REPORTNBAコートサイド2002
GAME CUBE
2002年3月29日発売発売:任天堂  開発:Left Field

  海外サイトなんかを見るとそこそこの評判を得ているバスケットゲームで、先日、安い新品を発見、どんなもんかいなとプレイしてみることにした。 ちなみに、開発のLeftFieldは64『エキサイトバイク64』を作ったところで、64で出ていたコレの前作は国内未発売。
  とりあえず、難易度Normalでも大体勝てるようになった状態でのレビューということに。 必然的に『NBA2K2』との比較が多くなるので、そちらのレビューも参照のこと。


  操作、モード、オプション内容などなど、基本的な作りはほぼ同じ。
  基本操作以外では、Lトリガーが「アドレナリン」という『NBA2K2』でのターボみたいな一時的なパワーアップ、 Rトリガーが攻めではバックダウン(ゴールに背を向ける)、守りでは手を広げて腰を落としたディフェンスになり、 この内容自体は『NBA2K2』とほぼ同様なんだけど、LRの役割が『NBA2K2』と真逆なのはマイッタ (いまだに、咄嗟に加速しようとして思わずバックダウンしてしまうことが)。 「『NBA2K』に合わせろよ!」とは言わないが、せめてLRを入れ替えられるようにしてくれい。
  『NBA2K』シリーズとは違って、オフェンス時に選手の切り替えを手動で行う操作は用意されておらず、 ボールを持ってる選手を操作するというのが基本になっている。 そんな中このゲームでは、パスを出したときにパスボタン(Bボタン)を押しっ放しにしておくと、 パスを出した後もその選手を操作し続けることができ、パスボタンを離した時にパスを貰うことができるという操作が用意されている。 ただし、ボタンを押しっぱなしの状態ではCPUはまともにオフェンスしてくれないので、 ワンツーパス(あるいはピック&ロール)的な使い方しかできないと思ってもらって間違いないはず。
  また、パスボタンを使わずに、Cスティックを入れた方向にいる選手にパスできるという操作もこのゲーム独自のものだろう。 それなりに素早いパス回しは可能なものの、『NBA2K』シリーズのような咄嗟に特定のポジションの選手にパスできるようなもんでもないので、それほど好印象ではない。 むしろCスティックの真価はディフェンス時の選手切り替えにあって、 『NBA2K』シリーズに比べると、ディフェンス時の選手切り替えは結構思い通りに行うことができる。 このゲームで唯一、自分が評価できるところといっても過言ではないな。
  ちなみに、意図的にパスカットするような操作は用意されていない。

  ゲームの流れは、『NBA2K2』に比べるとややモッサリとしたところがある。 オプションでゲームスピードを変えれば『NBA2K2』に近いテンポに変えることも可なんだけど、 そういうのを前提としてないゲームなだけに、実際にプレイするとなるとちょっとムリがある感じ。 まぁ、『NBA2K2』はテンポが早すぎると感じることもあるし、これは良し悪しというより好き好きってとこだろう。
  このゲーム独自の要素としては「モーメンタム(勢い)メーター」なるものがある。 これは良いプレイをするとメーターが上がり、シュートの成功率が上がったりするというもので、 その名の通り、バスケの試合中の勢いを再現したかったらしく、タイムアウトを取ることでメーターを下げ敵の勢いを削いだりすることもできる。 タイムアウトに戦略的な意味を持たせたところには一定の評価はできるんだけど、スポーツゲームはその競技をちゃんと再現できれば、 プレイヤーはそういう勢いを感じたりすることができるものだと思うので、こういう形で無理やり勢いを表現するという手法には賛成できない。 まぁ、それを実感するほどその効力が極端ってわけではないんで、さほどマイナスってわけでもないんだけど。

  このゲームのNBAを題材にしたバスケゲームとしてのイマイチさは、何よりFG%の異常な高さに象徴されていると思う。 当初はFG%が7割以上なんてこともあったし、CPUに勝てるようになってからも、相手のFG%が6割を切ってくれないんだよなぁ・・・。 試しにCPU同士で戦わせてみたらお互いにFG%が7割を超えるというあり得ない事態になった (実際の試合では4割台が普通で5割を超えたらデキすぎ)んで、 これはプレイがどうこうというよりも、こういうバランスになっているということなんだろう。
  ここまでになると、結果として云々ではなく、実際にプレイしていても違和感アリアリ。 とにかく、シュートの確率が良すぎる。
  シュートモーションの豊富さはこのゲームのひとつのウリらしく、 ダンクのモーションは多彩だし、レバーを入れながら、あるいはリングに正対してない状態でシュートを打つと、 ターンアラウンドからシュートを打ったり、横に流れながらシュートを打ったりと、自動的にバリエーション豊かなシュートモーションでシュートを打つ。 が、結局、これが足を引っ張ってしまってるんだろう。
  まず何より、このゲームはダンクしすぎ。アホなバスケゲームの典型だ。 リングに近い距離でシュートすると(よっぽどダンク能力の低い選手じゃない限り)自動的にダンクになってしまい、敵がいようがお構い無しで強引にダンクシュート。 で、それをブロックすることはほぼ不可能。
  また、通常のジャンプシュート以外のシュートも、 ディフェンスシステムがそれに対応できてない感じ(ゴールテンディングの多さもそれを象徴してると思う)で、異常に成功率が高い。
  そして通常のシュートでは、パススピードが遅めで、 シュートモーションがモッサリしてる割に選手の動きが速いので、選手がフリーでシュートを打つような場面はほぼ皆無になってる。 このゲーム、中間距離で普通にジャンプシュートする機会が本当に少ない。 でも、その成功率ですらそんなに低いわけじゃないし、3ptシュートも、どフリーの状態じゃなくても、かなり確率良く入ってしまう印象。
  個人的に、『NBA2K』シリーズが革新的だったのは、 フリーの選手にシュートをさせることが勝利に繋がるバランスになっていたところにあると思っている。 フリーの選手を見つけること、作ることが勝利に繋がるし、それはまさにNBAの試合そのものだと思う。 そういうモノが感じられない本作は、味方CPUのディフェンスもザルで、とにかくディフェンスが機能してないし、 オフェンスにしても、オフェンスが機能している結果として点が入ってるという気はしない。 要するに、前時代的なバスケゲームっぽいノーガードの打ち合いになりがち
  高いFG%の結果としてリバウンドの数は少なくなるし、 ディフェンスが機能しないとなると、一旦敵にリードされると、敵に追いつくことが難しくなる。

