REPORTミストIII エグザイル
Xbox
2002年5月2日発売発売:メディアクエスト  海外販売:Ubi Soft  開発:Presto Studios

  『MYST』『RIVEN』に続くシリーズ第3弾。 自分のPCはゲームができるような環境にないので、待ちに待った家庭用機版の発売となった。


  美しいビジュアルと難解な謎解き、そんなゲームの基本路線に変化はなし。 画面をクリックする形で進んでいくゲームで、アイテムを持ち歩いて使用するってな要素はほとんど無い。
  ひとつの大きなステージという形だった前作『RIVEN』に対し、 今作はスタート地点「ジェナーニン」から「ヴォルタイク」「アマテリア」「エダーナ」という3つの世界に行けるという、初代『MYST』に近い形式になっている。

  そんな中での今作の特徴は、あらゆる場面で360°見渡せる「フリールック・ムーブメント・システム」だろう。 天球のような形(ボールを内側から眺めるような形)の背景データを向いている方向によって歪ませて表示させるという、 おそらく、PS『夕闇通り探検隊』のパノラマモードや、PS『チェイス・ザ・エクスプレス』の背景などに使われてたのと同じような、 あるいは、DC『デスピリア』のスフィアシステムを上下方向にも拡張したようなものなんだけど、その絵の密度が段違いに高い。 さらに、水面の部分はユラユラと揺れてたり、一部で動画が使われてることがあったりと、その表現力には驚かされる。 ちなみに、その代償なのか、画像の歪ませ方が弱いようで、視点をグルグルと回してるとそのビミョーな歪み具合によって、 目が回るような感覚が残ってしまい、人によっては3D酔いのようになっちゃうらしい。
  この仕掛けは臨場感アップもさることながら、周囲を見渡すことで何かを発見するという要素が加わったし、 方向性を用いたパズルが増えたりと、ゲーム的にプラスになっている部分も大きい。
  ただし、その方向に移動できるかどうかという表示が特に無いので、移動できる場所が分かり難くなってるのが難点と言えば難点。 まぁ、これはアイコン等でもうちょっとフォローしてほしかったところ。

  肝心の謎解きは、これまでのシリーズと比べると、若干淡白で大味な印象。 特に自然の動植物を使った謎解きでは、“《結果》の為に《過程》を行う”というよりも、 “《過程》を行ったら《結果》になっちゃった”ってな場面が目立つ。 また、“特に目的無しに試してたら解けちゃった”なんてことがあったのも、むしろ×。 もちろん、基本的には良く考えられているし、そのギミックに唸らされることもしばしば。 相変わらず一筋縄ではいかないし、今となっては、 “詰まってしまい、一晩寝てプレイしなおしたら解法が閃いた”なんてのを体験できる、数少ないゲームなんじゃないだろうか。

  当然のことながら、そのグラフィックは、プリレンダCGとしては現時点での最高峰。 非現実的な風景ながらも存在感があるのが素晴らしいし、 CG技術も高いんだろうけど、それ以前に基本的なデザインの秀逸さを感じさせる。
  BGMも、品が良いのにどこか不思議な雰囲気があって、メインテーマ、イベントシーン中に流れる音楽、 冒険中にフと流れ出す音楽と、それぞれ隙が無いし、環境音などのSEの凝りようもこのシリーズらしいところ。
  余り日本人向けじゃないと思われるのがストーリー面で、 設定が独特な上に、割と理屈っぽいところがあるんだけど、そこを第一に楽しむゲームじゃないし、まぁOKでしょ。
  ムービー部分は、さすがにPSの『RIVEN』よりかは違和感がないけど、まだちょっとだけ違和感がある。 特に、フルスクリーンのムービーシーンでは若干劣化が目立つし、描画レートが高くないことが、周囲の状況をわかりにくくしちゃってる部分も。 日記等の(特に明朝体の)文字がやや読み難いのは、TV画面ではある程度やむを得ないか。


  前作ほどは印象に残る建造物がなかったし、世界が狭くなってしまった(広さを感じる機会が少なかった)印象と共に、 ちょっと淡白になってしまった感じも。 難易度的にも、前作よりひと回りかふた回りくらい簡単な印象で、若干物足りなさが残った。 とは言っても、前作、前々作同様、素晴らしいグラフィックと上質な謎解きが満喫できる逸品には違いない。 ただ、これまでのシリーズをプレイしてない人には、どうせならそれらをまずプレイすることを薦めたい。 確かに、いきなり今作をプレイしても全く問題はないと思うんだけど、 『MYST』にしても『RIVEN』にしても、今プレイしても遜色なく面白いゲームなはずだし、それらをプレイしてからの方が、当然のようにより楽しめるはず。 そして、今作をプレイしてから旧作をプレイのはキツいものがあると思うので。
  模倣作が現われない(というか、匹敵する作品が現われない)孤高のシリーズということで、今から次回作が楽しみだ。

2002年5月11日記載