REPORTLegacy of Kain: Soul Reaver
Dreamcast[海外]
1999年12月31日発売発売:Eidos Interactive  開発:Crystal Dynamics  

  一応、国内でもPSで発売されている『ケイン・ザ・バンパイア』の続編というか後日談ということになっている3Dアクションゲーム。 ただ、ゲーム的にもストーリー的にも関連性は弱いらしく、特に前作はプレイする必要はないとのこと。
  ちなみに、この『Soul Reaver』はカプコンが国内PSに移植する予定だったのに、 いつの間にかウヤムヤになってしまい、先に本家Eidosから続編の『Soul Reaver 2』が国内PS2で発売されることが決定してしまった。


  Nosgothの地に城を築いたヴァンパイアの王Kainは、人間の王国を征服する為に、6人の副官を作り出した。 今作の主人公Razielはその内のひとり。 その後、予定通りに人間を服従させ、ヴァンパイアの王国を築いたKainだったが、 空を自由に飛ぶ能力を勝手に得たRazielに腹を立て、他の5人の副官と共に彼を処刑、地獄の底に落としてしまう・・・。 数世紀の時を越え、RazielはかつてKainに滅ぼされた古代の神“the Elder”の力によって復活。 5人の副官とKainへの復讐の旅に出るのだった・・・というのが話の導入・・・のはず(なんせ英語なもんで、細部はアヤシイ)。

  おそらく、元のPC版は『トゥームレイダー』のような操作だったと思われるんだけど、 このDC版ではレバーを入れた方向に進む操作にアレンジされている模様。 元が元なんで、一般的な3Dアクションゲームほどは小回りが効かない (レバーを入れても、クルッとその場で旋回してから動き出したり、カーブを描くように動きながら方向転換したりする)ものの、 そのアレンジは上手く機能している部類だろう。 カメラの自動調整が比較的上手くいっているところもあって、クセに慣れてくれば結構ストレスなく動かせる。 通常時は必ずしもキャラクターの背後にカメラが固定されているわけではなく、『マリオ64』などのような客観的な視点に近い。
  L+R+アナログレバーでの周囲見渡しは、主観視点になるのではなく、 『トゥームレイダー』同様のキャラの背後から見るタイプで、いわゆるカメラリセット操作もL+Rということになる。 その他の視点操作は、十字キー左右でカメラの左右回転のみ。 こちらは周囲見渡しと違って何かアクションしている途中でも操作できるのがポイントなんだけど、いかんせん左右にしか動かせないので、使い勝手はイマイチ。 通常視点から周囲見渡し視点に移行するときもちょっとだけ間が悪いので、ここらへんの手動の視点操作では若干ストレスに感じることも
  ジャンプはボタンを押した瞬間にジャンプできるというタイプで、 ジャンプ後にジャンプボタンをもう一度押すと落下速度が遅くなるっていう程度の滑空をするし、 足場の端に行けばそこに掴まったりと、そんなアクションが基本となる。
  近くに敵がいるときにRボタンを押しっぱなしにすると、ロックオン状態になり、敵の方を向いたまま、その敵を中心に動くようになる。 ロックオンしているというマーカーとかは特に表示されないので、複数の敵を同時に相手にするときは困るものの、 その機会はそんなに多くないし、そこまでのマイナスポイントにはならず。
  主な敵となる吸血鬼は単にダメージを与えるだけでは倒すことができず、ダメージを与えてフラフラしているところで、 その敵を持ち上げて壁にあるトゲや日光のあたる場所や水の中に投げつけるか、 槍状の武器を持っているときや、松明を持っているときにはYボタンを押すことで「Fatal Blow」を繰り出し、敵を倒す。 そうすると緑色の光球である魂が出現し、Bボタンを押すことでその魂を吸引、体力を回復することができる。
  Yボタンは手に持ったアイテムを投げたり、途中からは飛び道具を撃ったりすることができ、 さらに周囲見渡しと組み合わせることで、狙った方向に弾を撃つことができる。 ただ、「ここを狙ってるよ」というマーカーが全く表示されないのが難点。
  ブロックを使ったパズルも結構あって、単にブロックを押すだけではなく、引くこともできるし、 真正面にあるブロックを横に動かしたり、ひっくり返すことができたりもする。 このひっくり返しを用いてブロックの上にブロックを乗っけたりすることもできたりと、非常にブロック移動の自由度が高いのが嬉しい。

