REPORTBRAVE FENCER 武蔵伝
PlayStation
1998年7月16日発売発売:スクウェア  

  スクウェアによるアクションRPG(『FF8』体験版付き)。 当時は、N64『ゴエモン』製作チームがスクウェアに移籍して作った、みたいな話もあったんだけど、その真偽の程はわからず。


  ほぼCPU任せのクォータービュー気味の視点で進行するアクションRPG(拠点となる「アミヤクイ村」でのみLRキーで視点が回転可)で、 育成要素が弱いこともあって、一応『ゼルダ』なんかと同じ部類ということになるだろう。
  主人公はヤクイニック王国に英雄として召還された「ムサシ」。 当然、二刀流ということになるわけで、小攻撃的な「雷光剣」(□ボタン)と大攻撃的な「レイガンド」(△ボタン)を使い分けていくことになる。 さらに、×ボタンでジャンプ、R1ボタンで防御というのが基本操作。
  R1ボタンは防御よりも、防御中に「ゲージバー」が溜まっていくのが重要で、 ゲージバーが一杯の時に□で「ゲットイン」、△で「五輪の書」のパワーを解放という特殊アクションを行う。 ゲットインは、敵キャラに向かって雷光剣を投げ、一定時間ボタンを連打することで、その敵に応じた特殊アクションをゲットできるというもの(○ボタンで発動)。 五輪の書は、レイガンドに付加される属性で、例えば火の巻を装備してるときに発動すると、 一定時間炎を放出することができ、それで敵を攻撃したり、松明に火を付けたりすることができる。 この2つがゲームを進めたりボスを倒したりする上でのキーになっていくというわけ。 ちなみに全6章からなっていて、1章ではレイガンド自体を、その後は各章でひとつずつ五輪の書を得ていくことになる。
  また、キャラの移動は、一応、アナログスティックにも対応。 どっちにしろ8方向にしか動けないものの、いきなり速いスピードで動き出せる(十字キーだと走りだしてから最高速のダッシュ状態になるまで間がある)ので 重宝したいところなんだけど、ダッシュ時に停止するとちょっとだけズササッと地面を滑るのが困りもの。 ホンの短い距離とはいえ、相当鬱陶しい上に、その存在意義がワカラン。 正確に左右平行に動きたいことも多いので、結局デジタル操作と併用することに。 まぁ、発売時期が時期だけに、デュアルショックへの対応が中途半端になってしまってるのはしょうがないところか。

  ゲーム的に気になったのはステータス系のムダの多さと、ポリゴンの生かしきれてなさ。
  まず、ムサシの成長要素は必要だったのか、と。 ムサシには、敵を倒すことで上昇する「ちから」、歩けば歩くほど上昇する「こころ(防御力)」、 雷光丸で攻撃すると上昇する「雷光丸」、レイガンドで攻撃すると「レイガンド」という成長ステータスがあるんだけど、 各章で上がるレベルには限界があって、各章のボスを倒すとその上限が上がるという仕様。 そもそも、ザコ戦ではそんなに苦労することはないし、ボス戦で与えられるダメージはそのステータスとはほとんど無関係の場合が多いんで、 成長を実感する機会は全くと言っていいほど無いし、この成長要素の必要性が感じられない (実際、自分の場合は上限に達したのは1章だけで、あとは道なりに進めていった)。
  また、ゲットイン技を使うときに必要となる「BP(ビンチョパワー)」が、よくワカランけど腹具合も兼ねてるらしく、 何もしてなくてもゆっくりと減少していき、ゼロになると移動力、攻撃力が減少したりする仕様や、 眠気というステータスがあり、眠気が70%を超えると移動力が激減するという仕様も、共にイマイチ必要性が感じられない。 特に眠気は、意外とドンドン溜まっていき、ダンジョン攻略中にパタッと動きが重くなったりする。 自発的に眠ったり、アイテムを使用したりすることで回復可能とは言え、他の要素と絡んでくることがないだけに、非常にムダに思えてならなかった。 どちらの仕様も最終章では無くなってしまうあたり、ゲームに絡みきれてない感じを受ける。
  RPGじゃあるまいし、ゴチャゴチャとステータスを加えればいいってモンじゃないだろうに・・・。 こういうジャンルのゲームでは、むしろムダな要素はマイナスになる。
  ポリゴンの生かしきれてなさというのは、 というよりも、ポリゴンによって得られた成果よりも、それがマイナスになってる部分が大きく感じられると言った方が正確。
  PSというハードの限界で、どうしても全体的にポリゴンが粗くなってしまっていることもあって、 こちらの攻撃判定、敵の攻撃判定、足場の判定などなど、諸々の判定がわかり難いことが多い。 ムサシの基本攻撃手段が極めて間合いの狭い剣攻撃ということ、8方向にしか動けないということが、それらの欠点に拍車をかける。
  さらに、視点はCPU任せなクセに、 自キャラが何らかの地形の影に隠れて見えなくなってしまうことがちょいちょいあったのも気になるし、画面外の敵から攻撃を受けることも。
  シビアなところがあってそのこと自体は悪くないんだけど、その最大の原因が判定の分かり辛さとあってはねぇ。 ポリゴンの粗さはしょうがないわけで、“だったらだったで”なゲーム作りが求められたはず。

