金丸マキ 作品リスト |
金丸マキ 作品リスト 2002年版
現時点で入手可能と思われる本には星印をつけておきました。 正確な情報をお知りになりたいかたは、版元もしくは書店等での確認をお願いします。 現存作品、非常に少ないです。面目ない。
作 品 名 | 出 版 社 名 | 内 容 紹 介 |
くるみ割り人形 | 白泉社・花丸ノベルス | 表題作の他、『ぼくではない誰か』『水の写真』収録。 単行本デビュー作。社会人と大学生のカップル、慎二と千尋の物語。千尋が視点の二話は、ゲイテイストのコミカルなもの。慎二が視点の『水の写真』はちょっと暗め。最近(こわくて)読み返していませんが、もしも「デビュー作・最初の一冊には、その人の持つ資質のすべてが入っている」という説がほんとうだったらどうしましょう。(イラスト・高橋まりこさん) |
神様も降りてこない森 | 白泉社・花丸ノベルス | 芸術大学の演劇科を舞台にした、人間関係錯綜ぎみのパワーゲーム。実は私、子どものころ、最初になりたいと思った職業は役者でした。それはともかく、私自身、この話の主人公・望月神無くん的に、生きてる中で「どうでもいい」のカテゴリーに入れてしまうこと・ものが非常に多い、生存競争にあっさり負けるタイプの性格をしてるので、こういうものを書いてしまうと、ヤバいなーって感じです(なにが?)。(イラスト・きよみずまことさん) |
ベイビィラヴ | スコラ・ルチルノベルス(版元倒産のため絶版) | 表題作の他、『白いパラソル』を収録。バンド小僧崩れの音楽ライターと天才少年音楽家との、わりとシリアスに迫ってみた恋愛もの(他のは恋愛ものではないと!?)。クォーターで青い目のピアノ弾き・罪のない顔して身持ちの悪い内田類くんが、あんがい人気がありました。サブストーリー『白いパラソル』の情けない遠山さんも、おじさま好みな方々にご好評でした。(イラスト・よしながふみさん) |
青の時代 | スコラ・ルチルノベルス(版元倒産のため絶版) | 表題作の他、『完璧な恋人』を収録。イラストレーター真壁順くんの恋愛遍歴の話……なのか!? 郁生の扱いに関しても、千理くんの立場に関しても、「ひどい」「かわいそう」の声が多かった。ごめん。当初『青の時代』を書きあげたときには「やったね。いただきだぜ」なんて思っていたのだが、冷静になって読み返してみれば、これって深刻なふりをしたトレンディドラマじゃん。ゆえに、甘い酒に酔ってしまいたい人にはオススメ。(イラスト・初田しうこさん(現在は改名されて「鹿乃しうこ」さんになっています) |
絶対服従 | 角川書店・ルビー文庫 | 表題作の他、『あなたに今夜は殺意をそそいで』『夕暮れのバス』を収録。 幼なじみどうしの「友情以上・だけど恋愛までは遠いぜ」コメディだの、虐待されて傷害事件を起こしてしまう中学生の話だの、病気の弟の看護をひとりで背負って倒れそうになっている高校生の話だの。「このお店が何屋さんなのかわからん」とある人(佐和田ともみっち)に言われてしまったバラエティ本。(イラスト・二宮悦己さん) |
うそつき | 角川書店・ルビー文庫 | 表題作の他、『まだ見ぬ君へ』『素直』を収録。 『絶対服従』の幼なじみコンビ、和音と航がメインの短編集。『絶対服従』にも登場する鞍田くんと高野くんの話もあります。なんでもない日常、生きてるゆえの鈍痛、愛ゆえにこみあげる微笑……しまった、いわゆる佳作系じゃん! メインのふたりよりも、鞍田くんを中心にした人間関係に注目が集まった感がありました。(イラスト・二宮悦巳さん) |
季節はずれの海岸物語 | 角川書店・ルビー文庫 | 覆面高校生作家のひとり暮らしの家に、元同級生のモデルが転がり込んできて、ひょんなことから同居が始まって……。夜早い時間帯のテレビドラマみたいなキャラ設定とタイトルに関して、「やめて〜」「どこかで見たような設定だ〜」という苦情が集まったり、集まらなかったり。賛否両論。軽いように見えて本人はけっこうキツいことも書いたつもりだったんだけどな。真夜中、三崎くんが新谷鬼コーチに見守られて自転車に乗る練習をするシーンが、わけもなくご好評。(イラスト・若宮ひろさん) |
