悪魔の麻薬スーパーダインの中毒者にして、麻薬のもたらすスーパーパワーの虜になったジャンキーの集団、トロールズ(Trolls)
スカイウェイシティを根城に東洋の麻薬マフィアTsooやファミリー、そして傘下にある麻薬シンジケート、スカルズの影響下にあった彼らであったが、今年の夏突如としてその勢力の拡大に乗り出した。そしてこのことが多くのヒーローを巻き込む新たな動乱の幕開けとなったのだった。
2004年7月28日未明、新たな拠点を築かんと計ったトロールズの一団がParagon Cityのイーストゲート(East Gate)付近の地下下水道に潜入し、強力な爆弾でこの付近一帯を爆破する事件がおこった。
だが彼らは知らなかった。実はEastGateの外側一帯は無数の兎の巣やトンネルが続くエリアだったのだ。爆発の衝撃はただでさえ不安定なこの地域の地質を粉々にし、ついにはゾーンの大部分を陥没させ、あるいは掘り返すことになったのだった。
それゆえこのイーストゲートの外側はこの事件以後、誰ともなくハローズ(Hollows 掘り返えした窪み)といわれるようになった。
そして爆破による予想外の影響が収まった後、トロール達は目の前に現れた処女地を見て、勢力拡大の絶好のチャンスが訪れたことを知った。
かくてトロールズのリーダー、アッタ(Atta)に率いられたスカイウェイシティのトロール達は、この地に殺到するや新たに誕生した窪地やトンネルに彼らの根城を築き始めたのだった。
一方、この突発的な事態に驚愕したParagon City警察はデビット・ウィンコット(Devid Wincott)警部補をチーフとする対トロールズプロジェクトチームを組織し、事態の収拾に乗り出した。
だがトロール達の攻勢は警察の予想を遥かに超えていた。強力なトロールの大群を目前にした警官隊はイーストゲート付近に塹壕を築き、この一帯を封鎖するのが精一杯だったのだ。続いてさらなる悲報が警官隊を襲った。プロジェクトチームのリーダー、ウィンコット
警部補の息子サミュエル・ウィンコットがトロールズによって誘拐されてしまったのだ。
そしてParagon City警察の懸命の努力にもかかわらず、未だサミュエルの行方はようとして知れないままだという。
この思わぬ新天地に目をつけたのはトロール達ばかりではなかった。
特に日頃トロールズと対立していたギャング団アウトキャスト(Outcast)がトロールの勢力拡大を黙って見過ごすはずもなかった。アウトキャストのリー
ダー、フロストファイア(Frostfire)はこの新たな事態に自ら手を下すことを決断し、スティールキャニオンの本拠地を出て自らこの新たなるゾーン、ハローズに入ったのだ。
このことはトロールとアウトキャストがHollowsを巡る全面戦争に突入したことを意味していた。
この新たなギャング戦争・・・警官たちはターフ戦争(Turf War 縄張り争いの意)と呼んだ・・・のお陰でトロールズに加えてアウトキャストの大部隊までがこの地に殺到するに至り、Paragon City警察はいよいよ打つ手を失ってしまった。
こうなるともう後は何でもありである。Circle of Thornsが治安を失ったこの地で夜な夜な怪しげな儀式を繰り返し、挙句は洞窟の奥からは謎の溶岩の怪物が出現したと噂される有様となった。
事ここに至ってParagon City警察は遂にヒーロー達に救援を要請することになった。救援要請の記者会見の席上、ウィンコット警部補は警官隊の封鎖線の塹壕が定期的に襲撃を受け
ていること、そしてトロールズとアウトキャストの両方に対応するにはマンパワーが絶対的に不足しており、ヒーローの力なしにはこの地が凄惨な戦場となること
は避けられないと力説したのだった。なお噂によるとこの会見のあとウィンコット警部補はつもり積もった心労のためか自暴自棄になっていたという話だ。
だが現在Paragon Cityはより多くの深刻な脅威に直面しており、この窪地を巡るギャング団の争いごときにその勢力を割けるヒーローはそう多くはない。
となると、おそらくこの任務を負うのは新たな新米ヒーローということになるだろう。
だが侮ってはならない。この2つのギャング団を壊滅させてその戦争を終結させ、未だ行方の知れずのサミュエル青年を救出して、ウィンコット警部補を安堵させてやることができるかどうかは、すべてヒーローの双肩にかかっているのだから。