REPORTバトル封神
GAME CUBE
2002年3月29日発売発売:コーエー  

  大ヒットしたPS2『真三国無双』のシステムを流用したアクションゲームなんだけど、製作したのはω-Forceではない模様。
  ちなみに、『真三国無双』のプレイ経験はないんで、その比較はナシ。 題材的に「三国志」ほどは抵抗がなかったんで、あるいは『真三国無双2』を買うかどうかの判断材料にしようかという思惑も抱きつつ買ってみた。


  一応、「封神演義」が元ネタになってるものの、一部のキャラや魔法の武具「宝貝(パオペエ)」などの設定を流用しただけなはず。 原作を知ってる必要は全くない

  とりあえず、『ファイナルファイト』を3D化したような格闘アクションなのは確か。
  左スティックでキャラを操作し、Bボタンでジャンプ、Aボタンで通常攻撃、 Rトリガーでガード、そのガード以上に重要なR+左スティックで行う緊急回避というのが基本操作。
  そこに華を添えるのが、「仙力ゲージ」を消費して行う特殊攻撃。 Yボタンの「撃仙術」は、前方に仙術を放つ飛び道具で、A×1、A×2のコンボをキャンセルして出すこともできる。 Yボタンを押しっぱなしにすると主観視点になり、カーソルで敵をロックオンしてホーミング弾を放つのが「導仙術」。 Xボタンの「神仙剣」はガード不能でダウン中の敵にもヒットする大ぶりな打撃技で、これも撃仙術同様、コンボに組み込める。 空中でXボタンでの、さらに空中に飛び上がり真下に攻撃する「破仙術」は緊急回避攻撃的なもの。 この4種が基本の仙術となっており、さらに、仙力ゲージMAX時に発動でき、一定時間無敵で乱舞する「神剣乱舞」というものがある。 この仙力ゲージは、通常攻撃でコンボを繰り出してるだけでもすぐに溜まっていくし、 ガート中にRorLトリガーで、僅かずつながらも自前で溜めることができるので、ガンガンとこれらの特殊攻撃を使っていく事になる。 群がる敵をバッサバッサと蹴散らしていく感覚は、確かに爽快で楽しい。
  キャラクターは2種類の宝貝を装備することができ、各宝貝ごとにこの特殊攻撃の属性とLvが違っている。 例えば、ある宝貝は撃仙術が火のLv2、導仙術が火のLv1、神仙剣が風のLv2、とか。 キャラクターは、各特殊攻撃を使うことでその特殊攻撃の経験値が溜まっていきそれぞれのレベルが上がって、 より強力な攻撃が使えるようになるという趣向になっており、この宝貝の組み合わせで、プレイヤーは独自色を打ち出すことになるんだろう。
  一部のボス戦を除けば、数人の味方キャラと一緒に戦うことが多く、これだけの数のキャラクターが一度に自律的に戦っているというのは純粋にスゴいと思う。 自分自身のテンポで戦えないってのは好かんところもあるんだけど、味方キャラが無鉄砲に突撃することが、このゲームらしい乱戦を生んでるのも確か。

