REPORT黄金の太陽 開かれし封印
GAME BOY
ADVANCE
2001年8月1日発売発売:任天堂  開発:キャメロット  

  キャメロット製作の連作RPG。
  いつの間にか、MD『シャイニングフォース2』などでお馴染みのソニックは、事実上キャメロットと一緒になっちゃったらしく、 この『黄金の太陽』にも、SS『シャイニング・ザ・ホーリーアーク』やSS『シャイニングフォースIII』の影響が色濃く感じられる。


  ゲームの形式としては、かなりオーソドックスなRPGとなっている。 街から街へ、途中にはダンジョンもありつつ、戦闘も非常にオーソドックスなドラクエタイプで、世界観もドラクエなんかに近い系統。

  そんな中、システム的な特徴は「エナジー」と「ジン」の2点だろう。
  「エナジー」は「EP(エナジーポイント)」を消費しておこなう、いわゆる魔法。 ただ、このゲームのポイントは、回復系以外でもフィールドで使えるエナジーが多数あるということ。 ブロックをちょっと離れたとこから動かせる「ムーブ」や、水溜りが氷柱になる「チルド」などを、ダンジョンの謎解きに活用していくことになる。 このせいもあってか、フィールドの移動中や戦闘中に、僅かながらもEPは回復していく。
  そして、戦闘での一番特徴的なシステムが「ジン」。 マップやダンジョンなどで時折獲得できるジンは、地、水、火、風の4種類あって、 装備することによってステータスが上がったり、エナジーが使えるようになるというパワーアップアイテム。 また、戦闘中に使うことで、各ジン固有の特殊能力を「解放」することができる。
  ジンには、通常の装備している「セット」状態、解放後、所持してるけど装備していない状態の「スタンバイ」状態があり、 スタンバイ状態のジンの数に応じて「召還」という全体攻撃も行うことができる。 召還で使ったジンは「リカバリー」状態になり、一定ターン経過後か、フィールドを一定時間歩くかすると自動的にセット状態に戻る。 と、話を聞く分には結構複雑なシステムになっている(実際にプレイするとそうでもないんだけど)。
  解放にはいろいろな能力があり、しかも何かを消費するわけじゃないんで重宝するし、召還もかなり強力な攻撃。 ただ、解放や召還を行うと、ジンが装備からハズれてキャラクターの能力は低下してしまうというマイナス要因があり、 ここらへんのバランスがこのゲームの戦闘の戦略性だし、面白みになっているわけだ。
  ちなみに、ジンを所持できる個数は平均化されており、例えばジンの個数が5つでパーティが4人だとすると、 誰かが3つ以上のジンを所持することはできないし、逆に、誰でも1つはジンを所持することになる。 で、その装備するジンの組み合わせによって、キャラのクラスが変化するというのも特色のひとつだったんだけど、 結局は、そのキャラクターの得意属性のジンをまとめて装備させるのが効果的というオチか。 複数の種類のジンを装備したときのパワーアップ能力の低さ、特に自分に合わない属性のジンを装備したときのステータス下降が大きすぎると思うな。 意外に、この組換えには面白みがなかった。

  戦闘はハデで見栄えがする割にテンポが良く、このゲーム最大の長所ということになりそう。 『シャイニングフォース』のキャラクターをパーティーに換えたようなアングルで、敵キャラのターン、自キャラのターンで視点がグルグル変化する。 クリティカル時に発動する必殺技や、ジンの召還、エナジー等のエフェクトもなかなか美しく、SFC以上の表現力と言っても過言ではないと思う。 バランスも簡単すぎず、ザコ敵でも先制攻撃を喰らうと結構ピンチになったりもするし、ボス戦でもウッカリすると全滅したりもする程度の難易度を維持。

  ストーリーは特に面白くもなく、キャラも特に魅力的なわけじゃない。 まぁ、SFC時代の一般的なRPGなりという感じだし、それに加えて、『ホーリーアーク』や『シャイニングフォースIII』のような独特のアクの強さもある。
  しかし、何より問題だったのが、イベントシーンの流れがギクシャクしてるということ。
  まず、イベントシーンそのものの流れがなんだかイビツ。 その大きな原因は、テキストの洗練度が低いことだろう。 無駄な言い回しが多いし、会話のキャッチボールが上手くいってないところも多く、どうにも流れがスムースじゃない。 「名前は なんとよびましょう? はい/いいえ」って、意味不明だっつーの。 使われる漢字が制限されるという前提を理解していないで書かれたようなセリフが多いのも気になるところで、 「この漢字が使えないなら、こういう言い回しは避けるべきじゃないか?」と感じられることもしばしば。
  そのせいもあってか、意外にイベントシーンがクドく、操作できないシーンが長めなのも気になるところ。 せっかくのどこでもセーブ可という携帯用ゲームらしい仕様なのに、このお陰で気軽にプレイできなくなってしまっている。
  さらに、イベントシーンからイベントシーンの流れ、つまりゲーム全体の流れもギクシャク。 主人公たちのモチベーションがよくわからない場面も多いし、「次にどこへ行けばいいのか」「何をすればいいのか」が、ムダに分かり難くなってるシーンも目立つ。 意外に移動の自由度が高く、今必要でない場所にも行けちゃったりするので、悪い意味での相乗効果が生まれてしまった。
  また、世界観的には、例えば「ソルだから太陽を意味している」とか、「賢者の石」であるとか、 中途半端に現実世界の言葉をリンクさせているのも、個人的にはマイナスだったな。


  エナジーを使ったダンジョンのトリックはよくできてたし、小気味良い戦闘もナイスだった。 ただし、元々特にストーリーに面白さを求めていたわけじゃ無いにしても、このイベントシーンのギクシャクさ&冗長さはかなりマイナス。 今夏発売予定の続編『黄金の太陽 失われし時代』にしても、少なくとも発売日に買うことはないと思う。
  ちなみに、連作RPGということで、話は全く完結せずに“to be continued”で終わってしまい、 一応、クリアデータをセーブできるんだけど、どうやってセーブデータを継続するんだろ?   そこだけは気になってたりする。

2002年3月20日記載