2000年9月8日発売。 実質的なカムバック作となったこのアルバムは、前作を踏襲しつつも米国ハードコアグループの影響を強く受けたハードコア系ミクスチャー。 前作同様作詞作曲から編曲、演奏にいたるまでほぼ全てをテジ一人でこなしているが、宅録っぽさは払拭され、完成度の高い仕上がりとなっている。韓国ではなじみの薄いジャンルにも関わらず120万枚以上を売り上げた。

Lyrics

01 アイテム / 아이탬

今回のアルバムの基調となる重くて暗い雰囲気。アルバムの最後の曲、<ノエゲ>リメイクバージョンとつながっていて、リピートして聴くと独特な感じがある(テジ談)。

02 タンク / 탠크

戦車のキャタピラと砲撃らしき音で始まるが、内容は反戦じゃなくてTV・マスコミ批判だそうだ。
「飴のようで」という歌詞が今までとは違うオトナな表現だぜ、ということだったが、それが仇となり放送禁止に。(「飴」はいわゆる卑語というやつらしい)

条件 数千万の絶対条件
僕が疲れて立ち止まったのは 立ち向かって争う前に 沈黙して…
戦闘的で! その沈黙の中の 偽善でいっぱいのタンクに 僕はささやかな衝撃を

ひしゃげた!価値!隠された!深く!

混沌 僕の価値の喪失 混沌
僕の創造は 価値なんて無く 傷だらけの僕は 沈黙して…
絶対的で! その仕草の中の 嘘でいっぱいのタンクに 僕は小さな亀裂を

ひしゃげた!価値!隠された!深く!

数千万の父母はみな 僕らのことを祈ったけど
僕と君は少し違っていた
希望でいっぱいだった 刀と海を間違えるほど
促した僕に 君は不可解な疑いを残して 僕は奇怪な踊りを残した

静かに眠るには 胸に冷えた意地が この長い暗闇が
詐欺のようで 飴のようで

多分君が僕を欺けば欺くほど きっと僕を思い出す
ふと 僕は戦慄した 君の支払うツケ 同格化 まさに精神的虐待

03 オレンジ / 오랜지

やたらに韻を踏みまくりで、その分意味がよくわからない。オレンジって何よ?

あの時は何がなんだかわからなかった 無知な僕は
君の弱点ばかりを探して うぬぼれて 自分の隙間を埋めた
君を踏みつけて 大きなフリをして みなを見下したけど
僕の盗んだ価値は 崩壊したままで ひどくだだをこねる 僕の実体

大事な自分をぶち壊したりしないで 自分を惜しむ それも君らしいさ
君は持っているフリに疲れ また自分の罠に堕ちるだろう

君も自分の立場だけを誇示して みんなを簡単に蔑んだけど
手に負えず 無理して強がって 息を切らした君へのクエスチョン
君は持ち物の中の自分を信じるのか 君の自我よりもっと価値があるのか
たやすく 根深く 固く 打ち込まれた驕慢 でたらめな欲望

燃えてしまえ 僕らはゴミなのさ
僕には暖かさがカケラもない なぜ?
消えてしまえ 君は卑怯者だよ
みんなが君から去った後に 君を捜そう

ゆきすぎた その権威的な姿 滑稽だけど愚かな伝統的風習
幼い彼らに 君はただ一度も隙を与えなかった
そのひどい独善 偽善 閉じこもった公式 そして利己的独占
博識なフリをした虚勢 仮飾 貪欲に巣喰った弱肉強食

04 インターネット戦争 / 인터넷전쟁 イントーネッ チョンジェン

インターネットに様々な有害情報が散乱する状況を皮肉った曲。ネットでのファン投票により後続曲に決定した。ライブで定番の盛り上がり曲。グルーヴィーなイントロと間奏ではひたすらジャンプしよう!

くだらない雑説がはびこる場所 だれもが好きにさえずる所
ちっぽけな常識でぺらぺらしゃべる君は 未熟な傷をさらけだし
相手のヤツが心を痛め 無知な君はそれでも喋りちらし
空っぽな君の価値 哀れなもんさ いいかげんにしろ

僕が君を守ってあげるから その胸を引き裂いてあげるから
涙を拭ってあげるから 僕を信じて

気に入らないヤツをつぶして生き延びる 省みられない消耗戦
僕を捕らえた罠の爪が 君の足首を引き裂いた
硬直した君は 唾を飛ばしながら 無知な無理強いばかり並べ立てて
あんまりひどいその口臭 哀れなもんさ いいかげんにしろ

破滅の為の発展 また経験する世界戦
君が捨てたその毒の水が 子供の血管の中をえぐり降りてゆき 固く固く突き刺さる
新たに生まれる汚染 変異体
いつも自分を脅かした僕は 自分自身に抵抗した 結局自分に警告した
僕は人質になる 結局奴隷になる

ウイルス 果てしなく争うワクチン 世界中に散らばったアダルトギャラリー
隠した白刃が 幼子の頭の中に取りついて 児童虐待 自虐変態 少女を狙う醜態
千差万別の実態 哀れなもんさ

