REPORTビーチスパイカーズ
GAME CUBE
2002年7月19日発売発売:セガ  開発:AM2  

  アーケードではいまいちパッとしなかったビーチバレーゲームの移植で、AM2のGC参入第1弾でもある。


  選手は女性のみで、そのグラフィックは実に華やか。 各選手のモデリングは非常に良くできていて、健康美というか、健全な色気というか、そういうモノが感じられる。 ここらへん、セガが不得手だった部分だと思うので、『バーチャファイター4』といい、随分改善されてきたんだなぁ、と。 欲を言えば、もうちょっとテクスチャの質感で頑張れたんじゃないかとは思うけど。

  で、アーケードゲームらしく、基本操作はスティック(十字キー)&ボタン2つとシンプル。 GC版ではA+Bの操作はXボタンでも可になってるので、事実上、3つボタンで操作することになる。
  相手がスパイクを打ったり、味方がレシーブすると地面にマーカーが表示され、 選手を操作しそのマーカーの上に持っていき、ボタンを押すことで、レシーブorトスを上げる。 で、スパイク時には画面にパワーゲージが表示され、タイミング良くボタンを押す、と。 タイミングは先行入力が可能というか、早めにボタンを押した方がいいレシーブやトスができるというシステム (要するに『パワースマッシュ』を想像するとわかり易いはず)になっており、 良くないトスを上げると、スパイク時のパワーゲージが短くなってしまい、パワーのあるスパイクを打てなくなってしまう。 つまり、良いレシーブは良いレシーブに、良いレシーブは良いアタックに繋がっていくというわけ。
  基本的なアクションは全てAボタンで行い、Bはフェント(ブロックをスカすアタック)、低いレシーブ、低いトス、 アンダーハンドサーブ、Xは2アタック、2リターン(トスで相手に返す)、スパイクサーブという役割になっている。
  シンプルながらも、 ちゃんと相手の動きを見てスパイクを打ったりブロックに跳んだりしないと決まらなかったり、 ネットに近い方が角度のある強烈なスパイクを打てるけどブロックされやすいとか、結構奥深いものはある。

  モードは「アーケード」「ワールドツアー」「バーサス」「チュートリアル」の4つ。
  アーケードはその名の通り、アーケード版を移植したもので、試合は10-10の状態から始まり、全5試合をこなしていく。 1人プレイの時は、チームの2人を操作することになり、操作する選手の切り替えは完全にCPU任せなので、 例えば2人の間にボールが来たりするとかなり混乱してしまう。
  ワールドツアーは、選手エディットでオリジナルチームを作り、8つの大会トーナメントをこなしていくという、1人プレイ専用モード。 プレイヤーが操作する選手は固定されていて、パートナーの動きはCPU任せ。 試合が終わると能力ポイントが得られるので、それをパートナーの各能力値に割り振って、パートナーを育成していくことになる。 また、試合の途中の休憩シーンでは「ほめる」「はげます」「起こる」「会話をしない」という4つの選択肢を選ぶことになり、 それによってパートナーとのチームワークが変化していく。 8つのトーナメントが終わると2年目に突入。 1年目は育成しながら戦うことになる(なんせ、初期状態のパートナーは平凡なレシーブ、トス、アタックも失敗してしまうほど)ので 総合ランキング1位を狙うのは難しいんだけど、 普通にプレイすると1年終わればパートナーの能力値は最大になるので次は総合ランキング1位を目指して戦うことになる、と。 能力が上がればパートナーとして頼もしい存在になっていくんだけど、それでも動きが完全にCPU任せなのでイラつかされることも。 「任せて!」程度の簡単なものでいいから、プレイ中にパートナーに命令ができるようなシステムは欲しかったところ。
  バーサスは通常の対戦の他にも、 ビーチフラッグや、ビーチバレーで行うNOT100みたいなゲームなどのミニゲームも用意されてるんだけど、 パーティゲームとして使えるほどのバリエーションはないし、本編からはブツ切れだしと、いまいち中途半端な印象。 どうせなら、ワールドツアーに絡められるようなミニゲームをもっと追加して、ワールドツアーと絡められれば面白かったろうに。
  システムはシンプルだし、CPU戦の難易度も特に高いわけじゃないんだけど、やはりチュートリアルの存在は嬉しい。 意外に歯ごたえのあるトレーニングとなっており、チュートリアルをクリアすれば、アーケードの難易度ノーマルならクリアできる程度の腕前になるはず。

