REPORTバイオハザード
GAME CUBE
2002年3月22日発売発売:カプコン  

  1996年3月22日にPSで発売され、特に国内のゲームの流れに多大な影響を与えた『バイオハザード』のリメイク版。 多分、GCで初のディスク2枚組ソフトだと思う。


  今回のリメイクの最大のポイントはグラフィックだ。 フルポリゴン化した『ベロニカ』から一転、 また一枚絵背景+ポリゴンキャラという手法に逆戻りし、今の技術力とハードパワーでその手法の限界に挑戦、そんな意気込みが感じられる。 その特徴は、背景に動きが出てきたことだろう。 背景に動画が使われていたりして、これはPS『ヘリックス フィアエフェクト』でも行われていたことだけど、 さすがにハードパワーが全く違うわけで、相当に違和感がない。 それだけじゃなく、モヤ、ボヤケ、陰影などの工夫も見られて、ポリキャラと背景のマッチングという意味では、限界に近いんじゃないかと思わせるレベルに至っている。 個人的に、PS『ヘリックス フィアエフェクト』、DC『Alone in the Dark』とプレイして、 この手法の行き着く先を見てみたかったので、そういう欲求は十分に満たされた。
  当然のように、そのキャラクターのモデリングもかなりシッカリしてて、 特に、ゾンビや巨大生物などの敵クリーチャーの存在感は相当なもの
  また、全体的な色調がかなりシブめに統一されたのも大きなポイントで、 画面写真で見ると地味さだけが目立ってしまうけど、実際に動いてる画面を見ると、この雰囲気が実に良い感じ。
  グラフィック全般が間違いなくハイレベルなわけだけども、一点、不満だったのが、人物の表情の硬さ。 喜怒哀楽の表現が弱すぎで、ゲームそのものの淡々としたところに拍車をかけている。 この点に関しては、例えばフルポリゴンだったPS2『メタルギアソリッド2』なんかに比べると、かなり置いてかれてるといわざるを得ない。
  あと、ムービーシーンの画質は、PS2ソフト全般と比較すると若干落ちる感じで、所々で劣化が目立つことも。

  ゲームの基本路線に大きな変更は無し。 ラジコン操作、移動操作は走るor歩くの2段階、そして戦闘は自動照準(これは2作目からだったか)で、上下の狙いもデジタル。
  『ベロニカ』から採用された、ポリゴンのアイテムをクルクル回して調べるという要素が追加されたりもしたけど、 まぁ、相変わらずで、謎解きにしても謎解きとは呼べないようなものがほとんど。実に平易。 お決まりのアイテムボックス、インクリボンによるセーブの仕様もあって、とにかく効率よいルートで進むのが攻略のポイントなのに、 その効率を事前に察知させるような仕掛けが少なすぎで、展開を知ってからもう一度やり直して・・・という、リセットゲームになりがち。 他のゲームにもそういう部分はあるわけなんだけども、このゲームの場合、 そんな武器と回復薬のマネイジメント以外のゲーム的な要素が無さすぎなのが相変わらずの難点。
  ただし、戦闘に関してはちょっと変更がある。 一番の違いは、ゾンビを完全に殺すためには、頭を吹っ飛ばすか焼き殺すかしないといけなくなったこと。 普通に銃を撃って倒しただけの状態にしておくと、あとでまた起き上がって、動きが素早くパワーアップして復活してしまう。 また、全体的に攻撃をヒットさせたときののけぞりが小さくなってるようで、ゾンビ相手でも狭い場所でハンドガンだと、どうにもならないことが多い。 このことによって、難易度は高くなってるらしい。 なんで“らしい”かと言うと、ゾンビを焼き殺すためにはその為のアイテムが必要で、 それがアイテムのスペースを奪うし、オイルもちょいちょい補充しなくてはならない(しかも数に限りがある)、 要するに、結局のところ上記のような難点を強調する結果になっているだけで、個人的には、それが“高難易度”ってことには繋がってこないから。
  ボス戦も相変わらずガチンコ気味で面白くないし、 前半(ディスク1)より後半(ディスク2)の方がゲーム的なテンションが低いのも×。
  また、変な部分で初代を継承してて、背景で凝ったためか、視点変更時には若干の間があるし、 部屋から出たときの、あのドアが開く演出も相変わらずで鬱陶しい。 ローディングの問題ならしゃあないんだろうけど、もしかして演出だと勘違いしてるんだろうか?という気も。 “ドアに近づいて、開く”、せめてそのドアに近づく部分はカットしてほしかったな。

  一応初代もプレイしてるんだけど、そのストーリーは全く憶えてないので、ストーリー的な変更点は不明。
  初代のPS版は恐怖の代名詞的に扱われていたわけだけども、それはあくまでも目新しさからくるもので、既にこのシリーズに恐怖感を求める気すら起きない。 ただ、若干サイコな部分が大きくなったかな。 ここらへん、色調や光の陰影を使った演出や一部のクリーチャーと共に、『サイレントヒル』シリーズに感化されている部分がかなりありそう。 ただ、SFな部分とサイコな部分のバランスはよくとれているので、パチモン臭いことにはなっていないし、そういう部分ではなんとか頑張った感じ。
  まず、クリス(♂)かジル(♀)を選んでゲームをスタート。 同じようなシチュエーションでゲームが開始するんだけど、必ずしも全く同じなわけではなく、パラレルワールド的な扱いになってる。 問題は、クリス編でのジル、ジル編でのクリスがそれぞれハンパな位置付けになってることで、 こういった人間関係のドラマには期待してた程の向上は見られなかった。 どうせゲーム的な変化、向上には期待できないわけなんだから、せめて、もうちょっとこの部分の肉付けをシッカリしてほしかったところ。
  あ、音関係は隙がない。実は、このシリーズが持ってる一番の原因なんじゃないかと思ったり。


  絵的に突き詰められただけに、いまさらながらこの手法の限界がアリアリと感じられた。 演出を考えるなら、そろそろ“見せる恐怖”を超えた“プレイする(仮想体験する)恐怖”というものにマジメに取り組むべきだろう。 また、ゲーム的にはまだしも、ドラマ的にはもっとしっかりとリメイクする余地があったように思う。 とりあえず、初代プレイ済みで特にファンでもないなら、あえてプレイするほどの価値はないでしょ。

2002年5月25日記載