ズー=シャエ=クワン



 『クトゥルー13』における「恐怖の鐘」翻訳記念(?)に厨子耶恨(ずしゃこん)=ズー=シャエ=クワン(『クトゥルー13』ではズ・チェ・クォン)の翻訳記事を掲載します。
 尚、訳者・有味の英語力はゴールデン・ゴブリン・プレス社の下請けのバイト程度のものなので、「大体こんなことが書いてあるらしい」という感じでお読みください。


ズー=シャエ=クワン(ケイオシアムの発音手引きによると「ZOO-shae-kwan」)、グレート・オールド・ワン
 「このものこそ、最後の破滅、劫初の夜の不滅の空虚にして沈黙だからである……生命や陽光とはいっさいかかわりがなく、深淵の闇と永遠の沈黙を好むがゆえである。しかしその時が来たる前に、遥か地底の彼のものが棲まうところに届く深い音色の音と太古の呪文によって、彼のものを地表に呼びだすことが可能である……光のなかに闇をもたらすからである。彼のものの訪れとともに、すべての生命、すべての音、すべての動きが果てる。」

――ヘンリー・カットナー『恐怖の鐘』
(東谷真知子訳、『クトゥルー13』より抜粋)


 この存在は全てを飲み込む広大な暗闇です。出現は気温の低下と次第に強くなる大地の揺れによって分かります。時に「ズシャコン」もしくは「ズルチェクォン」とも呼ばれるズー=シャエ=クワンは、『イオドの書』の中で詳しく論じられています。チャールズ・フォート(訳者註:アメリカの超常現象研究家)の仮説的存在メラニカス(Melanicus)とこの存在には多くの類似点が見受けられます。

その他の特徴:ズー=シャエ=クワンが出現しようとするエリア内にいる人間と動物は目の痛みを覚え、それによって失明してしまった者たちは目の痛みを取り除こうとします。グレート・オールド・ワンがついに現れた時、全ての人間および動物の生活は、この闇の神を何とかして退散させない限り、盲目のままとなってしまいます。ズー=シャエ=クワンによる盲目に晒されている者は1ラウンドに0/1ポイントの正気度を失います。この正気度の喪失によって20%以上正気度ポイントを失ってしまった者は狂気に陥り、自らの目をえぐり出してしまいます。
 このグレート・オールド・ワンは通常、地下のねぐらへと到達可能なある種の低いトーンの鐘の音や音楽的音色によって召喚されます。そうした召喚の音色が続く間だけしかその場に留まれませんが、一度その場所に出現したら、次の蝕の間には招かれずともそこへ戻ってくることが出来ます。
 ズー=シャエ=クワンに飲み込まれた一地方は、小は小さな農場の居住者から大は大都市の住人にまで影響が及びます。

ズー=シャエ=クワン、暗く静かなるもの
   STR 該当せず  CON 100  SIZ 様々  INT 20  POW 80
DEX 該当せず  移動  該当せず               耐久力 100
   ダメージ・ボーナス:該当せず
武器:盲目にする 100% ダメージ 特殊
装甲:ズー=シャエ=クワンは物質的な力では傷つきません。光でも同じです。魔術と魔術的な武器は最小ダメージ分の効果を及ぼします。
呪文:盲目にする、目くらまし、その他キーパーが望むもの。
正気度喪失:ズー=シャエ=クワンの暗闇の海がエリアを飲み込んでいるのを離れた場所から見た場合、1D6/1D20の正気度ポイントを失います。暗く覆われたエリア内にいる者は最初のラウンドに1/1D10ポイントの正気度を失い、以後毎ラウンド0/1ポイントの正気度を失っていきます。

(以上『The Creature Companion』より)




ズチェクォン Zuchequon(ズルチェクォン Zulchequon、ズシャコン Zushakon とも)
 ウボ=サスラの子供であり、古き夜の最後の末裔であると伝えられる存在です。これはカストロ(訳者註:『クトゥルーの呼び声』に登場するクトゥルー教徒の老人)が「大地の黯黒の精霊」と言及したものの一つなのかもしれません。ある旋律や低い音によって召喚されると、ズチェクォンは地震によって自らの来訪を告げます。その際、ズチェクォンは闇と冷気を伴って現れます。
 クン=ヤンとムーの民は鐘を鳴らし、唱ってズチェクォンを崇拝していました。アメリカの西海岸のインディアン部族はかつてズチェクォン召喚の法を知っていましたが、その知識は失われてしまっているようです。ツンス(Tsunth)を指導者とする「隠蔽されしものたち(Hidden Ones)」にズチェクォンは仕えられています。

(以上『The Encyclopedia Cthulhiana』より)




『暗く静かなるもの』へ戻る