昇る月が私に癒を与えてくれる。墓所から戻って以来、私は何故夜をよりよく思うようになったのかを熟考しているが、今だその答えはでていない。
私が信奉するのは闇の暗さではなく、冷たい月光を浴びることだ。
私は、異なる新しい生を受け、その状態であることを、ただ認めるべきなのだろう。
私には無為の黙想のための時間があまりに足りないのだ。
最近、ロード・リクルースは新たな妄想に取り付かれている。
彼は自身が明確な運命に導かれていると信じているようなのだ。奇妙なことだが、我が主の最新のプロジェクトは予言者カリンダ(Kalinda
the Fortunata)との会話のあと始まった。
彼女ははるか遠くのビジョンを見たようだ。私が確かめたところによれば、予言者は我が主に運命を変えるための機会が到来したと話したらしい。
我が主は決してその詳細を語ろうとはしないが、私は彼が常にその生命の終わりを恐れていたという印象を持っていた。今、彼がある一連の出来事を行うことができたなら、その運命を変えることができるように思われたのだ。
ちょうど昨日、私はなにやら分からないなぞめいた話について彼が言うのを聞いた。
私にはそれが一体なんであるのかは分からない。だが、どうやら我が主がこれらの決定的な出来事を行うためには、数ヶ月を要するようだ。
私はそれがなんであるのか、我が主には質問してはいない。
なぜならばすぐに彼が私にその詳細を教えてくれるであろうと、私は確信しているからだ。