有味: 文庫形態の短編集では一番入手しづらいのが本書ではないかな。しかし、楽天フリマに多数出品されていて驚愕。相応な値段はついているが。
スミス: オーナーはブロックの作品はどうですの?
有味: 好きだよ。星の精、無貌の神、セベクといったオリジナリティに溢れたアイデアで、存分にその実力を発揮している。クトゥルフ神話の生みの親はラヴクラフトだが、育ての親はブロックやC・A・スミスのように自分の作品で世界を広げてくれた作家たちなんだろうね。
スミス: ……真面目な神話解説のようですわ。
有味: ネコミミ女神バースト(ブバスティス)を扱うあたりも、ブロックには先見の明があったね。
スミス: 前言撤回。不真面目ですわ。
有味: イチオシは「セベク神の呪い」。ブロックの神話作品の中では一番好きだ。



目録30:夏の死 夏の死
刊行年:1991年 出版社:講談社 定価:720円 著者:斎藤 肇
収録作品:−

有味: これは厳密には神話作品じゃないな。
スミス: ……と申しますと?
有味: 5年前に起きた友人の転落死事件の真相を、TRPG『クトゥルフの呼び声』を使って解き明かしていく、という趣向のミステリー。
スミス: 毛色の変わった作品ですが、確かに神話作品ではありませんわね。
有味: まぁ、途中でHPを20ポイントも失ったキャラクターが瀕死ながらも生きていたりして、「コリャ何のゲームだ?」と失笑した場面もあった訳だが。
スミス: では『クトゥルフ・ハンドブック』で山本弘先生が書いていた通り、期待ハズレな作品でしたの?
有味: いや、オレは底が浅いから、これもそれなりに楽しんじゃったけど。ただ、作者にもう少しTRPGに関する知識があれば良かったかもね。
スミス: そうですわね。HPに20ダメージも受けては、さすがの私も気絶しかねませんもの。
有味: ……えっ?



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