REPORTケイン・ザ・バンパイア
PlayStation
1997年5月30日発売発売:BMGジャパン  開発:Crystal Dynamics  

  洋モノPCゲーム(もしかしたらPCとPSがほぼ同時期かも)の「Blood Omen: Legacy of Kain」のローカライズ版 (ちなみに、PC版の日本語タイトルは「吸血鬼ケインの復讐」)。
  『Soul Reaver』、『Soul Reaver 2』、 そしてつい最近北米でリリースされた『Blood Omen 2』と、 延々と続いていくことになる「Legacy of Kain」シリーズの初代ということにもなっている。


  ポリゴンは一切使ってない2D絵のゲームで、路線としては、 SFC版『ゼルダの伝説』なんかと同系の(つまり、育成がメインではないタイプの)アクションRPG。
  放浪していた貴族「ケイン」は、盗賊に襲われて殺されてしまい、魔法使い「モータニアス」によってバンパイアとして復活させられる。 早速盗賊どもに復讐を果たしたケインだが、自らにかけられたバンパイアの呪いから解放されるには、 この「ノスゴス」の地に秩序を回復しなければならない。 その為には、聖地の9本の柱をそれぞれ守護するべきだったはずが、とあることから狂い出してしまった神々(というか魔術師)を倒して解放していかなければ・・・というのがゲームの導入。 自分の場合、PS2『ソウルリーバー2』のストーリー解説で既に知っていた話だったので、 それを自分で再現していくというのは、なんとも不思議な感じだった。
  というわけでプレイヤーは、体力を回復するためには人間の生き血が必要で、 夜になれば攻撃力が上昇、水(池、雨、雪)からはダメージを受けてしまうという、バンパイアのケインになるわけだ。
  このことを含めた、世界観、雰囲気は非常にナイス。 いかにも洋モノっぽい質感の2D絵は、独特のクセがあるんだけど細かいところまで良く描けてて、BGMも雰囲気によくマッチしてる。 パッケージのオビには「サディスティックな興奮と殺戮の歓びを・・・」とあって、なるほど、そういう描写もなかなか凝ってる。 何より、体力を回復するために人を見つけ、殴って気絶させて生き血をチューッと吸って殺してしまうのが独特の感触なわけだけども、 魔法によって人の死に方にバリエーションが凝ってたり、手足を壁に鎖で繋がれてる人の「ヘルプミー・・・、ヘルプミー・・・」と 助けを乞う声が聞こえてくる暗いダンジョンの雰囲気も良い(で、そういう人はプレイヤーからしてみると体力回復要員なわけで)。 結構死体がゴロゴロ転がってたりする背景は非常にブラッディなところがあって、 2D絵ということもあってその表現には限界があるものの、逆にそれが想像力に訴える結果になってたりもする。
  また、全体的に日本語音声が上々なのもグッドで、 PS2『ソウルリーバー2』とは違い、メインとなる主人公の声の雰囲気が良いのがポイント。

  で、そのゲーム内容も、“PC出身の2D絵の洋モノアクションRPGとしては”という前提付きでなら、 なかなかの良作だと思う。
  武器での攻撃以外にも、回数制限のある「マジカルアイテム」、魔力を消費する「スペル」、そして「変身」などの要素がある。
  マジカルアイテムは、マップ上に落ちてるアイテムをゲットした数だけ使えるもので、 一部、体力と引き換えにマジカルアイテムを得られる場所があるんだけど、 種類が限られてる(あるいは、見つけるのが難しい場所にある)ので、そんなにホイホイと使っていくもんじゃない。
  スペルも攻撃補助手段なんだけど、謎解き的な使い方も多く、特に中盤以降に手に入る、敵を操る魔法などには面白みがある。
  変身アイテムを得ることで、 一度行ったことがある「バット・ビーコン」というモニュメントまでワープする(要するに、マップ上での長距離移動手段となる)「コウモリ」、 移動が速く、ジャンプできるようになる「オオカミ」、人間に変身して村人から攻撃を受けないようになる「仮面」、 エネルギー的な攻撃以外喰らわなくなったり、柵を通り抜けられるようになったりする「霧」という、4種の変身が行えるようになり、これも、謎解き、戦術共に有効な要素。
  この種のゲームで重要な、 “新しい要素を得て行動範囲が広がって・・・”という流れは上手に作ってあるし、各ダンジョンの作りもよくできてる。
  また、敵ごとの対処法も割とシッカリしてて、 人型の敵にコンボの2発目がヒットするとひるませることができその隙に吸血できる「メイス」、 コンボを続けると回転攻撃になって一部の敵には有効な「アックス」、復活してくるアンデッド系の敵を焼き払うことができる代わりに、 人型の敵の血も焼き払ってしまって吸血ができない「フレイムソード」等、武器の使い分けにも意味があるのも良い。

  ただ、逆に“PC出身の2D絵の洋モノアクションRPGならではな作りの甘さが気になるのも確か。
  一番感じるのが、全体的な判定の曖昧さ。 攻撃、地形共に、絵と当たり判定にギャップを感じることが多く、 ゲームの作りとしては結構よくできてるにも関わらず、非常に大味な印象になってしまったところがある。 同様に、ヒットバック(のけぞり)にも曖昧なところがあるので、敵のゴリ押し気味の攻撃で窮地に陥ってしまうことも (ただし、対処法がないわけじゃないで致命的とは思わないけど)。
  そして、おそらく人によっては致命的ということになりそうなのが、ローディング時間のストレスの大きさ。 1回1回のローディング時間はそこまで長いわけじゃないんだけど、 マップ切り替え時にはそれなりの間があるし、より致命的なのがポーズメニューを開くときのローディングの間。 魔法、アイテムに関してはショートカットが用意されてるものの、武器を切り替えるにはポーズメニューを開く必要があって、 実際に武器を切り替える頻度は高く、結構頻繁にメニューを開くことになるので、総合的にかなりのストレスになってしまう。
  L1ボタンで拡大画面と縮小画面の切り替えができるんだけど、縮小画面では処理落ちが激しく、 かなり操作が重くなってしまう難点があるし、拡大画面では、自キャラが画面中央に固定されておらず、 自分が向いている方向以外の見える範囲が極端に狭くなってしまうという仕様のお陰で、周囲の状況把握に難アリ。 後者に関して言えば、自分の前方の視界は広くなるという利点は理解できるものの、マイナスになってる部分の方が大きく感じられたし、共にどっちつかずになってるところがある。
  メニュー操作は×ボタンでの決定のみで、“キャンセル”あるいは“ひとつ前に戻る”的な役割を持つボタンがないという、 ややクセのあるインターフェースもマイナス要因だろう。
  また、自分の場合、先にPS2『ソウルリーバー2』で予習してあったから、まだOKだったものの、 ストーリーの見せ方が一方的かつ断片的なところがあって、しかも、全て音声で進行するので、いまいちストーリーが頭に入ってこない。
  細かいところでは、ムービーの音量が小さいのが気になった。こういうのって、原因不明だよなぁ・・・。作ってりゃわかると思うんだけど。


  独特の雰囲気が楽しく、特に難しいわけじゃないけどヌルヌルなわけでもないという難易度も丁度いい塩梅だし、 十分なボリュームがあってと、単品で考えても結構良作なんだけど、 さすがに今プレイするとなると、ある程度洋ゲーに理解のある人間じゃないとツラいかもしれない。 やはり、先にプレイするにしろ後にプレイするにしろ、他のLegacy of Kainシリーズをプレイしてこその初代ってとこかな。

2002年4月25日記載