REPORTHALO
Xbox
2002年4月25日発売発売:マイクロソフト  開発:Bungie

  北米ではミリオンセラーとなって、Xboxの最大の牽引役となったFPS(First Person Shooting、主観視点シューティング)。


  というわけで当然、左スティックので前後左右平行移動と、右スティックでの視点移動&旋回という2つの操作軸を併用する操作系ということになるわけ。 デフォルトでは、右トリガが武器発射、左トリガがグレネード、Yボタンで武器切り替え、Aボタンでジャンプ、 Bボタンで近接攻撃、Xボタンでリロードやその他のアクション、白ボタンで懐中電灯のオン/オフが基本操作となる。 狙いがビミョーに敵を追尾してくれたりという、パッドでのプレイを前提とした調整も上手くいってるし、 前後左右の動きもアナログスティックで行えるというのも大きく、 ゲームへの没頭感は、むしろマウス+キーボードで操作を行うPCのFPSより高いんじゃないかとも思う。

  舞台はSF、人類として初の地球外生命体「コブナント」と接触し、その後彼等と交戦状態となっている遥かな未来。
  激しい戦火の中、敵の手から逃れた戦艦「オータム」は、 コブナントを地球から遠ざけるためにブラインドワープ(目標を設定しないワープ)を行い、囮になる作戦を決行する。 しかし、ワープ後にもコブナントの襲撃を受けてしまう。 プレイヤーは、対コブナント用特殊機甲兵「SPARTAN-II」の最後のひとり「マスターチーフ」となり、 地球軍のあらゆるデータを持つAI「コルタナ」と共に、戦艦オータムから逃れ、 近くにあった環状でその内側に地表があるという惑星「HALO」に脱出、不時着することになった・・・というのがゲームの導入。

  前半は、一般海兵隊達と一緒にコブナントと戦うことが多くなり、 「スターシップトゥルーパーズ」を思わせるような軍隊モノSFのカラーが強い。 中盤からは「フラッド」という新たな敵が出現し、後半は「エイリアン」と「ゾンビ」を足して割ったような展開に。 一般的には前半のノリの方が好評のようだけど、個人的には、後半の方が好みだったし、素直に1粒で2度オイシイ感じ。 人によっては減点要因になっている、中盤以降の同じような構造のところを繰り返し進んでいく場面にしても、 むしろ非人類的な建造物という雰囲気を醸し出していたようにも思う。
  ゲーム的には、フィールドの広さと敵の数の多さ、自律性の高さが、一番わかり易い形での長所かな。 ここらへんはハードパワーが存分に生かされたところだろう。 自分がいるフィールドで、コブナントが海兵隊と戦ってたり、後半はコブナントとフラッドが戦ってたりと、 個々のAIはそれほど優れてるワケじゃないと思うんだけど、それらが自律的に動いてる感じが強いので乱戦っぽい楽しさがある。 基本は30fpsなんだけど、フレームレートの安定度は高く、これだけの視界の広さやキャラの数を確保してこの安定度というのは、むしろ評価できる部分だ。

  また、FPSとしては極めてオーソドックスと言われてるゲーム内容だけど、独自色がないわけじゃない。
  まずは体力、というかシールドに関する仕様。 シールドがあって、攻撃を受けるとまずシールドが減って、シールドがゼロの時に攻撃を受けると体力が減少。そして、シールドは時間が経つと回復する。 よって、攻撃を受けたら物陰に隠れてしばし待機、そんな機会が増えるし、全体的にリロードの隙が大きいので、リロードの機会も作らなくちゃならないこともあって、 単なる撃ちまくりゲームじゃないメリハリが生まれている。
  もうひとつちょっと変わってるのがレーダー。 画面左端に常に表示されているレーダーは、単純に敵の場所が表示されるわけじゃなく、 「モーショントラッカー」という、自分と相対する位置で動いてるキャラクターのみを表示するというもの。 つまり、動きのない敵や、見えない敵は表示されない。 さらに、精度も良くないし上下関係もわからないんで、あんまりアテにならず、丁度、映画「エイリアン」みたいに、いい感じの緊張感を生むことになった。
  この2点は、地味ながらもポイントが高い。
  また、多彩な武器を切り替えて戦っていくFPSが多い中、このゲームの場合、所持できる武器は2つだけでそれを切り替えながら戦っていくのも変わってるか。 コブナントが使うエネルギー系武器も有効なんだけど、弾薬がなく使い捨てなので、大抵、現地調達で武器を使っては捨て使っては捨てで進んでくことになる。 実弾系はハンドガン、マシンガン、ショットガンがメインで、場合によってはスナイパーライフル、ロケットランチャー、 エネルギー系は連射が利くプラズマライフル、溜め撃ちができるプラズマガン、クセの強いニードラーという武器ということで、 武器のバリーエーション自体はそんなに豊富なゲームではないし、 持ち歩ける武器の数も少ないだけに、戦い方の自由度という意味では限られたものがあるのが残念。
  乗り物の存在も、このゲームの特色のひとつで、バギー、戦車や、空中を自由に飛びまわれる乗り物まで出てくる。 乗り物に乗ると客観視点になって、操作感がフワフワしてる上にちょっと操作にクセがあるんだけど、これが慣れてくれるとなかなか楽しい。
  マップ的な要素が無いのは良し悪しか。 なんせ広いんで、特にFPSに慣れてない人にはツラいものがあるのかもしれないけど、かといって、マップと睨めっこなゲームになってはツマランわけで。 目標を表示するナビポイントを増やすと、コルタナの音声によるフォローを強化するとか、立て看板的なマップを配置するとか、そういう方向性での工夫がベターだろうな。