睡蓮の刻印 | 小学館・キャンバス文庫 | 男性コンビがメインキャラですが、ボーイズラブ系ではありません。貴種流離譚オリエンタルファンタジー。コスチュームものというか、現代もの以外に挑戦するのは初めてで、いろいろ苦労したような……でも終わってしまえばそんなことは忘れてしまうんですね。反省点、大いにあり。妖魔に乗って空を駆けるシーンを書いているときが楽しかったでしゅ……。(イラスト・高田明美さん) |
☆恋愛依存症 |
光風社出版・クリスタル文庫 | ゲイの高校講師・立花大和と、成績に難アリの生徒・原島璃一との、ストレートな恋愛物語。このお話に対する反応に関しては、拒否反応を示す人と、とてもいい、と言ってくださる人とにはっきり二分された感がありました。なぜなのでしょう。文体でしょうか。キャラクターたちのありかたでしょうか。私にはわかりません。作者本人はスタンダードに気に入っているんですが。(イラスト・山田ユギさん)。 |
☆マリコに首ったけ | 潟Cースト・プレス発行アンソロジー本『カサブランカ帝国』収録作。 | 初めて女どうしものを書きました。でも、男どうしのときと特に変化はないみた いです。タイトルは、大好きな映画『メリーに首ったけ』のもじり。ストーカー ってどういうことなのか、爆笑共感の果てにしんみり理解できてしまう映画です (自作そっちのけ)。 |
☆出ていってやるこんな家! | 二見書房・シャレード文庫(2000年9月) | 十五歳の主人公・椎名勇太郎の父親は、三十歳のエロ小説家・右京。彼らが暮らす団地に、ある日、右京の恋人(♂)が同居しようとやってくる。隣家の幼なじみ・省吾も加わって、親子問題・恋愛問題が連鎖的に勃発!? 別キャラクターが主人公の過去編『時間が教えてくれるでしょう』を同時収録。(イラスト・ほり恵利織さん) |
☆鉄壁トランクス | 光風社・クリスタル文庫(2001年2月) | 三十歳を目前にして一部上場企業を辞め、昔からの夢だったマンガ家を目指す井上律。憧れの作家・星崎のアシスタントになったところまではよかったけれど、そこには若干二十歳の先輩・神田純也がいた。有能かつ超毒舌の神田に貶されしごかれ怒られ続けて、律のなけなしの自尊心はガタガタに……。作者本人、細部はそれなりに気に入っているんですが、いかんせんボーイズラブとしては……どうよ!? 巻末に『星崎まことインタビュー』を収録。(イラスト・梶原にきさん) |
☆その時ハートは盗まれた | 芳文社・花音コミックス(2002年4月)原作担当・作画は穂波ゆきねさん | 貴族のぼっちゃまと謎の怪盗の恋愛バトルを描いた表題作の他、番外編『be nice』、学園コメディ『人は見かけによるものだ』、アメリカ合衆国の下院議員を主人公にした『接吻スキャンダル』を収録。花音のアンソロジー誌に不定期掲載されていたマンガを集めたコミックスです。 |
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金丸マキ 雑誌掲載リスト |
タ イ ト ル
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掲載雑誌名
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内容紹介
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海の名前 |
大JUNE 67号(1992年11月) |
