REPORTMDK2
Dreamcast[海外]
2000年3月31日発売発売:Interplay  開発:Bioware  

  確か、PCからの移植だったはずのコミカルな演出が光るアクションシューティング。 前作『MDK』はPS国内版でプレイ済みで、 そのレビューでは“「MDK」は「My Dear Knight」”と書いたんだけど、どうやらこれは国内版で(おそらくSCEによって)変更させられた仕様らしい。 正式名称は「Murder Death Kill」。 Knightと呼ばれていた六本足の犬型ロボットの正式名称はMaxで、Max、Dr.Hawkins、Kurtという3人の主要登場人物の頭文字を並べてもMDKになるという仕掛けだったのだ。
  ちなみに、クレジットの最後に「Special Thanks to Shiny Entertainment for the creation of the original MDK.」とあるように、 前作『MDK』を元ネタにして前作とは違うメーカーが作った続編ということになっている。


  前作が十字キーで前進後退&左右旋回という『トゥームレイダー』なんかに近い操作形態だったのに対し、 今作では、ABXYボタンで前進後退左右平行移動、アナログレバーで視点操作&旋回という、 近年のFPS(いわゆるDOOM系)的な操作系に変更となったのが、操作面での最大の変更点。 周りを見ること、撃つこと、ジャンプすること、それらの要素が一体となった操作感は、3Dアクションシューティングとしてはひとつの理想形だろう。 主人公を真後ろから見る視点が基本のゲームなんだけど、カメラが障害物などに遮られてしまう場合は自動的に主観視点に移行。 この移行がスムースでプレイしていて違和感がないのも、この操作系によるところが大きいんじゃないかな。
  元はPCのゲームのはずなんだけど、そういうゲームにありがちなグラフィックの粗さは全く感じられず、そのビジュアルはDCのゲームの中でも間違いなくトップクラス。 色使いが良く言えば鮮やかに、悪く言えばケバくなって、前作にあった幻想的な雰囲気こそ薄れてしまったものの、細かいところまでよく描き込まれているし、 非常に広い空間が描画されて、そのフィールドの広大さや建造物の巨大さには圧倒される。
  ある程度の空間があるフィールドを通路で繋いでいるというステージ内の作りは前作同様(ちなみに、その通路で先のフィールドのデータを先読みしてる)。 ただ、各フィールドは格段に広くなってるし、上下にもかなりの幅があるそのステージ構成はポイントが高い。

  ゲーム的な最大の変化は、使用するキャラクターが3人に増えたこと。 丁度『ソニックアドベンチャー2』のような形で、ステージごとに決められたキャラクターを操作することになり、各キャラごとに3ステージ+ラストステージの計10ステージ。 というと少なめに感じられるけど、ひとつのステージが長い上に難易度が高いのでそういう不満はナシ。
  「Kurt Hectic」は前作での使用キャラ。 Dr.Hawkinsの助手をしている普通の人間で、博士が開発した「コイルスーツ」に身を包んで戦いにおもむく。 右手には弾数無制限のチェインガンを装備、ジャンプ中に「リボンシュート」を展開することで滑空アクションもでき、 その最大の特徴は、主観視点の「スナイパーモード」での狙撃ということになる。 このKurtステージは前作の正統進化という形で、非常に面白い。 前作同様、滑空を使ってのダイナミックなジャンプアクションは楽しいし、狙撃を行うことで、ダメージを喰らわずに効率的に進めることができるのもいい。 前作と違って、頭を狙撃しても一撃で殺せない敵が随分と増えてしまったのは残念だけど。
  「Max」は博士が助手として開発した6本足の犬型ロボット。 前作ではぬいぐるみのような外見だったのに、今作では、リアルになったスヌーピーって感じの外見になって、 葉巻をくわえながら、2本足で立ち、残りの4本の足(手)で銃器を操る。 滑空アクションやスナイパーモードがない代わりに、4つの手にそれぞれ武器を装備することができるという攻撃偏重型で、 一定時間飛べるジェットパックを使うシーンも特徴的。
  「Doctor Fluke Hawkins」は、銃器を扱えないし、ジャンプに高さはないし、体力は低いしというキャラクターで、 キャラクターそのものに特徴があるというよりも、各ステージに特徴があるという作りになっている。

