REPORTスーパーマリオサンシャイン
GAME CUBE
2002年7月19日発売発売:任天堂  

  純粋なアクションゲームのマリオとしては、実に64『マリオ64』以来6年ぶりの新作。 自分がGCを買ったのは、任天堂のアクションゲームがプレイしたいというのが第一だったわけで、それがここまで待たされることになるとは・・・。


  というわけで、ゲームの基本形式は3Dのジャンプアクション。 左スティックでマリオを動かし、Aでジャンプ、Bでアクションというのが基本操作。 しゃがみとパンチは無くなったものの、3段ジャンプ、スピンジャンプ、宙返り、ヒップドロップ、 ヘッドスライディング等、それ以外のアクションは『マリオ64』から継承。 そんな中、このゲームの特徴は、マリオが背負っているポンプを使ったアクションで、 ポンプは基本装備であるノーマルノズル、ホバーノズル、後で使用可能になるロケットノズル、ターボノズルの4種類があり、 Rトリガーがポンプアクションに割り当てられている。 ノーマルノズル使用時には放水で、トリガーを少しだけ引くと走りながらの放水となり、 トリガーを一杯まで引くと停止して左スティックで水の方向を変えられる放水。 また、放水しながらヘッドスライディングをすると、そのままズサーッと(平地では)加速しながら滑り続けることができ、 全体的にステージが大きいこのゲームではスピードのある移動手段として重宝する。 ホバーノズルは下方向に放水することで一定時間ホバーするというもの。 ロケットノズルはRトリガーを一定時間押し続けることで非常に高いジャンプ、ターボノズルはRトリガーを押し続けることで水上も走れる猛ダッシュ。
  視点操作は、Lトリガーによるカメラリセットと、Cスティックでのカメラ操作を併用していく。 そして、Xボタンでマリオを立ち止まらせて周りを見回す「マリオ視点」に。 基本的に、このテのゲームの中では視点関係はかなりマシな部類で、自動調整される部分も上手いし、 Cスティックが『マリオ64』のような切り替えタイプではなく、自由に動かせるのもグッドなんだけど、 かなり派手に空間を動き回るだけに、その動きに視点調整が追いつかないこともある。 また、予想以上にCスティックへの依存度が高いので、そこに慣れるまではストレスを感じることも多いだろう。 気になったのは、必要以上に併用の必要があること。 具体的には、Cスティックではカメラが背景にひっかかって回り込めなくなるようなことがあるのに、カメラリセットを行えば回り込めるってなことがちょいちょいとある。 良く言えば、カメラリセットがCスティックでのカメラ操作をフォローできてる、ということになるんだけども、 せっかく、何かに隠れたときはマリオがシルエットになって表示されるとか、 壁が挟まれたときは壁が透明になってくれるとかの仕様があるんだから、Cスティックで全てをまかなえるような形にできたはず

  ゲームの大まかな流れとしては、いわゆるワールドマップ的な「ドルピックタウン」から、 各ステージへいって、課題をクリアし、スターならぬ「シャイン」を集めていくというもの。 シャインを集めた数によってドルピックタウンでイベントが発生し、また新たなステージに行けるようになる。 レア社の3Dアクションゲームとは違って、マップ中に目標アイテム(この場合はシャイン)が散らばっているというタイプではなく、 あくまでも最初に与えられた課題をクリアすることでアイテムが得られ、 そのアイテムを得た時点でそのステージからは強制的に出されてしまうというものなので、その大まかな作りは『マリオ64』を継承しているといっていいだろう。 各ステージの課題は8つで様々な内容があるんだけど、 その中に必ず含まれるのが、赤コインを8枚集めるミッション、ニセマリオを追いかけるミッション、そして、アスレチックステージ。 ニセマリオを追いかけるミッションは、アクションのチュートリアル的な側面を持ち、ある程度離れたらニセマリオは待っててくれるので、全体的に非常に簡単。 一方、歯ごたえがあるのが、アスレチックステージで、異次元空間のような別ステージに移って、ポンプ無しでジャンプアクションを行うことになる。 基本的に飛び石的な足場で落下即死となっていて、死んだ場合はまたステージの最初から。 よって、一部では難しすぎとの声もあるらしいけど、自分的にはむしろ通常面より面白く感じることもしばしば。 特に、縦方向に回転する足場はなかなか目新しく、面白い感覚だったな (ちなみに、このテの足場をジャンプしないで乗り越えることに気付かないとドツボにハマる可能性大)。 課題そのものは、さすがに上手く作られているし、ボス戦もそれぞれ工夫がされてるんだけど、任天堂にしてはヒネりが足りない感じも。
  また、各ステージ内で100枚のコインを集めるとシャインをゲットでき、 それぞれに2つずつの隠しシャインがあるので、1ステージで11個のシャインがあることになって、 さらに、各所に隠されているブルーコインというものがあって、ブルーコイン10枚でシャイン1つがもらえたり、 ドルピックタウンにもシャインが隠されてたりと、 シャインは全部で120個あるらしい(ちなみに、自分は80個くらいでゲームをクリアして、今は90個を超えたくらい)。 延々とプレイできるようなゲームじゃないのは確かだけど、全7ステージということから想像するよりかは、全然マトモなボリューム感はある。 自分としては、ステージ数そのものには不満はないんだけど、欲を言えば、アスレチックステージはもうちょっと増やしてほしかったところ。
  それでも、使いまわし感を強く感じる人が多いってのは、 前述のように、あくまでも“課題を与えてそれをクリアさせる”っていう形式からくるところが大きいんじゃないだろうか。 自分としても、ムリに(といっても、時間稼ぎができるとか、課題を作りやすいという作り手側にはメリットがあるんだろうが)『マリオ64』の形式を追従せずに、 ステージの中にパズルが散らばってるようなタイプの方がベターだったと思うな。
  各ステージは結構広め(『マリオ64』と比べると段違いに広い)で、 その高低差のある空間的なステージ構成はグッド。特に、高さの使い方は非常に上手い。 “夏、海”がテーマということで、変わり映えしないという声もあるようだけど、構造的にメリハリが付いてるので、自分としてはそういう印象は無し。