  そして、このゲーム最大の特徴は、 物質世界である「Material Plane」と精神世界である「Spectral Plane」を行き来しながらゲームを進めていくというところにある。
  Material Planeは要するに通常の世界。 ただし、復活したRazielはMaterial Planeにいるだけで徐々に体力が減っていってしまう。 そして、敵などからダメージを受けて体力がゼロになった瞬間に、背景の色調は青みを帯び、壁や柱が歪み、世界はSpectral Planeに移行する。 さらに、Razielは水にも弱いので水に入った瞬間にSpectrarl Planeに来てしまうし、Material Plane→Spectral Planeという移行はいつでも任意に行える。
  Spectral Planeの特徴は、ブロックを押したり、ドアを開けたり、スイッチを押したりという、 物質界に干渉する行為が全くできなくなるということ。武器も持てない。 その代わり、途中で得られる能力によって、金網上の壁・扉は通り抜けられるようになるし、 柱や壁の歪みを利用して先に進めるようになったりと、この世界の使い分けがパズル的にも非常に面白い味付けになっている。 Material Planeでの敵は吸血鬼か人間なんだけど、それらは消えてしまい、代わりに幽霊のような敵が出現。 この敵はかなり弱いので体力回復係といっても過言ではないし、結構、魂がフラフラ浮いているし、 この世界ではRazielの体力は徐々に回復していくので、基本的に体力の回復は容易くなっている。 で、体力満タンの状態で「Planar Portal」というゲートの上に行くことで、Material Planeに戻ることができるという仕掛け。
  とにかく、このアイデアが秀逸だった。 パズル的にも面白みがあるし、絵的な変化、両世界のギャップも演出として非常に良かった。

  ボス戦がガチンコ勝負ではなく、何か工夫して倒すような仕掛けになっているのもいい。 で、5人の副官を倒すと、それぞれにRazielは新しい能力を得ていく。 前述の通り、金網上の壁・扉を通り抜けられるようになったり、 特定の壁に張り付くことができるようになったり、飛び道具が撃てるようになったり、水に入っても大丈夫になって泳げるようになったり・・・。 そして、その能力を得ることで移動できる範囲が広がり、先に進めるになっていく、そんな作りも上手い。
  マップはかなり広めで、相当プレイヤーを放置ぎみ(全体マップなどのフォローも皆無)。 そこらへん、プレイヤーを選ぶといえば選ぶんだろうけど、序盤にはチュートリアル的な展開もあって、 最初にそのアクションを行うときは画面下にその操作法が表示されるし、難易度的に理不尽な部分は皆無で、全編を通して心地よかった。 というか、戦闘なんかに関していえば、むしろ物足りなさが残るほど。

  グラフィックも上々。 長い時を経て廃退してしまったという風景は非常に雰囲気があるし、さらに、そのMaterial PlaneとSpectral Planeの変化もポイントが高い。 さすがに最近のPS2のゲームなどと比べると、モデリングの大雑把さなどはいかんともしがたいものの、各キャラクターのデザインそのものは良好。 特に、時を経て醜く変化してしまった各副官のデザインは良かった。 広いスペースでは若干フレームレートが落ちてしまうものの、比較的安定して60fpsなのも嬉しい限り。
  先読みが行われているらしく、ゲーム中のローディング時間のストレスも皆無。
  ビックリしたのは、非常に淡白なラスボス戦の後、ほとんどコレといった展開も無く、 思いっきり“to be continued”な終わり方だったこと。全く話が完結していない。 まぁ、近いうちに続編が出るということもあって、特にマイナスに感じることはなかったんだけど・・・。

  最後に英語に関して。 ストーリーそのものは結構面白そうで、音声が流れるイベントシーンがかなり多いのに、 字幕が皆無なこともあって、正直、話は半分も分からなかった・・・。 ゲームの進行という点ではそれほど英語力は必要無いものの、 結構独特な部分が多いゲームなだけに、とりあえず、説明書が一通り読める程度の英語力は必要か。


  戦闘関係は若干淡白だったものの、2つの世界を行き来するという要素が素晴らしかったし、アクション、パズル共に上々で、 パズル色が強めな3Dアクションゲームとして非常に良くできてる一本。 広大なマップ、淡い色合いの背景、人智を超えたところがある建造物、そこを孤独に先に進むと、 個人的にはPS2『ICO』に通ずるものを感じたんだけど、ゲーム的な味付け・アクセントの付け方という点では遥かに良くできてるんじゃないだろうか。 実にツボにハマったし、PS2『ソウルリーバー2』発売前にプレイしといて良かったなとしみじみ思った。 っていうか、ストーリー的に思いっきり“前編”っていう感じだっただけに、いきなりその続編を発売しちゃって大丈夫なのか?と心配になってきたり。

2002年1月14日記載