  そんな中、自分としては受け入れることができず、 アクションゲームとして致命的だと思うのが、自動化されている部分の多さ。 画面上には特に明示されないものの、コンピュータが勝手に自分が狙ってる相手を推測して、その敵に向かって攻撃してしまう。 さらに、その敵との距離によって、通常攻撃は3段階に自動的に変化。 狙ってるつもりのない敵に突進して、その勢いのまま下の地形に落下なんてこともしばしば。 この仕様からは“安易なお手軽感”以外の成果は生まれてないと思う。なんの為のアナログスティックだよ・・・。 敵に囲まれてたり、起き上がり時に攻撃ボタンを押すと自動的に回転斬りになってしまったりするのも、 大きなお世話以外の何物でもないし、全体的に攻撃の振りが大きいので余計にタチが悪い。
  アクションゲームとして大味さに拍車をかけるのが、体力回復に関しての仕様だろう。 ステージ中にある壷を壊したり、敵の部隊長を倒したときにアイテムが出現。 アイテムには、体力回復薬、一時的なパワーアップ、基本ステータスのアップ等があり、結構短い時間で消えてしまう。 基本ステータスアップは重要なので、壷は見つけたら壊していくことになるし、敵の部隊長の持ってるアイテムはランダムっぽい。 その結果、どうしても体力回復は行き当たりばったりということになってしまっている。 そういう行きい当たりばったりの体力回復を前提にバランス調整するから、 大味なゲームになっちゃうってのもあるんだろうし、体力回復はもうちょっとプレイヤー自身で管理できるようにすべきだったろう。 例えば、(もちろん、回復薬の数を大幅に減らした上で、だけど)回復薬だけは時間が経っても消えないようにするだけでも十分な効果が得られたはず。
  総じて、アクションゲームとしての作りは甘い。 他にも、中盤以降、いわゆるスーパーアーマー状態のザコが増えて鬱陶しかったりするし、 そうじゃない敵でもコンボがヒットしてるのに反撃されたり、ダウン中の敵に(神仙剣以外の)攻撃がヒットする基準がよくワカランとか、 大型のボスの場合、ボスの攻撃、ボスの本体の当たり判定がよくワカランとか・・・。 破仙術の出る基準が“ジャンプ中に”じゃなくて“空中で”なんで、例えば、小ジャンプして行う遠距離の通常攻撃の時に暴発することがあるのも気になるところだった。
  大型のボスが出現するのも『真三国無双』との違いらしく、確かに、デカい龍のボスでは「おぉっ」と思ったものの、 自分の場合『真三国無双』という比較対象を知らない分、そこ以外では特に驚きはなし。 むしろ、“相手の攻撃を見切る”“こちらの攻撃がヒットする瞬間を見切る”といった攻略的な要素の薄い、大味さだけが印象的に残った。
  戦闘以外のアクションにも、かなり難があって、高さがある割に移動距離の小さいジャンプはその象徴。意外と移動に自由度がない。 高く跳び上がる破仙術が移動に組み込めれば、より立体的で面白いゲームになったと思うんだけど、現状では爽快感的な効果しか得られてないように思う。 レバー+Bボタンで行う低く距離の長いステップ的なジャンプが暴発し気味なのも辛いところ。
  要するに、“爽快感があってゲーム本編にボリュームとやり応えがある『バウンサー』”そんなところがある。 まぁ、そういう前提が付くだけでも随分とマシなわけだけども。

  セーブはステージ間に行い、ゲームの進行度だけじゃなく、 キャラクターのステータスやゲットした宝貝も保存されて、また「はじめから」でスタートし直すと、それらが継承されてゲームが始まる。 よって、繰り返しプレイすることによって、キャラクターをチビチビと育成させることができるというわけ。 アクション部分のイマイチさもあって、 どちらかっていうと(DC『PSO』『ロードス島』のような)アクションRPGという位置付けで捉えた方が良いのかもしれないけど、 難易度「ふつう」でプレイしている分には育成の必要性を感じなかったし、育成要素の位置付けがハッキリしてないところがある。 やはり、アクションゲームとして面白いものを作ろうとした場合には、RPG的な成長要素は鬼門じゃないだろうか。
  本編以外では、「初級」「中級」「上級」と3つのレベルがあってそれぞれ4ステージからなる「サバイバル」がある。 味方キャラがいないので、落ち着いて自分のテンポでプレイできるし、難易度も若干シビアめなのが良い感じ。 ただ、セーブができず、じっくりプレイするとそれぞれ1時間以上かかってしまうので、気軽にはプレイし難い。 もうちょっと短い区切りにしてほしかったところではある。