  と、非常に良くできた3Dアクションゲームであるのは間違い無いんだけど、最高の完成度を誇るゲームってわけじゃないのも確か。
  まず、基本操作に重たいところがあって、意外に動きにクセがある。 フィールドが広くなった分、通常のジャンプの幅が大きくなったようで、 ジャンプと足場の距離感が若干計り辛くなってて、自分が思ってる以上に足場から落ちてしまうことが多い。 また、宙返りの予備動作として、進行方向から180°後ろにスティックを入れると、ちょっとズサーッと滑る動作になるのも、イマイチ小回りがきかない印象になってて、 アスレチック面とかでちょいちょいスティックを操作しようとしたときに、ズサーッと滑ったり、 そこで誤ってジャンプすると必要以上に高く跳び上がる宙返りになってしまい、下に落下なんてことも。 そういうところがマリオなんだ、という人もいるんだろうけど、せっかくポンプアクションを取り入れたのだから、 基本の操作感はもっと軽く、単純にして、特殊なアクションはよりポンプ任せで良かったんじゃないかと思う。
  そういう意味じゃ、もっとポンプアクション重視の内容でも良かったんじゃないかな。 なんせ、ターボノズルなんて活躍する機会はほぼ皆無だったし、逆に、基本アクションでは一番高さが稼げるスピンジャンプ(スティック1回転+ジャンプで行う)もいらなかったろう。
  水中の操作は、Bで沈み、Aで浮き上がり、あとはスティックを入れた方向に進むというもの。 これも、オーソドックスにフライトシムのような操作にした方がわかりやすかったんじゃないだろうか。
  中盤から出てくるヨッシーは、ヨッシーならではという移動アクションがなく、単にヨッシーのゲロによって特定の炎を消すだけの存在になってしまってる。 一応、ヨッシーのゲロによって敵を足場に変えるという要素があるのに、それを生かした課題は1つだけ。 さらに、食べた果物によってその足場の性質が変わるという要素も、それを使い分けるような場面がほとんどないので、ムダにしか思えない。
  また、前々からこのテのゲームでちょいちょい気になってたのは、なぜ残機制を引きずるのか?ってこと。 特にこのゲーム、残機を増やすことは難しくない。 ドルピックタウンには簡単に見つかる1upキノコがいくつもあるし、ドルピックタウンに戻るたびにそれは復活してる。 だからこそ、ただ煩わしいだけの要素になってると思う。 それがより気になったってのは、ミニゲームっぽい課題を失敗したときにも残機が減ってしまうからでもある (例えば、“時間内に○○を集めろ”っていう課題でタイムアップになると残機が減る)。
  細かいところでは、シャイン、ブルーコインを取ったときにいちいちセーブするかしないかを聞かれるのが鬱陶しかった。 セーブ時間は短いんだから、オートセーブってことにしちゃって良かったんじゃないだろうか(せめてシャインを取ったときだけに聞くようにするとか)。

  そして、これはゲームそのものの問題ではないんだけど、 GCパッドのこういうアクションゲームとの相性の悪さを感じてしまったのも事実。 その原因は左スティックの周囲の8角形の枠で、どうしてもその8方向にスティックが入りやすくなってしまい、 進みたい方向とビミョーなズレを感じることがちょいちょいあった。 Cスティックでの視点操作を多用するようになってからはそれほど気にならなくなったけど、これは意外にイタいかもなぁ。

  グラフィックは、発売前に雑誌で画面写真を見たときよりも遥かに好印象。美しい。 熱気によるゆらぎ、海中から海上を見たときのゆらぎなどのエフェクトも凝ってるし、透明で波打ってる海の表現にも驚かされた。 砂の表現とか、空に飛行機雲が流れてたりとか、細かい演出も上手い。 ヴィヴィッドすぎるんじゃないかと思ってた色使いも、サンシャイン!って感じを上手く出してて、結局は気にならなくなってしまったな。 タイトルの通りの、“夏だ! 海だ!”って雰囲気は上手く表現されていると思う。 見える範囲の広さ・オブジェクトの多さがハンパじゃなく、凝ったエフェクトも多いので、30fpsというのにもむしろ納得
  相変わらず、キャラの動き&仕草は上手く作られてるし、音楽関係も隙無し。 地味ながらも、効果音は本当によくできてると思う。
  イベントシーンはCGムービーが主。 任天堂としては、ゲーム中にCGムービーを使ってきたゲームとしては初かもしれない。 画質が余り良くなくて、ボス登場とかの短いムービーの場合は若干テンポを崩してる部分はあるけど、そもそも大した量じゃないし、全然許容範囲内。


  『マリオ64』や『ゼルダの伝説 時のオカリナ』程のまとまりの良さ、隙の無さはないけれども、 総合的に考えれば、現時点での3Dアクションゲームの最高峰のひとつなのは間違いないとこだろう。 『マリオ』の新作ということで過度な期待を持ってたわけじゃなく、新作3Dアクションゲームとして期待していた自分としては、非常に楽しめた。 本体を買わせるようなパワーはないものの、GC本体を持ってる人には当然のようにオススメする。
  子供をメインターゲットに据えながらも、安易に“子供向け=平易”と考えないところに、任天堂の良さがあると思うな。
2002年7月30日記載