05 剽窃 / 표절 ピョジョル

タイトルは「盗作」の意味。著作権フリーの曲をそのまま入れたもので、無責任な盗作疑惑を何度となくかけられてきたテジの皮肉が込められているという。
あまりにボヨヨンとした曲で、いかにもサザエさんのBGMとして流れてきそうなので、別名「サザエさん」と呼ばれる。

06 大京城 / 대경성 テギョンソン

「京城」とはソウルの旧名で、大ソウルという意味。大都市が破滅を引き起こすかもしれないという警告のメッセージが込められている。英語部分は「ずっとオレを当てにしやがって もうほっといてくれ」という意味らしい。ますます皮肉だ。
バンドメンバー(当時)一番のお気に入り曲。

今までどうにか持ちこたえてきたここは もう破滅直前
街中を大きな権威でくるみこんだような
最初から予測できなかった訳じゃない そんな言葉が容易く聞こえてきた街
急激な発展 全てを成し遂げたと信じるのは 漠然とした再挑戦
棄権した君には絶対無理だ
それは狂った乾杯 もう二度と 絶対

No change! Suck my brain
Let still me gone You know what I'm saying
(また僕のせいにするんだろ)

一見まともな政策 呵責なしに抜け道を探す君の術策
問いつめても結局 重責を担う自慢 全て免責

sound like the bomb,then it looked like a bomb…

互いの鼻先に 刀と薔薇をつきつけて
そして対話を始めよう 喜んで受けてやるさ

07 レゴ / 래고

「レゴ」はいわゆるおもちゃのブロック。1つ1つ積み上げて好きなモノを作れる…とかそういう比喩らしく、音が1つ1つ増えては減っていく。元々は歌のある曲だったそう。

08 ウルトラマンだ / 울트라맨이야 ウルトラメニヤ

アルバムのタイトル曲。「ウルトラマン」と「ウルトラマニア」を引っかけてある。一つのものに打ち込む姿の美しさを訴え、そういうマニアがやがて世界を変えていく、というメッセージが込められている。マニアとは自分のファンのことでもあり、彼らに対する信頼と感謝を表現した曲でもあるという。
「英雄なんてもういない」という歌詞には、今まで英雄視されていた自分の姿を消してしまい、ファンと同じ立場で一緒に素晴らしい世界を創り出したいという願いが込められているそうだ。

we are the youth いつも外れ者の俺にはtruth
俺はトチ狂ってるとみんなが言う そうさ彼らは正しい そうさ俺はもっと狂いたい

ハッキリした答えを出そう 英雄なんてもういない
もうずっと前に死んじまった ずっとずっと前に
太陽の下 今の英雄はお前だ

ウルトラマン 幼い頃の夢の中
ウルトラマン ここは本当はどんな国なのか
ウルトラマン 今から俺は本当の
ウルトラマン スーパー超ウルトラマニア!

からっぽのオマエに ウルトラパンチ
イッちゃってるオマエに ウルトラパンチ

根性悪な世代 閉じこもったオマエには 未熟な光でさえも怖いだろうけど
俺にはただ嬉しいだけ 楽しみさ
また俺にチョッカイだしてみろ タダじゃすまない
今ウルトラの名の下に 審判を受けろ オマエの物差しでオレ達を計るなら そのうちきっと…

we are the youth いつもお前は俺にとってのjuice
俺はトチ狂ってるとみんなが言う 狂ったマニアの世界 明るい狂った世界

ウルトラマン 幼い頃の俺の夢の中
ウルトラマン 俺を変えたあの答案紙
ウルトラマン 今から俺は本当の
ウルトラマン スーパー超ウルトラマニア!

09 憶えてる? / ㄱ나니? キオン ナニ?

誰かに徹底的に引き裂かれた被害者の恐怖と憎悪を表現しており、テジがこのアルバムで最も気に入っている曲だという。歌詞が意味深でちょっとドキドキ(バカ)。

そっとしておいてくれ 君を裏切れない僕だけど
苛酷に引き裂かれた傷を舐めた 僕はおとなしく そっと両目を伏せて

僕は死にたかったのに ふと君の暖かな甘い言葉 結局また君の中に
僕は消えてしまいたかったのに 罪悪感ばかり 結局また君の元に

君は僕の苦痛をうかがい 僕はまた隠そうとして無理をした
撃ち抜かれた僕は抵抗できなくて わかった 神なんて僕の側にはいない

僕は死にたかったのに ふと君の暖かな甘い言葉 結局また君の中に
僕は消えてしまいたかったのに 罪悪感ばかり 結局また君の元に

笑うんだね 満足げに とても楽しそうに君は
笑うんだね 恐ろしい…

時折僕を縛り 絶対服従を吐き出させるような
頭脳を突き抜ける恐怖が 血で苦痛を吹き上げる

笑うんだね 満足げに とても楽しそうに
笑うんだね 恐ろしい笑みを浮かべて

bonus track 君に / 너에게 ノエゲ

通称「ぶっ壊れ」バージョン。元の曲を知ってるだけに、他の曲よりずっと怖く聞こえる。
あの可愛かった「せんがっけば?(考えてごらんよ)」がもはや「考えてみろよ!世界は変わってくんだよオラァ!」である。