REPORTマキシモ
PlayStation2
2001年12月27日発売発売:カプコン  

  『魔界村』シリーズに対するオマージュ的な部分を持つ (注:ゲームのテイストを継承した続編というわけではない)、カプコンの家庭用オリジナル3Dアクションゲーム。


  主人公「マキシモ」はレバーを入れた方向に進み、ある程度コンピュータが視点を操作してくれるタイプで、 手動の視点関係はL1ボタンでのカメラを主人公の真後ろに動かす操作と、R1+左スティックでの主観見渡しのみ。
  ジャンプにはクセがなく、『ジャック×ダクスター』と違って自由なタイミングで2段ジャンプが可能(ジャンプ中じゃなく落下中でもジャンプ可)。 その代わりというか、足場の端っこに掴まるようなアクションもないし、その他の移動系アクションも皆無。
  基本となる攻撃手段は剣による近接攻撃。 攻撃範囲の広い□ボタンの横斬りをメインに、敵や周囲の状況に応じて△ボタンの縦斬りを使っていく。 また、R2で盾を構えることができ、結構万能に防御できるももの、シールドには耐久度が設定されていているので、常に防御して攻撃ってワケにはいかない。
  システム的に面白かったのは「アビリティスロット」。 敵を倒すと時折、マキシモがパワーアップする「アビリティ」というアイテムが出現。 そのの内容は、横斬りが2段コンボになる「2段斬り」とか、 盾を投げて攻撃できるようになる「シールドショット」とか実に様々で種類も多い。 で、これを装備するのがアビリティスロットということになる。 装備そのものに制限があるわけじゃなく、特徴は、マキシモが死んだ時にもそのアビリティが失われないという「優先アビリティ」の存在だろう。 最初はこのスロットが3つあり、ボスを倒すと1つずつ増えていく。 落下即死の場所が結構多く、このスロットの重要度はかなり高く、ここにどういうアビリティを置いておくかがプレイヤーごとの戦略の違いということになるんだろう。
  ステージ構成は、まずワールドマップ的な「マップ」があり、 そのマップの導入となる最初のステージをクリアするとそのマップへ行けて、そこから(最初のステージを含めて)4つのステージへ行ける。 で、それぞれのステージをクリアするとボスステージへの扉が開く。で、ボスを倒すと次のマップの最初のステージへ、という流れ。 各ステージは、箱庭というよりも一本道のルートが決まっているタイプで、5つのマップに各4ステージということで全20ステージ。 それぞれそれなりの広さがあるので、全体的なボリューム感は十分
  ただ、ボスは実に淡白。 有効な攻撃が絵的にわかり辛い(理屈ではなく、「有効な攻撃はコレ!」と決められてしまってる感じが強い)反面、 それがわかった途端、ボスの攻撃を見切るという要素が弱いこともあって非常に簡単になってしまう。

  このゲームの第一の難点はやはり視点。 多くの3Dアクションゲームが視点に問題を抱えてるわけだけど、このゲームは特にそれが酷い。 ビミョーに斜めに傾いた視点がメインとなってるのは、まぁこのゲームの特色といったところで、雰囲気の演出としては買いたい部分。 第一の問題は、自キャラが動いてるときにはL1ボタンによるカメラリセットが効かないこと。 追々慣れていってしまうものの、始めのうちは随分とイライラさせられた。 さらなる問題点は、視線の低さとそれを自前で調整できない部分にあると思う。 それによって、異常に敵キャラとの距離感が掴み辛いし、足場の距離感もやはり掴み辛い。 剣による近接攻撃がメインとなるこのゲームでは、これはかなりマイナス。 意外と敵の攻撃にバリエーションがないのも、ここらへんに対する配慮に思えるし、ジャンプアクションにしても、仕掛けがどうのこうの以前に視点が最大の敵になっている。
  というか、そんなにたくさんの敵と同時に対峙するようなゲームじゃないんだから、 N64『悪魔城ドラキュラ黙示録外伝』などのように、ロックオンをして戦闘をするようなシステムがベターだったんじゃないかな。 謎解きやジャンプアクションで押すゲームじゃないわけで、だったらもっと戦闘をクローズアップするべきだったと思う。