  とりあえず、最初から最後まで手に馴染みきらなかった原因は、操作が完全にデジタルなこと。 入力幅はもちろん、方向もアナログに非対応なので、どうしても動きがぎこちないし、咄嗟に動きたいところに動いてくれないこともある。 テニスなんかと違って平面を自由に動くことが重要なスポーツなだけに、これは痛い。 よって、マーカーの中心に近ければ近いほどいいトスが上げられるとはいうものの、 動きがぎこちないので、オープンな状況でも最高のトスが上げられないなんてことも。 その上、視点がかなりグルグル回るゲームなだけに、CPUが勝手に設定した8方向と、自分の意識の中の方向がズレることがしばしばで、 狙ったとこに動かない、打てないと感じる瞬間がかなりある。
  この視点もどうなんだろうなぁ・・・。 確かに、ダイナミックで躍動感があるのは確か。 ただ、その操作感ともあいまって、それがゲームの足を引っ張ってると思われることもしばしば。 自分のコートが一部しか見えない場面が多すぎるし、その為に画面中央下にレーダーが表示されてるものの、 コートの大きさがそれほどでもないビーチバレーでそういうレーダーが必要になっちゃってるってのが、そもそもマズいように思う。
  ここらへんは、当然元がアーケードゲームだからではあるんだろう。 操作がデジタルってのはもちろん、1つの画面での対戦を第一に考えなくてはならないってのも、今のアーケードゲームとしては当然のこと。 でも、(アーケード版の時点で人気作ではなかったわけだし)そんなのはプレイする側にとっては何の意味もないわけで。 1人用のワールドツアーを設けたわけだし、 1人プレイ(あるいは2人協力プレイ)に特化した視点を用意しても良かったんじゃないだろうか。 あるいは、コートの全景が見えるような引いた視点であるとか。

  対戦モノのスポーツゲームとしては、基本的にバランス良くできてるのは間違いない。 ただ細かいところで気になったのは、トスワークが単純で、パートナーが今いる場所に向かってトスを上げるだけなこと。 どうしてもCPU任せになってしまう部分があって、大味に感じられる要因のひとつと思われる。 とは言え、ビーチバレーってそんなに凝ったトスワークはしないものなのかな?
  吹っ飛ばされた選手の復帰が遅いのも気になるところで、きわどい球をなんとか拾ったのに残りの選手が倒れたまんまなんていう状況が目立つ。 復帰を早くする代わりに全体的なボールの動きを速くするといった調整もアリかと思うんだけどな。

  条件をクリアすることでパーツが増えたりもするのに、 ワールドツアーで一度選手を作ってしまうと、水着が替えられないというのは、地味ながらもかなり謎な仕様。 せっかく水着が増えても、ワールドツアーを1から始めないとそれが使えないんじゃなぁ・・・。 ワールドツアーは結構長丁場なわけで、気分転換にもなったろうに。


  第一印象は「大味かも」で、アーケードをラクにクリアしてワールドツアーを始めたら「いや意外と奥が深いかも」と上方修正となったものの、 ワールドツアー総合1位を達成し、ブラジル以外にはまず負けなくなった頃には「でもやっぱり大味かも」にやや下方修正。 なかなかの佳作ではあるんだけど、ギクシャクした操作感が最後まで手に馴染まず、いまいちハマりきれなかった。
  元がアーケードゲームであることが足を引っ張ってる、 つまり、アーケード版に要素を追加するだけではダメという状況が生まれるようになったことに軽い驚きを感じたし、 作る側もそこを認識しないと、家庭用機のゲームとして良作にはなりえないだろう。

2002年8月19日記載