REPORTソウルリーバー2
PlayStation2
2002年2月14日発売発売:アイドス  開発:Crystal Dynamics  

  結局、国内版は(一応、予定はあったのに)発売されず終いだった『Legacy of Kain : Soul Reaver』 (自分はホンのちょっと前に海外DC版でプレイ)の続編の日本語版が、いきなりPS2に登場。


  物質界と精神界を行き来できる元人間かつ元ヴァンパイアの魔物「ラジエル」を操る、経験値がないタイプのアクションRPG。 長い時が流れてすっかり廃退してしまった「ノスゴス」の地を、ヴァンパイアだった時に自分を裏切ったヴァンパイアの王「ケイン」に復讐をするべく彷徨い始めるというのが前作の導入で、 最終的にケインを追い詰めたものの、ケインは時を渡る装置「時空門」を作動させてノスゴスの過去に飛び込み、 ラジエルもそれを追って時空門に飛び込んだところで、前作は終了、“to be continued”という形になっていた。
  今作はその流れを引継ぎ、遥か昔のノスゴスの地に着いたところでゲーム開始となる。
  基本的な操作は前作と変わらずで、操作として追加されたのはL1ボタンでの「ガード」くらいのもの。 PS2ということで、右スティックで視点の回転ができるようになったのは非常に嬉しい (前作DC版では十字キーに割り当てられていたので、アクションしながら使うのはほぼムリだった)んだけど、 どうせだったら、上下にも視点を動かせるようにしてほしかったところ。意外と不自由に感じられる。 また、ジャンプから翼を展開しての滑空が、なぜかレスポンスが悪くなってしまって、“滑空するはずなのに翼を開けずに落下”なんてことがしばしば。これはちょっと原因不明。 ロックオン状態でどの敵をロックオンしてるのかマーカーが表示されるとか、主観視点時に射出系武器で狙うときにマーカーが出たりするのは、当然ながらも嬉しい改善点。

  戦闘に関しては地味ながらも変更点多し。 今作ではヴァンパイアが敵になることはなく、人間か異界の魔物が敵になる。 よって、前作にあった敵にトドメを刺すアクションは形骸化し、通常攻撃を繰り出してるだけでも敵を倒せるようになった。
  さらに、自分同様、敵も防御できるようになったというのも大きな変化で、 アリガチな話なんだけど、このガードを巡る攻防の追加はゲームにとって全くプラスにならなかった。 敵のガードが比較的堅い上にガードを崩す手段が存在しないので、戦闘のテンポが悪くなってしまったというのが最大の難点だし、 プレイヤー側はガードの信頼性が低い(ガードできない攻撃が多い)ので、その使用頻度が非常に低い。しゃがみ攻撃の追加も全くの同様。 わざわざしゃがみ攻撃を使わないと攻撃がヒットし難い敵がいるのは、非常に煩わしい。 ロックオンの捕捉力が弱く、ロックオンしてるにも関わらずその敵のいない方向に攻撃を繰り出したりするのも困りものだし、 SEが弱いのか、ヒット感が前作以上に希薄で、攻撃がヒットしてるのかどうか(ダメージを与えているのかどうか)が実感し難い。 一応、敵の攻撃をステップで避けてこちらのコンボをヒットさせる、というのが主な戦法になるようだけど、 中盤以降の敵だとどうやっても避けられない(っぽい)攻撃があるし、さらに上に挙げた諸々の原因から、戦闘そのものの戦略的な面白みはゼロに近い。いいトコロ無し。 テンポの悪化が原因のひとつだろうけど、戦闘時の視点に不満を感じることも多かった。
  と、ひとつひとつの戦闘のストレスが大きくなったにも関わらず、 さらに戦闘の頻度が増えてしまったので、ダブルパンチで戦闘が鬱陶しくなってしまった。 前作の場合、確かに戦闘そのものにそんなに面白みがあったわけじゃなく淡白だったんだけど、こういう煩わしさとはほぼ無縁だったんだけどな・・・。 どうにも海外ゲームは、こと格闘的な攻防となると、マトモなものを作れないんだよなぁ・・・。
  また、今作ではボス戦らしいボス戦も無し。 前作でのボス戦は、ゲームらしいゲームという感じで良いアクセントになってただけに、残念だった。 ラストで、自分が無敵になった上で攻防に隙の無い敵と戦わされるってのも、このゲームの戦闘関係のマズさを象徴しているように思う。