  難易度的にはヌルヌルというワケじゃないし、即死で死んでしまう場面も多いんだけど、 チェックポイントが頻繁にあって、リトライが苦痛じゃないんで、特に問題なし。 難易度ノーマルでも集中攻撃を受けるとアッサリとダメージを喰らったりと緊張感があって楽しめる。 ビギナー、ノーマル、アドバンス、レジェンドという4段階の難易度にメリハリがあるのもナイスで、そういう意味でのフトコロは深い。

  グラフィックは、ひとつひとつが突出して素晴らしいわけじゃないものの、 スケール感と(特に金属系の)質感の良さが印象的で、Xboxのハードパワーがいかんなく発揮されている。 絵的にアラが目立ち易いジャンルなのに、そういったアラを感じるような場面も少なく、非常に描き込まれていて総合的にはかなりハイレベル。 また、これまでのSFをネタにした各種のゲームに比べると、スケール感の表現が格段に向上してるのが、SF好きにはタマランところ。 ただ、人間のモデリングが全体的に寸詰まりなとこがあるので、もうちょっとスラッとした感じにするだけで印象が良くなったろう。
  洋モノの中ではストーリー展開やイベントシーンはかなり充実してる部類だし、ゲームを阻害することなく、上手にゲームにマッチングしてたと思う。 常に(ストーリー的に)プレイヤーの視点で話が進んでいくのも良かったし、変に人間関係偏重じゃなく、SF的な構造がシッカリした話の展開にも非常に好感が持てる。 そして、ちょっと心配していた日本語音声も意外に悪くなかった。 一緒に戦ってる海兵隊たちのセリフが場を盛り上げてくれるし、あまりにもシブすぎる主人公マスターチーフの声もステキ。 大部分で一緒に行動することになるAIコルタナ(♀)の声がちと落ち着き無さすぎな印象はあるけど、まぁ、許容範囲内だろう。
  BGMとSEのボリュームバランスを変更できないことには当初不満を感じたものの、 BGMは垂れ流しじゃなくてポイントポイントで流れ出すというタイプなだけに、結局はさほど気にならず。


  最近のFPSの対戦傾向には辟易してたこともあって、シングルプレイの比重が大きいFPSという意味でも非常に楽しめたし、 SF好きの自分としては、その世界設定、数々のシチュエーションに燃えすぎた。 そういう人にとっては、十分キラーになり得るゲームと言えるだろう。 また、SF色の強い世界観こそあまり日本人ウケしなさそうだけど、ゲーム的にはクセがなく、操作感も上々だし、 このジャンルの中では比較的酔いにくいゲームなんじゃないかという話も聞くので、FPS未体験の人にも是非試してもらいたい一本。 是非、FPSの没頭感を体験して欲しいな。
  というわけで、他ハードならまだしも、ある程度ユーザーが限られてるであろうXboxでならオススメということにしてみたい。 個人的には、まだシングルプレイでの可能性が残ってるジャンルだと思うし、 もうちょっと日本での認知度が(プレイヤー的にも製作者的にも)高まってくれると、和製の面白いFPSが現われるんじゃないか、そんな期待も持ってるので。

2002年5月6日記載