  視点関係の操作は、Cスティックでの視点操作と、Lトリガーによるいわゆるカメラリセット。 で、3Dアクションゲームの定番の問題として、やはりこのゲームも視点に問題が。 根本的な問題は、カメラからキャラまでが近すぎ&視線が低すぎで、周囲の状況が把握し難いということ。 さらにCスティックでの視点操作の問題は、上方を見ることに限界がありすぎること。 上からの落石でダメージを喰らってしまうようなシーンがあるのに、マトモに上が見れない。 導仙術での主観視点はワンテンポ遅れてしまい、見る行為としては使い難いこともあって、なかなか苦労させられる。 Lトリガーによるカメラリセットの問題は、上下方向もリセットされてしまうこと。 カメラリセットを使うと視点が水平になってしまうので、周囲を把握し易いように上から見下ろしてたり、 上方の敵を追いかけるために見上げてたりしてる状態のまま周りを見回したいときには使えない。 2種類の視点操作のそれぞれがもう一方に対するフォローというだけな感じが強く、いまいち有機的にゲームに馴染んでないように思う。
  さらに、狭い場所での自動的なカメラ操作や、 ボス戦でのボスに対して自動的に調整されるカメラ操作にも、かなり未洗練感がある。 特に、中盤以降は閉所での戦闘が多くなり、イラつかされることが多い。

  グラフィック、BGM、SEは、それぞれ無難な作り。 場面によっては敵の数がかなり多くなるし、エフェクトもハデなのに、さほど処理落ちが目立つことはないし、 多くのPS2ソフトに比べると画面が落ち着いていて、ヘンにギラついたところがないのも良い。
  CGムービーのイベントシーンは、結構シッカリ作ってあるという印象だけど、 ストーリーそのものは、あってないようなものというか、キャラクターに対して(僅かでも)感情移入するような内容ではない。 アクションゲームということで、特にマイナス要因ではないけど。
  一般的に不満が大きいっぽいキャラデザも、個人的にはそれほどマイナスでもなかった。 ただ、等身を小さくしたことが全く生きてないのも事実で、顔と等身がアンバランスで、 頭が大きいなりのイキイキとした表情をするわけでもなく、アクション的にも等身の小ささが生きるような場面はナシ。 等身を(というか、身体の大きさのバランスを)よりリアルな方向性にしても、そのまま成り立ってしまうように思うわけで、批判もいたし方のないところだろう。
  デザイン関係で気になったのは、タイトルデザインのショボさ。チープすぎ。 また、大したことじゃないんだけど、ラスボスのデザインはちょっと浮いてたな。
  馴染みのないであろう名前の上に、ゲームという性質上、 ルビが振り難いというのもわかるんだけど、キャラクター名をカタカナにしてしまったことには不満。 っていうか、ハードの年齢層を考慮してか、ゲーム中の字幕には結構シッカリとルビが振ってあるしなぁ・・・。 そのルビがカタカナで統一されてるのも実に謎で馴染めなかったし、 それぞれちゃんと音声が付いているのだから、ルビは必須って程のもんじゃなかろう。 できればルビのオン・オフ切り替えが欲しかったところ。

  最後に、GBA『マジカル封神』とのリンクについて。 同日発売のRPG『マジカル封神』とGBAケーブルで繋げてデータ通信を行うことで、『バトル封神』の進行度によって『マジカル封神』にシナリオが追加され、 それをクリアしてまた通信を行うと、『バトル封神』側に特殊宝貝が追加されるという仕様。 まぁ、両作買った人のためのオマケという範疇だと思うし、そう躍起になって批判するようなモンでもないでしょ。


  一応、性能が違う4キャラがいるものの、まず最初にひとつのキャラでクリア(難易度はふつう)し、 サバイバルを3ステージクリアするだけで満足というか、若干飽き気味で、2キャラ目でのプレイはかなり退屈だった。 “育成要素が弱いアクションRPG(『PSO』や『ロードス島』みたいなの)だな”っていう意識を持つまでは、 プレイしていて苦痛なことの方が多かったし、アクションゲームとしての完成度はお世辞にも高いとは言い難い。 結局、敵をバッタバッタ倒す爽快感だけのゲーム。まぁ、それはそれで評価に値するんだろうけど・・・。
  もちろん、イコール『真三国無双』だとは思わないけど、なんとなく理解できた気もするんで、そっちは当面パスすることにする。

2002年4月8日記載