  戦闘以外のゲームプレイも大きく変化。
  前作は、箱庭的な大きなフィールドがあって、ボスを倒すごとに(物質界と精神界との行き来に関係がある)新たな能力を得てそれで行動範囲が広がる、 というのが基本的な流れで、ゲームスタート時は常に同じ場所からスタートし、各所に相互に行き来できるワープゲートが存在してた。
  それに対し今作の場合、かなり一本道的な色合いが濃くなった。 今回は、神殿のダンジョンをクリアして魔剣「ソウルリーバー」に付与する属性の力をゲットしていく。 闇、光、風、炎の4つの属性があり、その属性をゲットすると、各所にあるその属性に対応した祭壇で剣をかざすことで、ソウルリーバーがその属性を持つようになる。 その属性によって開く扉があり、各属性の「フォースショット」(主観視点での飛び道具)には一応それぞれの役割があるんだけど、 その使い道を考えるというよりは、決められた場所で決められた属性の能力を使うということが多いし、 何より各属性によって開く扉があるので、行動範囲が広がるというよりは、次のステージへの扉が開くようになるという感覚が強い。
  一番残念だったのが、前作ではゲームのキモだった物質界と精神界との行き来の重要性が非常に低くなってしまったこと。 精神界の存在感がかなり薄くなってしまった。 “ちょっと精神界に移って周りを見渡そう”そんな機会はほとんどなかったし、実際、精神界での地形変化を使う場面はホンの2、3箇所しか無く、 フォースショットでブロックを動かすような場面や、精神界では時間が止まるということを用いることも皆無。
  ダンジョンの作りには工夫が見られるしそれなりに面白いものの、 前作に比べると単調で難易度も控えめだし、ソウルリーバーの属性変化はイマイチ生かしきれてない印象を受けた。 そういえば、前作で楽しかったブロックを動かす系のパズルも全く無かったなぁ・・・。

  グラフィックは、PS2とDCというハードの差が出てるのか、元のPC版から続編でパワーアップしてたのかは知らないけど、 DC版前作と比べると、ふたまわりくらい綺麗になった印象を受ける。 特に各種エフェクトが非常に美しくなった。 背景&キャラクターにしても、一連のPS2ソフトの中でも十分に綺麗な部類なんだけど、 舞台が多彩になって色調が鮮やかになった反面、前作にあった独特の統一感は薄れてしまった。 フレームレートはDC版以上に60fpsの安定感があって良い。
  イベントシーンはかなり鬱陶しい。 ストーリーがストーリーなんでやむを得ない部分はあるにしても、 いらんところでプレイヤーから操作を奪ってラジエルが語りだすのが困りもの。 前作はここまで多弁なゲームじゃなかったのに・・・。
  で、ある程度予想していたこととはいえ、日本語音声はやはりイタかった。 エルダー・ゴッドの声にハクが無さすぎ等の不満もあるけど、何より、ヘンに力の入ったラジエルの演技が、彼の独白が多いゲームなだけに、かなり痛恨。 これをもうちょっと淡々としてクールな演技(声優)にするだけで、全体的な印象が随分マシになったんじゃないだろうか。
  ただ、話がかなり入り組んでる分、やっぱり日本語版をプレイしてよかったというのも正直なところ。 過去、未来、さらに過去と行き来し、タイムパラドックス絡みの話になる上に、 それぞれのキャラクターのキャラクターの腹の内がなかなか見えてこないので、日本語で聞いててもイマイチ話が見えてこない。 英語版をプレイした前作は半分くらいしかストーリーがわからなかったんだけど、今作を英語でプレイしてたらもっと酷いことになってたに違いない。
  ストーリーそのものに関しては、時間移動ネタは鬼門ということを再認識。 まぁ、タイムパラドックスをどう扱うかはまだ未知数なので、現時点でダメとは言い難いところもある。 というのも、結局黒幕は姿を現さず終いで、かなり消化不良のまま、また“to be continued”的に終了だったので。 ちなみに、一応、前作のストーリー解説であるとか、これまでのストーリーの年表であるとか、キャラクター紹介であるとか、 そういうフォローは十分にされているので、前作を未プレイでもそこまでの問題にはならないと思う。
  画面が全体的に暗いというのは洋ゲーでアリガチなことなんだけど、なぜか音量が全体に小さいというのは謎だった。特にSEには力が感じられない。


  とにかく、ゲーム的に前作より勝ってる部分は何一つ無いと言っても過言ではない。 物質界と精神界の往来がほとんど形骸化しちゃって、箱庭っぽい作りが薄れてしまったのが非常に残念だった。 まぁ、単品で考えればそれなりの佳作には違いないんだけど、鬱陶しいイベントシーンと、面白くなく煩わしい戦闘が致命的なのに、 その上、ストーリー的にもゲーム的には消化不良のまま終わってしまって物足りなさが残った。残念。

2002年3月2日記載