山田麻貴名義。商業誌デビュー作で、唯一のSF作品。環境の厳しい星で遭難状態に陥った主人公が、言葉も常識も通じない先住民族の男とふたりきりでサバイバルしているうちに……。最初から最後まで言葉によるコミュニケーションができないままの恋、という、いま思えば小説の手法的に楽しそうな試みをしてました。タイトルが話のオチになっていて、それをほめてもらってうれしかった作品。 ふいに思い立って小説を書き始めてから、初掲載までにかかった期間は十ヶ月。 ここまでは、私の歩みもえらく順調だった、のかもしれない。あれからもう七年……。 |
くるみ割り人形 | 小JUNE 63号(1993年10月) | 山田麻貴名義。花丸ノベルズ『くるみ割り人形』に収録。 |
裏庭の猫 | 小説花丸94年 秋の号 | 小説花丸新人賞・佳作受賞作。佳作って、やな言葉……。 数少ないサラリーマンもの。同僚どうしがボロ寮で同居するうちに……という話。ひねくれている受が、やさしい攻の真心にふれて改心する、っていうふうに省略して書いちゃうと、なんだかバカみたいだぞ。攻が「太った男」という致命的設定ミスを抱えていたため、ノベルズに収録されることもなく、冒険だったなぁ、という記憶にその痕跡をとどめるのみとなった作品。 |
風に言葉は届かない | 大JUNE 80号(1995年1月) | 五十枚の短編。まったく大事に思わず惰性でつきあっていた相手と死に別れ、手遅れになってしまってからとても大切な人だったんだと気づいて、けれど死んでしまった人が相手ではもうなにをどうすることもできなくて、泣き笑いしつつ人生は続く、そんな話でした。 |
夕暮れのバス |
小JUNE 71号(1995年2月) | ルビー文庫『絶対服従』に収録。 |
青の時代 | 新撰組 1号(1995年4月) | ルチルノベルズ『青の時代』に収録。 |
得恋 | 小JUNE 104号(1999年2月) | 十五枚の掌編。四年ぶりくらいに雑誌に載ったよ〜。内容は……別れ話と見せかけて、恋のハードルひとつ越えました、っていうような、密室劇的ワンシーン。 |
嘘でも恋人 | 小JUNE114号(1999年12月号) | 大学生の先輩後輩カップルのラブストーリー。このお話を書いたときにはかなり明確に「えっちメイン!」と決意してかかった記憶が。でもできあがってみればさほどエロくもなく、いつものラブコメという仕上がりに。 |
おぼっちゃまにはわかるまい | 小JUNE118号(2000年4月号) | 三十八枚の短編。超お金持ちで常識知らずのおぼっちゃま、鴻江唯が巻き起こすドタバタコメディ。ナンセンス具合といいネタの詰め込み具合といい、アメリカのシチュエーションコメディドラマを文字でやったら、こういう感じでしょうか。コメディ、好きなんです。 |
あやまらないで | 小JUNE 120号(2000年6月号) | クリスタル文庫『鉄壁トランクス』に収録。マンガ家もの第一話。 |
出ていってやるこんな家! 1 | 二見書房 シャレード(2000年7月号) | シャレード文庫に収録。 |
出ていってやるこんな家! 2 |
二見書房 シャレード(2000年9月号 ) |
シャレード文庫に収録。 |
鉄壁トランクス | 小説June 2000年10月号(NO.124) | クリスタル文庫『鉄壁トランクス』に収録。 |
愛でお腹がいっぱいだ | コバルト 2001年2月号 | 父母と双方の祖父母六人によってたかって構われて、過保護のあまりに愛情の価値さえわからなくなっている主人公が、大学の後輩に好意を寄せられて、少しずつ変わって行くお話。コバルトという舞台も新鮮だったし、イラストを館野とお子さんにいただけたのも嬉しい思い出です。 |
金丸マキ的に
いちばん気に入っている作品
クリスタル文庫の『恋愛依存症』
いちばん気に入っているキャラ
選べなくなってきました。
いちばん反響のあった作品
『夕暮れのバス』
いちばん反響のあったキャラ
2002年6月改訂&追加作成 文責・金丸マキ