REPORTレスキューヘリ エアレンジャー2
PlayStation2
2002年3月28日発売発売:アスク  開発:ガーデン  

  非常に地味に発売された前作PS2『レスキューヘリ エアレンジャー』は、 プレイヤー放置気味でボリュームに欠けたんだけど、なかなか熱中度の高い佳作だった。 あまり売れなかったはずだし話題にもならなかったはずなのに、続編が登場することになって、驚いてしまった。


  主人公は父親と一緒に遭難しているところをエアレンジャーに救助され、 それをキッカケにエアレンジャー入りを目指すことになった・・・という、ややドラマチックな導入があるものの、 基本路線は前作と変わらずのレスキューヘリを題材としたヘリ操作シムで、 相変わらず(良い意味でのイライラゲーム
  前作は、切り替わっていく一枚絵&音声でのレッスンがあるだけで、 ゲームに入らなくちゃならないと、相当にプレイヤーを放置してたんだけど、 その反省からか、今作では、基本操作をひと通り訓練する「レッスン」が6ステージ、 ミニゲーム的なものでの応用訓練である「トライアル」が6ステージあって、それをクリアして初めてレスキューに移ることになる。 前作に比べると、格段に間口は広くなったんじゃないかな。
  また、「PP」というお金のような概念ができて、トライアルやレスキューをクリアすることでPPを溜め、 ショップのような「PP EXCHANGER」というメニューで、新しいヘリや、コスチュームをゲットしていくようになった。
  ヘリ操作面での新しい要素は、何かを落下させるような場面が加わったことくらい。 さらに、ゲームそのものを左右するもんじゃないけど、機内の乗組員と会話をしたり、本部と無線連絡がとれるようにもなった。
  プレイヤーに提示される計器類が充実したってのは嬉しいポイント。 方位計、水平儀が追加されたし、さらにミニレーダーのようなものも表示されるようになり、 前作ではファジーな表示だった風も、風速、方位ともにシッカリと明示される。
  改善点としてより嬉しいのは視点に関して。 カメラ切り替えが、カメラリセット的な働きもするようになったのが一番の改善点。 例えば、×ボタンは遠距離視点なんだけど、十字キーでカメラを動かしても、もう一度×ボタンを押せば、瞬時にヘリの背後にカメラが移動してくれるようになった。 前作では手動でカメラを戻さなくちゃならなかったので、これは助かる。 カメラ操作とカメラ切り替えの操作を、設定で逆転させることができるようになり、左スティックでヘリを操作しながら、○×△□でカメラを操作できるようになったのも嬉しい。 ただ、右スティックも旋回操作で使う(通常のローターがひとつのタイプのヘリだと、 ホバリング時には何もしなくてもローターの反動で回転してしまうので、それを打ち消すのに常用することになる)ので、不自由さは残るが。 前作のレビューでも書いた通り、右スティックは視点操作にして、旋回はLR等に移して欲しかったところ。
  グラフィックは、パッと見は向上。 全体的な色調が落ち着き、建造物のスケール感がリアルになって、 描き込み度が上昇したので、前作にあったどこかチープな雰囲気は随分と軽減された。波、雲等のエフェクトも上々。 ただ、ビル群をモチーフにしたマップでは、ビルがニョキっと生えてくるのが目立ちすぎだし、全体的にマップが狭くなったような印象を受けた。
  ハリウッド映画を思わせるような雰囲気のあるBGMも継承。