  この使用キャラクターが3人になったってのは、残念ながら、ゲーム的にはマイナスになってしまったと思うな。 なんせ、Max、Dr.Hawkinsステージは共にKurtステージほどの面白みはないのに非常に難易度が高い。 MaxとDr.Hawkinsには滑空アクションがないこともあって、ジャンプアクションが実にシビア。 自分のキャラひとりしか立てないような足場にジャンプさせられて、そこから落ちたら即死、なんていうシーンも。 FPSのような操作感なのに、普通の3Dアクションゲームのようなジャンプアクションを求められるってのは実にキビしい。 さらに、Maxは戦闘の比重が高いにも関わらず、Kurtに比べると戦闘で工夫できる幅が限られており、 さらに敵が延々と湧いてくるシーンが多いので、全体的に難易度が高くなってしまっているし、Dr.Hawkinsはメインウェポンとなる「Atomic Toaster」がどうにも狙いが定まらず使い難い。 前作が(日本向けの調整がされたのかは知らないけど)洋ゲーにしては簡単めな難易度だったこともあって、今作は随分と難易度が高く感じれられた。 ホーミング性のある弾を撃ってくる敵が増えたというのもその一因で、ウッカリ先走ると集中砲火をあびて死んでしまったりと、 その場の状況に対応するというより、死んで憶えるという要素が強くなりすぎてる印象を受けた。
  また、銃で撃つのがメインなMaxがいるせいでか、Kurtステージではバリバリ撃つという部分が若干弱まってしまったし、 単純にKurtだけをフィーチャーすると、ステージのバリエーションに物足りなさが残る。 せっかく色々な要素があるのに、それが絡み合うようなシーンがちょっと少なかった。

  もっともその一方で、各ステージにバリエーションがあるというのは良かったし、 マッドサイエンティストDr.Hawkins、タフガイMax、一般人Kurtという3人が織り成すステージ間のデモシーンはグッド。 分量はそんなでもないし、比較的アッサリしてはいるんだけど、なかなか笑いのツボを心得てるので、かなり楽しませてもらった。
  アメコミ風の漫画になってるオープニング、エンディングも良かったし、各ステージのローディング時に表示される、 そのステージのタイトルを示す一昔前のアメコミの表紙のタッチを再現した一枚絵にもニヤリ。
  グラフィックだけでなく、ノリの良いBGMも秀逸なポイントだった。 テクノをベースにしながらも、重厚でノリがよく、時としてコミカルに、と、場面ごとに上手に雰囲気を盛り上げてくれる。

  最後にやはり英語に関して。 ゲームプレイ中に英語が必要になってくる場面はほとんどないし、デモシーンに字幕が付いてるのも嬉しいところ。 各キャラクターの最初のステージではチュートリアル的なシーンも用意されているし、英語という意味ではかなりラクな部類だろう。


  3Dアクションゲームらしく、周囲を探索するという要素は上手に活用されていたし、 撃って、走って、ジャンプして、滑空して、狙撃して、という、様々なアクションが一体となってレスポンスよく操作できるKurtステージは、ひとつの理想形でもある。 絵良し、音良しだし、コミカルな演出も上手い。
  ただ、Max、Dr.Hawkinsステージの(特にジャンプアクションの)ムダなシビアさがその足を引っ張ってるし、 その割に、それらのキャラが特有の強烈な面白さを持ってるわけじゃないってのがイタかった。 さらに、Kurtステージがその割を食ってしまって、突き詰めきれなかったように感じられたのも残念。 キッチリ三等分というのではなく、Kurtがメインで他の2キャラはサブっていう扱いの方がよかったんじゃないかな。

2002年2月4日記載