  しかし、何より気になるのは、お金、コンテニュー、セーブ等のゲーム周りのシステムに関して。
  お金は敵を倒したり宝箱の中からゲットでき、 ステージ内にある「アイテムリング」でのアイテムゲットと、マップにある「旅の泉」でのセーブとマップ移動が使い道となる。 セーブとマップ移動で金を消費するのもキビしいけど、 アイテムリングの一度そのアイテムをゲットしてしまうと(次にそのステージをもう一度プレイしたときも) もうそのアイテムが取れないという仕様が謎で、実に中途半端。
  コンテニューは、ステージ内に点在する墓石等の特定のモニュメントを破壊することで得られる 「スピリット」を50コ集めることで得られる「デスコイン」を消費して行う。 最初はデスコイン1枚でコンテニューできるんだけど、コンテニューの回数が増えるにつれ必要となるデスコインが増えていくという仕様。 一見するとシビアに思えるんだけど、一度クリアしたステージを何度もプレイすれば、スピリットは問題なく溜まっていくし、残機も増えていく。 自分はある程度の残機を確保しながらプレイ(&リセットを利用)していったので結局コンテニューする機会は無し(となると、スピリットの存在そのものが浮いてしまうわけだ)。 つまり、これは単に面倒なだけの仕様と言ってしまってよいと思う。
  その一方、アビリティ、ソード系アイテム、シールド系アイテムのゲットがかなりランダムっぽいのも気になるところで、かなり行き当たりばったりなところがある。 特に、シールドが無くなってしまうとかなりどうにもならなくなってしまう。 お金はセーブやステージ移動なんぞに使わせるんじゃなく、ショップなどを設置し、 これらのアイテムを比較的自由に手に入れさせるために使わせるような作りにすべきだったと思うな(その代わりに装備できるアビリティの数に制限を設けるとか)。 コンテニューもお金を使って行わせてしまった方が、システム的にスッキリしたんじゃないだろうか。
  ここらへんのシステム作りは実に不細工で、なんとも収まりが悪い。

  ステージをクリアすると、アイテムや宝箱、倒した敵などによって変化するっぽい攻略率なるものが表示され、 全てのステージの攻略率を100%にすると高難易度のオマケモードが出現するらしいけど、攻略率アップの目安となるものが無く、 “全てゲットしただろうとステージをクリアしたら攻略率99%だった”なんてことが非常に多いので、そこまでプレイする気にはなれなかった。
  グラフィックは、驚かされる部分はないものの、まぁ無難なところか。全体的な雰囲気は良い。
  最後に、キャラクターデザインに(ファミ通の表紙などでお馴染みの)松下進氏を起用したことについて。 ゲームとのマッチングはそんなに悪くなかったし、プレイ中はさほど気にならなかったんだけど、 やはり、国内でそれなりにウケるゲームを作るつもりなら避けるべき人選だったろう。 絵的なクセが強い割に、主人公マキシモをはじめ、キャラクターの魅力という部分は相当弱い(もちろん、キャラデザだけの問題ではないが)。 イラストレーターとしてはどうだか知らんけど、正直、ゲームのキャラクターデザインには合わないと思うな(と、SFC『エルファリア』の時から思ってた)。


  スイッチを操作するような謎解きがあるわけでもないし、戦闘もひとつひとつの戦闘そのものはかなり淡白。 タイミングを計らせるようなジャンプは意外に少ないし、時間制限があるような仕掛けも皆無と、アクションに特に面白みがあるわけでもない。 比較的ルートが決まってるマップなだけに、探索の面白さがあるわけでもない。 コレという部分を見つけるのが難しいゲームではある。 それでも特に致命的な欠点もないし、 それなりの難易度と結構なステージ数でソコソコ楽しいという、意外にマッタリな楽しさなアクションゲームだった。
  その上で、そんなゲームそのもの以上にシステム周りの不細工さが目立つ、アクションゲームの老舗のカプコンらしくない一品。 確かに、それなりに歯ごたえはあるんだけど、その難易度の原因のほとんどが視点による距離感の測り辛さ(とコンテニューのシステム)にあるとなれば、 取り立ててそこを誉めるようなもんでもあるまい。

2002年1月6日記載