REPORTクレイジータクシー3 ハイローラー
Xbox
2002年7月25日発売発売:セガ  開発:ヒットメーカー  

  アーケードゲームとしてスマッシュヒットした初代から、DCに移植され、DCで『2』が作られ、 さらにPS2とGCにも『1』が移植された人気シリーズの最新作は、Xboxでの登場ということになった。


  当然のように基本的な路線は今までのものをそのまま継承しており、 箱庭的なマップの中をタクシーで走り回り、客を見つけては止まって客を乗せ、その客の目的地まで連れて行き、また客を探し・・・というものだ。
  前作、前々作は共に2コースずつだったんだけど、今作に収録されているコースはリメイク2コース+新作1コースで全3コース。 この3のオリジナルコースが「GLITTER OASIS(以後GO)」で、夜のラスベガスを舞台にしたコース。 きらびやかな市街地と、岩山、渓谷、川などの自然が残る部分とが組み合わさっていて、その広さはシリーズ中最大。 「SMALL APPLE(以後SA)」は2の小さい方のステージで、これも今回は夜が舞台になった。ビル街のネオンが美しい。 「WEST COAST(以後WC)」1の、というかアーケード版からあった初代のコースで、 前作からできるようになった「CRAZY HOP」(要するにジャンプ)への対応もあって、 移動の自由度が上がり、いたるところに裏道が追加されたので、そのプレイ感覚は意外に新鮮
  お約束のミニゲーム集「CRAZY X」も良好。 今回は全25のミニゲームが収録されていて、相変わらずヌルくない難易度。特に、最高記録を目指すとなると、相当なやり込みが必要になってくる。 また、それぞれのコースを丸ごと使った最後の3つのゲーム、その中でもGOとSAを舞台にしたものは、 クリアするためには必然的にそのステージのマップを把握しなければならず、クリアできるようになれば自然と、それらのステージの腕も上達するというもの。
  システム的な細かい変更点といえば、 クレイジードリフトやクレイジーダッシュをすると炎を巻き上げるようなエフェクトが発生するようになったことと、 これまでも隠し要素としては使えた、目的地点までの方向を直接指す青矢印が、 白ボタンを押すことでいつでも通常の矢印(CPU推奨ルートの方向を示している)と切り替えられるようになったことくらい。 共にゲームをわかりやすくしてるナイスな要素だし、 特に後者のお陰で、あまりマップを憶えてない状態でもアドリブ的にプレイできるようになった。

  元々リアルとはまた違った絵の質感を持つシリーズということもあってか、 グラフィックそのものに大きな進歩はなく、特にWCなんかは、ほとんどそのまんまPS2やGCでも再現できそう。 その割に、背景でビルが突然出現するのが目立ったり、車がいきなり出現したりってのが目立つというのはいただけない。
  さらに、場所によっては確定的に処理落ちするシーンもちょいちょいある (逆に言うと、そこかしこで頻繁に処理落ちするってわけではないのだが)。 おそらく、建物や背景が突然現われるのは処理落ちを減らすための仕様だと思うんだけど、 だとしたらもうちょっと調整に手間をかけて、普通にプレイしてる分には気にならない程度に処理落ちを減らしてほしかった。 っていうか、調整にもっと手間をかければ、両方とも軽減できるんじゃないかと思うんだけどなぁ・・・。

  もっとも、この建物・車の唐突な出現と処理落ちが結構大きなマイナスにも関わらず、ゲーム全体としては非常に好印象となっている。
  何より良いのが、3つのコースにメリハリがあるっていうところだろう。
  グラフィックにに大きな進歩がないと書いたけど、夜を舞台にした2つのマップでは、 自車のヘッドライトなどのエフェクトが地味に綺麗だし、対向車のヘッドライトやビル街の窓など、あらゆる光に残像が付いていて、 これらによって夜の雰囲気が上手に再現されている。
  GOはラスベガスのゴージャスな雰囲気で、SAは夜のビル街、 残るWCは、当然、青い空&青い海というあの初代の雰囲気ということで、その雰囲気にもメリハリがある。
  ノリの良いBGMは相変わらずで、 特に、今回から参加となったSILVER BULLITの、Bad Religionをさらにひと回り重くしたような感じのサウンドはグッド。 ちなみに今回はコースごとに、WCならThe Offspring、SAならBad Religion、GOならSILVER BULLITということになっていて(これらはオプションで変更可)、 BGMによるメリハリも生まれた。
  さらに、それぞれのコースでゲームのテイストが微妙に違うというのも良い。 前作のコースは比較的平面的だったもんで、CRAZY HOPがなかなか爽快感に繋がらないところがあったんだけど、 今作のWCとGOは高さのメリハリが効いたマップなだけに、CRAZY HOPがわかり易い爽快感に繋がってると思う。 WCは周回コースという形でわかり易い面白さがあるし、GOには派手なショートカット重視で広大なマップを走り回る面白さが。 そして、残るSAは前作同様、目的地をガッチリと覚えないと攻略が難しく、それこそ本物のタクシー運転のような面白さがあるわけだ。
  また、特にWCを走ってると、初代とは、随分と車の挙動が変化したというのがよくわかる。 若干車体が重たくなったというか安定感が増した感じで、初代の暴れまわるような感覚の方が好きという人もいるらしいけど、 自分としてはプレイすればするほど今作の方が好きになっていった。
  新キャラ&車もパンチが効いててナイスだし、コース別に3種類用意されているアドバタイズデモも、非常にカッコいい。

  ちなみに、個人的にグラフィック的な難点以上に気になったのがCRAZY Xの仕様。 クオリファイ(デフォルトで3位に入る記録)をクリアした結果を出したあとのメニューにリトライという項目がないので、 リトライするにはまた種目選択で選択し、ローディングが挟まれることにって、 バカにならないロード時間があるので、この繰り返しプレイは結構ストレスになる。 単純に、競技をクリアした後にもリトライできるようにすればいいだけ(当然、リトライにはローディング時間は無い)のことなので、非常に納得がいかない。


  元々、『クレイジータクシー』の新作ということで、安パイ的な信頼感はあったんだけど、 その期待をひと回り超える程度に面白かった。 調整に時間をかければもっと良くなったんじゃないかとは思うものの、現時点でも非常にクオリティの高い一本だろう。
  相変わらずシンプルながらも奥深く、結構長く楽しめるゲームだし、 前作よりは間口が広いのでいきなり今作をプレイしてもOKだとは思うんだけど、 ミニゲームの難易度はやや高めなので、初代くらいは先にプレイして基本操作を習得しておいた方が良いかも。 それでも大したマンネリ感はないだろうし。

2002年8月11日記載