  行方不明になってる人を救助することでBPの上限が上がり、救助した人とお城で面会することで技を憶えたりするとか、 体力の上限をレベルアップに依存させず、マップに隠れる「ミンクー」という生物を見つける度に上限が上がるという仕様は悪くない。共に、やり込み的な要素にもなってる。
  ボス戦は、ちょっとムラっけはある(一部に理不尽だったりつまらなかったりというボスもいる)ものの、 基本的に攻略性が高めで悪くないデキ。楽しい。 あんまり1回の戦闘の中で攻略させるような作りにはなっておらず、何度か挑戦して攻略するような作りになってる。 ただ、ラスボスはなぁ・・・。いや、戦闘そのものはそんなにマズくないんだけど、最後は連打かよ!っていう。
  ストーリーやキャラクターは全体的にコミカルタッチで、スクウェアにしては珍しく声優を本格的に起用している。
  そのストーリーのノリ自体は嫌いじゃないし、主人公ムサシの一本気でアホっぽいキャラは良かった。 ムサシの“異世界から召還された”っていう設定はイマイチ生かしきれてなかったし、 それ以外のキャラ(特に敵キャラ)がパンチに欠けたところはあるけど、まぁ、アクションゲームとしては許容範囲内だろう。
  ただ気になったのは、キャラデザが統一感に欠けること。 どーも、キャラデザが2、3人いるらしく、特に、多分『ファイナルファンタジータクティクス』のキャラデザをした人によるであろう素朴な感じのキャラデザは、 このゲームのコミカルテイストに非常に不釣合いに感じられたな。
  これは背景の質感にも言えることで、非常にスクウェアっぽい質感の背景は、 単品で見るとむしろ綺麗で見事だと思うんだけど、それがこの素材に相応しかったかというと疑問が残る。
  細かいところでは、拠点となるアミヤクイ村だけでLRキーで視点が回転できるので、意外と村全体の構造が頭に入ってきてくれなかった。 さらに、村の外のマップの繋がりも若干わかり難いところがあったので、全体マップのようなフォローがあっても良かったかなと思う。


  ゲームの発想としては極めて2次元的だし、3D化が、プラスに働いてる部分よりも、マイナスに働いてる部分が遥かに大きい。 ポリゴンに対してアレルギーのような拒絶反応を示すユーザーが生まれてしまった一因を、垣間見た気がする。 古いゲームとはいえ、既に『マリオ64』の発売からは2年ほど経ってるわけだしなぁ・・・。

2002年4月19日記載