日本には、陸上、海上、航空の3つの自衛隊があります。文字通りそれぞれ陸海空の守りに就き、365日休まず国防の任に当たっています。日本は四方を海に囲まれており、その中でも海上自衛隊は、高い機動性と防衛力を持つ艦艇、航空機により国土の防衛に努めています。
大東亜戦争(太平洋戦争)が終結し、日本海軍は連合国によって解体されましたが、掃海部隊は戦後も一部の艦艇と要員をもって「航路啓開隊」として存続されました。そして日本の海峡や主要航路、港湾に残存する機雷の除去を続けていました。1950年(昭和25年)6月25日、朝鮮戦争が勃発したことを契機に、同年8月10日陸上自衛隊の前身である警察予備隊が誕生しましたが、航路啓開隊も朝鮮半島の港湾や水路の掃海に派遣されています。その2年後の1952年(昭和27年)4月、海上保安庁に航路啓開隊を母体として海上警備隊が結成されることになりました。さらに同年8月1日に「保安庁」が設置され、その後警察予備隊は保安隊に、海上警備隊は警備隊と名称を変えて保安庁に移管され、我が国防衛力の基礎が出来上がったのです。そして1954年(昭和29年)7月、防衛庁の設置、自衛隊の発足で「海上自衛隊」と名称が改められ、その第一歩を踏み出すこととなりました。