REPORT日本大相撲 激闘本場所編
PlayStation2
2002年7月11日発売発売:コナミ  開発:KCE大阪  

  久々に発売された本格派相撲アクションゲーム『日本大相撲 格闘編』の続編的な存在。 ちなみに、その前作であるPS『日本大相撲』は、親方になって力士を育てるという育成ゲームだそうな。
  前作『格闘編』も、結構な相撲好きの自分としては結構気になってたソフトだったんだけど、 相撲ゲームのクセに本場所モードがないし、 最近の有望株力士が出てくる直前くらいに出てたゲームだっただけに、スルーしていた。 で、意外な続編の登場となったので、結構期待しての購入&プレイとなった。


  なるほど、両スティックと4つのLRボタンを使う取り組むのシステムはかなり変わってる。
  L1・L2が左上手・左下手、R1・R2が右上手・右下手に割り当てられていて、例えば、右四つならL1とR2を押すことになる。 左スティックはキャラの移動で、右スティックはバランス崩し。 このバランス崩しがゲームのキモになっており、組んで右スティックで相手のバランスを崩し、 そこでR3ボタンを押すと(つまり右スティックを押し込むと)投げなどの技を繰り出すというのがこのゲームの基本。 バランスを大きく崩してれば崩してるだけ技が決まりやすくなり、 受け手はレジストウィンドウに表示される方向にスティックを入れることでその技に対して抵抗することができる。 あとは両力士の能力値、スタミナの差などによって、技が決まったり決まらなかったりするわけだ。 ちゃんと組み手がゲームに関わってるところがエラいし、 組んでからの攻防は結構相撲っぽいものになっていて、連打ゲームになりがちだった過去の相撲ゲームとは一線を画している。
  相撲の決まり手全82手を再現というのがウリのひとつになっていて、 技を出すときの両スティックの入れる方向と、組み手によって出る技が変わるんだけど、 そのコマンドに、スティックちょい入れがあるのが厄介なところ。 マニアックな技まで入れすぎたため、そのコマンド量は膨大になってしまったし、自由に技を出せるようになるには、相当な修練が必要となってしまった。 「なんじゃそりゃ」的なマニアックな技が割とヒョイヒョイ出てしまうというのは、嬉しいというよりも、むしろ萎える要素。 もっと基本の技は厳選すべきだったし、レアな技を入れるなら、状況に応じて偶発的に発生するような仕掛けにすべきだったろう。 また、基本的にどの力士も全ての技が使えるようになっていて、 (パラメータ以外での)力士の性能差は、「得意技」と「十八番」がどの技に設定されているかによる。 どう考えてもその力士には相応しくない技もあるわけで、力士によって使えない技、あるいは不得手な技といったものもほしかった。
  バランス的に気になったのは、土俵際で粘れ過ぎなこと。 よって押し合いの攻防は間延びしがち。 多分対戦を意識してのバランス調整なんだろうけど、土俵際に追い込まれてもさほど怖さを感じられないのでは、 大相撲の醍醐味のひとつを表現できてないという意味で問題がある。 せめて、背後を取ったときくらい、サクっと敵を押し出せるようにしてほしかった。

  そして、ここからは要望というか、相撲好きとしては物足りなかったところ。 まず、それでも組み手の攻防に物足りなさがあること。 意図的に相手に組ませないようにすることはできないっぽいので、どうにも地力のある力士が有利になりすぎる傾向がある。 「おっつけ」で組み手を封ずるとか、組み手を絡めた技がもうちょっとほしかった。 まぁ、こういうサイドビューの形だと、組み手の攻防の表現にはムリがあるんだけどねぇ。 また、半身の体勢での攻防が淡白すぎる。 半身になると前後の押しに対しては強くなる反面、投げには弱くなるというもので、それ自体は悪くないんだけど、 なぜかこの状態だとバランスという要素がなくなってしまい、 技が決まる決まらないの規準がより曖昧で、プレイヤーにとってはリスキーなだけの形になってしまった。
  とはいうものの、この取り組み自体は良い印象の方が強いし、それなりに納得のいく部分だ。 チュートリアルがしっかりしてることにも好感が持てる。

  問題は、それを取り巻くシステム。モードなどに関わるゲームの遊ばせ方にある
  デフォルトで使える力士は、横綱、大関の6人と平幕力士4人。 で、使える力士を増やすには、本場所モードで優勝するしかなく、優勝した力士の一門を優先的に(おそらくランダムに)使える力士が1人増える。 それ以外では、本場所でゲットした懸賞を利用して、力士のマワシのカラーバリエーションや、 力士の能力値アップ(育成というよりも、お気に入りの力士で優勝できるようにという仕掛けだと思う)ができるというのが、唯一のお楽しみ要素といってもいい。
  何より、いきなり優勝を目的としたことに相当問題がある。 となれば、横綱を使うのが圧倒的に有利(というか、じゃないと相当ツラい)。 そもそも懸賞を消費する要素に面白みがないわけだが、 それでも、懸賞をより多く得るには、当然、地位の高い横綱でプレイするのが一番効率が良いということになってしまう。 で、優勝したのにゲットしたのが名前も良く知らない力士じゃ(いや、自分は知ってるんだけど)、モチベーションが持続しないはず。
  横綱、大関は(そして関脇、小結も)むしろデフォルトでは使えないようにするべきだったのではないか。 そして、何らかのポイントを溜め、それを消費することで、自由に使える力士をゲットしていくような形の方が良かったろう。 そのポイントも、まずは勝ち越し、2桁勝利、そして3賞などで得るようにしていく、と(金星でボーナスとか)。 そうすれば、その地位なりの戦い方が楽しめたと思うし、1人でプレイしても、長い間プレイのモチベーションが保てたに違いない。

  グラフィックはソコソコ。 肝心の力士たちは意外と似ておらず、角度によっては似てることもある、そんな程度。 何より、力士ごとの体格差にメリハリがなく、その佇まいが似てないというのが致命的。 まぁ、こういう組み合ってしまうゲームでは、そういう体格差を付けるとゲームとして処理し難いんだろうが。
  曲線的な力士のモデリングは悪くない。 ただ、肉が揺れるというのもウリになっていたようだけど、 まるで水の詰まった風船という感じだし、エラく突発的に揺れ出す(あるいは揺れるのが目に付く)ので、不自然極まりない。 むしろ、揺れない方が良かった(っていうか、とりあえずフトモモはそんなに揺れんだろ?)。
  呼び出し、電光掲示板、幕内土俵入り、横綱土俵入りなどなどの演出は非常にグッド。 結びで横綱が負けると座布団が舞ったりと、芸が細かい。 その割を食ったのか、全体的にロード時間が長めで、若干テンポが悪い。


  取り組みそのものの作りは面白かったんだけど、 それを遊ばせる味付けが致命的なまでにヘタクソだった。残念。

2002年7月18日記載