REPORTオメガブースト
PlayStation
1999年4月22日発売発売:SCE  開発:Polyphony Digital  

  『グランツーリスモ』を製作したポリフォニーデジタルが作った3Dシューティング。 というか、ポリフォニーデジタルとしては、『グランツーリスモ』シリーズ以外の唯一のゲームなはず。
  ちなみに、ノーマル難易度でノーコンテニュークリアできた段階でのレビューということに。


  ウリ文句は“360°新空間シューティング”。 「超時空要塞マクロス」の河森正治氏をメカデザに迎え、シンプルな操作で全方位から迫る敵を倒していくというゲームを目指したらしい。
  その為の基本となるのがL1の「SCANボタン」。 このボタンを押すと自機に一番近い敵の方向を向き、ボタンを押しっぱなしにしていれば、そのターゲットを中心に上下左右に動くというもの。
  機体操作は基本的に十字キーor左スティックのみで、△or○での瞬間的に加速する「BOOST」とR1での空中停止という補助的な操作がある。 攻撃は□or×で行い、照準を敵に向けると自動的にロックオンとなり、 その状態でボタンを押すとホーミングレーザーを発射し、敵をロックオンしていない状態でボタンを押すとバルカンを発射する。
  予想通りというか、簡易性で犠牲になったのが自由度、バラエティー。 とにかく全編を通して淡白の一言に尽きる。メリハリが無い。 L1を押して敵の方を向いてロックオンしてレーザー発射、の繰り返し。 ちょっと慣れてくると、横向いてブーストで離脱くらいの操作はするようになるけど、結局そんなヒット&ウェイに終始。 ボス戦にしても、照準でロックする場所こそ複数あるものの、パーツを狙って攻撃するような場面はそんなになく、全体的に大味。 レーザーとバルカンの使い分けの必要性もほぼ皆無。 なぜ“ほぼ”かというと、ラストステージだけが例外だからで、急に使い分けをさせられるので結構戸惑ってしまったし、 となると、1ボタンでレーザーとバルカンを使い分けるというのが不自由に感じられた。
  一応、リプレイモードがあるのもウリの一つだったらしいんだけど、そもそも操作する楽しさってモンが無いので、リプレイを見てても楽しくない。
  また、その形式上、周囲の状況を把握し難いのも難点。 その分、あえて把握しなくちゃならないような複雑な場面はそうないものの、やはり、視界外から攻撃を受けたりすることがちょいちょいと目立つ。 ある程度視点が自動調整されるということもあって、敵の攻撃との距離感が掴み辛いことも。
  要するに、操作する楽しさがあるわけでもなく、避けて撃つ楽しさがあるわけでもなく、 そんなゲームになってしまってるわけだ。
  SCAN時に敵に近づきすぎと感じられるシーンが多かったし、これはSCAN時に敵との距離を離せないというところにも問題がある。 通常のシーンであれば、SCANを外して一度離脱して・・・とかが可能なんだけど、これが参るのは、全8ステージ中2ステージにあるパイプ状のステージ (『スペースハリアー』や『ギャラクシーフォース』のような操作になる)でのボス戦。

  グラフィックは、さすがPS1にしてはハイレベルと言っても良いだろう。 シブめの色調には好感が持てるし、特にエフェクト関係はなかなか美しい。ただ、敵キャラのデザインにイマイチ統一感がないのは気になるところ。
  実写とCGを組み合わせたオープニングCGムービーにはややウケ。 今見ると思いっきりB級なんだけど、当時としてはハイレベルだったに違いない。 ただ問題なのは、その実写系ムービーで語られるシナリオと、ゲーム本編がイマイチ噛み合ってないこと。 オープニングとエンディングを見ると、 “過去にタイムワープして生まれたばかりのコンピュータ(ENIAC?)に寄生したウィルスを駆逐する”みたいな話っぽいのに、ゲーム本編にそんな匂いは皆無。 まぁ、“データをビジュアル化して”とか、そんな設定なんだろうけど、余りにも噛み合ってない。
  また、ハードロックを基調にしたBGMも、個人的にはイマイチ。全くのれなかった。 やっぱりSFにはベタな感じのBGMにしてほしかったところ。
  細かいところで気になったのは、振動のオン・オフがセーブデータに反映されないこと。 ゲームスタート時にイチイチ設定しなくてはならない(デフォルトはオン)。 同画面内で設定するキーコンフィグはセーブデータに反映されるということもあって、 自分のように振動オフでプレイする人間に対する嫌がらせとしか思えん。 地味な部分ながらも、かなり腹立たしい。


  今思えば、PS2『スカイガンナー』はこの『オメガブースト』の進化形だったんだな。 フライトシューティング的な“操作する楽しさ”があるわけでもなく、アクションシューティング的な“避けて撃つ楽しさ”があるわけでもない。 そこに何とかゲーム的に楽しませる仕掛けを考え、加えたのが『スカイガンナー』、と。
  まぁ、企画の段階でそういうゲームになるであろうことはわかってたであろうから、 だったら、もうちょっと演出やシチュエーションで燃えさせるようなゲームにして欲しかったところだ。

2002年4月19日記載