REPORT-U- アンダーウォーターユニット
PlayStation2
2002年5月2日発売発売:アイレム  開発:ラクジン  

  ヒッソリと発売された潜水艦を操る3Dシューティングゲーム。 一応、サルベージ的な要素もあるんだけど、かなりシューティング色が強いゲームに仕上がっている。 プレイヤーが操作する潜水艦のデザインなんかからは、同じくアイレムの業務用2D横シュー『海底大戦争』を思い出させ、 そこらへんの意識もあるのかもしれないけど、ゲーム的には当然別モノ。
  ちなみに開発したラクジンは、PS2『BUISN』の他に、 『ボンバーマンカート』『ボンバーマン64』や『スノボキッズ』シリーズなんかも作ってるという、かなりカオスめな開発メーカーだ。


  基本操作は、左スティックでの機首旋回、L1、L2で前進後退、 さらに潜水艦ということで、R1、R2でパラストによる上昇・降下が行える。 ただこのゲームの場合、パラスト注水・排水というよりも、そのまんま上昇・下降という感じの操作感。 全体的に非常にモッサリとした動きのゲームの中ではもっともクイックな操作ということになり、 敵からの攻撃を避けるときに用いることになる。
  もうひとつの潜水艦ならではの特色はソナーだろう。 ×ボタンで「Xソナー」を使用すると、一定時間レーダーに敵影と敵からの魚雷が表示されるのに加えて、前方の視界にワイヤーフレーム上のサポートが付き、 敵や地面が強調表示され、物陰に隠れた敵が表示されたり、地面に埋蔵品が埋まってるのがわかったりする。
  攻撃は□ボタンで行い、連打するとニードルガン、押し続けるとロックオンから魚雷。 魚雷は、進行速度が遅めな上に、一定距離で自壊してしまうのが特徴で、障害物の向こう側にいる敵をロックオンし、 自機を横に向かせて魚雷を発射することで、障害物を迂回させヒットさせるなんてのが、このゲーム独特の戦術になってくる。
  さらに、このゲームで特徴的なのは、水面に浮上して戦艦や海上のヘリや海沿いにある施設を攻撃するという要素があるということ。 水面付近まで上昇して、○ボタンを押すと水上に浮上し、ニードルガンをバルカンに、魚雷をミサイルに代えて攻撃、そして、水面で○ボタンを押すとまた水中に潜る。
  ゲームの舞台は、大地震で地球の陸地の大部分が水没した未来世界。 軍事国家「メルギス帝国」に対する同盟軍という形で、プレイヤーは、同盟軍の新型潜水艦「クロノス」に乗り込む傭兵という設定。 となると無骨な軍事っぽいものかと思いきや、超古代文明とやらが絡んできて、 その遺跡の守護者とかいって、巨大なゴーレムやスフィンクスのような敵も現われたりと、割とトンデモ
  で、ステージクリア形式の全21面を次々とプレイしていくことになる。

  まず物足りなかったのが、潜水艦っぽさの表現。 同じく水没した世界を舞台にしたDC『青の6号』が非常に上手くやってた部分だけに、 余計に不満に感じたってのがあるにしても、もうちょっと何とかならなかったものか。
  一番マズいのが、スケール感の表現が下手っぴなこと。 丸々とした自キャラの潜水艦は、背景のビルや車と比較すると意外にデカイことがわかるんだけど、その大きさが全く実感できない。 動きが重い割に、モノにぶつかったときの感触は軽かったり、潜水、上昇だけは比較的動きが軽かったり・・・。 平面的な作りが多い地形にしても、まるで深さが感じられない。 背景、敵キャラ、全てに大きさが感じられず、全てがまるでオモチャのよう。
  いくら自分たちが最新鋭の潜水艦とはいえ、敵キャラたちが余りにもザコすぎる印象もある。

  だったらだったで、という流れで考えると、もうちょっとアクション色の強いゲームに仕上げるべきだったんじゃないかと思うわけ。
  何より、ここまで動きを重くする必要はなかったろうに。 そのお陰で(特に大型のボス戦では)、“敵の攻撃を避ける”というよりも、 “動いていれば敵の攻撃が当たらないと信じて動き回る”って感じのことが多くなってしまってる。 さらに、説明書には「敵の背後から魚雷を撃つと避けられ難い」とあるものの、 例えばフライトシューティングみたいにはその関係がハッキリしてはいないので、運任せ(敵の反応任せ)になっちゃってる部分が大きい。
  特色のひとつである水上での攻防にしても、取って付けたようで、水中と水上の攻防がイマイチ上手に絡んでいない。 そもそも、潜水艦である以上、水上に浮上して攻撃するってのがおかしな話だし、水没した世界という設定の説得力を弱めてしまってる感じも受ける。
  そして、ソナーの位置付けも割とテキトーで、こちらのソナーに敵が反応することはなく、 視界に入ってこなくてもある程度近づいてしまうと敵は自分を察知してしまうし、その間にある壁に向かってガンガン攻撃してくるという頭の悪さ。 そうであるならば、もっとハデにガンガンやるアクションシューティングを目指すべきだったんじゃないかな、と。

  そんなゲーム本編を味付けする要素も、それぞれ練りこみ不足の感がアリアリ。
  (初期装備も含めて)魚雷は7種、ニードルガン系は5種あるものの、 使える武器は限られているし、水上から攻撃するバルカンとミサイルはそれぞれ2種類ずつしかない。 エンジンは4種、シールドが4種、何より、運動性能はエンジンにだけ依存してるとなれば、 そこにカスタマイズの面白みがあるはずもなく、ミッションに合わせて微調整する程度になってしまう。
  発掘(サルベージ)は、視界内でXソナーを使えばそこにあることがすぐにわかってしまうという単純なもので、 そもそも、燃料とか空気とかの要素が無く、いくらでもマッタリと探索できてしまうので、特に面白い要素ではない。
  ここらへん、発掘とパワーアップをもっとシッカリと関連付けた方が良かったんじゃないだろうか。
  また、ストーリーにも中途半端なことがあって、ライバルの敵潜水艦が同盟軍に属していることに疑問を投げかけてきたりするんで、 てっきりプレイヤーは同盟軍から離れていくのかと思えば、そんなことは無いまま終わってしまったし、 結局は超古代文明との絡みも中途半端なまんまと、“二兎追うものは一兎も得ず”を地でいく結果となってしまった。

  ちなみに、難易度はそこそこ。 ボタンをフルに使うゲームなだけに、慣れるまで時間がかかる人がいるとは思うけど、一部のボス戦を除けば、そんなに死ぬことはないはず。 ただし、時間制限のある石版探しで、深海まで潜ってダメージを受けてから、ライバルと戦って、ラスボス戦という最終面の作りには疑問。 まず、難易度以前に面倒臭すぎというのが一点、そして、そのラスボス戦にしても最初の形態が一番厄介ってのはなぁ・・・。


  それなりに丁寧に作られていてソコソコには面白い、良くも悪くも凡作といったところで、 ジャンル的に合えば(ボタンを多く使う操作を苦にしないのであれば)それなりには楽しめるはず。 ただ自分としては、アクションシューティングとして、あらゆる面でもう一工夫してほしかったし、 超古代文明、水上攻撃といった要素をより生かせれば、もうちょっと面白いものになったんじゃないかと思う。
  しかし、TVCMを流せなんてムリは言わないけど、こういうゲームでも(というか、だからこそ)、 ゲーム雑誌等でしっかりアピールできれば、結構売上げが変わってくると思うんだけどな。

2002年5月13日記載