  ただ、物足りなさは相変わらずというか、悪化
  前作のレスキューミッションは4つのマップに2つずつで計8ステージだったのに対し、 今作のレスキューは6ステージしかない(その分、導入にレッスンとトライアルが設けられてはいるんだけど)。 ある程度の操作には前作で慣れていたため、非常にサクサク進んでしまった。 ミッションの途中で何か状況が変化するとか、そういうものを期待してたのに、 レスキューミッションの内容は全く厚みを増しておらず、結局、ブリーフィングで提示されたことを行うだけだったのも肩透かし。
  最初はそれぞれのステージで使用するヘリが決められていて、 全てのステージをクリアすると、自由にヘリを選べるようになるという仕様。 最後の要素を出すには、全てのヘリで全てのステージをクリアすることが条件になっていて、それでボリューム感を出したつもりなんだろうけど・・・。 確かに、沢山の人数を積める大型ヘリのミッションを2人しか乗せられない小型ヘリでプレイしたときなんかは、 違った戦略性があって面白みが出てくるんだけど、概ね、面倒なだけ。 また、全てのヘリでプレイできるようなミッションにしようとしたのか、ミッションが先にあって全てのヘリでプレイできるようにしたのかは謎だけど、 前作にあった、フックで物を吊り上げて移動させるという要素が全くなくなってしまったのも残念だった。
  さらに頂けないのは、ステージクリア時のの評価方法。 前作は基本的に減点方式で、強引に着地したり、ボディが接触したりすると減点され、規定時間内を過ぎれば過ぎるだけ減点で、 クリア時の得点によって、プラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズという4段階の評価を得ることになっていた。一方の今作は加点方式。 救助したり、的に正確に物資を投下できたりすると加点されるし、早ければ早いほどポイントが高くなる。 で、ランク付け的な評価はなく、PPという形でポイントを得ることに。 前作の方がレスキューらしい緊張感があったし、これは改悪じゃないだろうか。
  クリア後のお楽しみ要素であるスターコイン集めが、前作ほど面白くなかったのも大きなマイナス要因。
  前作ではスターコインが思ったよりも小さく、目視で探しだすのはほぼムリ。 全ステージゴールドを達成した時に流れるスタッフロールの背景がヒントになってて、一枚絵を元にそれがどこなのかを推測するという、一風変わったゲーム性になってた。
  今作はスターコインが結構目立つので、フリーフライトで飛び回っているだけでもそれなりに見つかっていく。 一応、クリア時にヒントムービーが流れるのは同様なんだけど、前作ほどそのゲーム形式はハッキリしていないように思う。 また、フリーフライトではスターコインをゲットできないという仕様にも疑問。 フリーフライトでも半透明のスターコインが表示されるんだけどゲットすることはできず、 さらに今作では燃料という概念が追加され、ステージには制限時間があるので、 フリーフライトでコインを探して、レスキューでコインをゲットという、二度手間になってしまって面倒臭い。 ステージ毎にスターコインが配置してあるという前作に対し、今作ではマップに配置してあるという形なんだから、フリーフライトでゲットできるような仕様にするべきだったろう。 各ステージにどれだけのスターコインが残ってるのかが表示されないというのは論外。 自分は48個のコインを集めたんだけど、残りの2つのコインは面倒になって諦めてしまった。 前作ではシッカリと表示されてたのに・・・。

  それ以外の部分にも難点が多々ある。
  大きいのが、デモシーンの鬱陶しさ。 ステージ開始前に(大した長さではないにしろ)スキップできないデモが流されるのも×だし、 もっとタチが悪いのが、ゲームプレイ中にカットインで挿入されるシーン。 例えば、救助犬が被災者を発見したときなど、操作が奪われてそちらの映像が映されることになる。 ヘリから救助員を吊り下げ、フラフラしながら救助してる時なんかに、 このカットインが挿入されて操作が分断されると、相当に腹が立つ。 ウィンドウ的に表示するのがベストだったろうし、それが技術的にムリだというのなら、オプションでオン/オフの切り替えができるようにするべきだったろう。 必ず見なくちゃならないようなもんでもないんだから。
  最終ステージだけ異質な難易度なのも頂けない。 技量向上というよりも、被災者の場所を覚えなくちゃならないという意味で、繰り返しプレイを強要されるし、なぜか自分に向かって振ってくる火山弾も理不尽。
  より細かいところでは、狭い場所にいくと急に客観視点気味になることがあったのにもかなり戸惑った。 ある程度表示にムリがあっても、ガッチリとヘリを背後から捉えてほしかったところ。 見た目的にステージの端がわかり難く、ステージから出そうになると強引にステージ内に戻されるのも相変わらず。 せっかくレーダーがあるんだから、ステージの境界線くらい明示しとくべきだったろう。 また、テクスチャが凝った分、前作よりも遠近感が掴み辛い感じを受けた。 これはある程度やむを得ないんだけど、視点操作をし易くすることで軽減できたんじゃないかな。
  リプレイが追加されたのも、個人的には特に嬉しくもない。 ステージクリア時にいちいちリプレイが映されるのが、微妙に鬱陶しかったので、その前に、リプレイを表示するかどうか聞いて欲しかったところ。 さらに、燃料という要素が追加された理由がこのリプレイにあるのだとすれば、本末転倒と言わざるを得ない。


  実際に、『2』をクリアした後にもう一度前作をプレイしてみたけど、やっぱり前作の方が面白く感じる。
  間口を広くしたところは評価したいけど、ゲーム的な面白みが前作より劣化してしまっているようじゃお話にならない。 少なくとも、前作をクリアした人の為の続編という感じではなく、甚だ期待ハズレな一本だった。

2002年4月1日記載