  CPUにバイオレーション(アウト・オブ・バウンズ、3秒バイオレーション、バックコートバイオレーションなど) が多いのもこのゲームの完成度の低さを象徴していると思う。 コートサイドでシュートを打とうとしてスピンムーブをしたときにアウト・オブ・バウンズなんてのも多く、 前述の通り、シュートモーションの多彩さに対応できてない結果だろう。
  他にも、リバウンド時の動きがウソ臭い(空中でボールに吸い付くように動くことがある)、 スティールのタイミングがウソ臭い(実際にボールを叩いてスティールしてるとは思えない)などなど。

  ファウルが少なすぎってのは、『NBA2K2』同様の問題点。 テンポ重視なのは分かるけど、リアリティ重視でプレイしたい人もいるんだから、ここらへんはオプションで変更可にしてほしかったところ。 しかも、このゲームはインテンショナルファウルができないので、タイムアウト以外では思ったように選手交代ができなすぎる印象も (ちなみに、ゲーム終盤で自動的にファウルゲームを行うことはある)。
  機会が少ないからさほど気にはならないものの、フリースローはテンポが悪い。 フリースロー失敗からリバウンドっていう流れもぎこちない。 フリースローのシステムがシンプルなのはいいんだけど、これはこれで成功率が高すぎるな。 これは『NBA2K』シリーズでも思ったんだけど、フリースローを完全にCPU任せにできるようなオプションが欲しかった。
  総得点が実際の試合に近くなる1クォーター9分(ちなみに、実際の試合では12分)という設定でプレイしてみたんだけど、 実際にプレイした試合結果の数字としては、前述の通り、FG%が異常に高く、リバウンドは少なめ、 シュートモーションがモッサリしてて、なかなかパスからシュートとならないので、アシストも少なめで、ファウルとブロックも少なめ。 また、シーズンモードでの他チームの各種成績もウソ臭すぎで、 平均得点、リバウンド、アシスト、ブロックなどなど異常に多すぎるし(平均得点が150点を超えてるとか)、 スターターと控えの差も大きすぎな傾向が。 自チームのFG%が高くて(といっても5割を超えた程度)ブロックとファウルがやや少ないのを除けば、 かなり本物っぽい数字が残った『NBA2K2』とは、エラい差がある。

  グラフィックはさすがに上々で、観客席の描写は細かいし、特に、選手の顔は『NBA2K2』より遥かに似てる。 ただ、その代わりにというか、なんか生気が感じられなかったり(表情変化が乏しく目が死んでる)、 ショートリプレイのカメラワークも地味、さらに個々のモーションは悪くないのにその繋ぎが雑なところがあるので、総合的には案外見栄えしない印象。
  実況は、自分にもわかるレベルでのイマイチさ。 バリエーション不足で、そのフォローのつもりか、その選手の経歴を説明しだしたりするんだけど、それもなんとも場違い。 観衆の声援も若干メリハリに欠ける気がする。
  細かいところでは、試合後にMVPが選出されるんだけど、 敗退チームからMVPが選ばれることがあるのはどうかと思った。 各種のメニューの開くときの演出が、ややテンポを悪くしてるのもマイナス。

  モードは各種揃ってる。 選手のラインナップを変更することもできるし、シーズン開始前にFantasyDraftを行って全く架空のラインナップでシーズンをプレイすることも可。
  架空選手を作ることも可能(ただし、パーツは少なめ)で、このゲームのエディット選手で変わってるのは、成長要素があるという点。 エディット選手を試合で使って活躍すると、その活躍に応じて能力ポイントが得られ、それによってその選手の能力を上げることができるというもの。 ただ、シーズンモードと絡んだ要素ではなく、使えば使うだけ成長してっちゃうもんだし、そもそもNBAのバスケゲームとしてはあまり嬉しい要素とは思えない。
  そんな中、「ArcadePlay」は単に屋外コートでプレイする3on3モードではなく、 ダンク時のジャンプが高くなってたり、相手のダンクもガシガシブロックできたりという、 昔ゲーセンにあった『NBA JAM』を3on3にしたようなモードになっている。 モーメンタムの移行が激しかったり、コート内に出現する「ホットスポット」からシュートするとボーナス点が入ったりという、 ゲームゲームしたモードで、対戦なら結構面白いかもしんない。

  ちなみに、ローカライズは皆無。 説明書には日本語に訳したメッセージ一覧が載ってるし、個人的にはさほど気にはならないけど、天下の任天堂なわけだし、 各種の警告メッセージくらいは日本語にしてもらいたかったところではある。


  まぁ、とりあえず、NBAファンなら避けといた方がいいゲームだろう。 ひと世代前のバスケゲームのグラフィックが綺麗になったバージョンって感じで、 (少なくともNBAのゲームとしては)グラフィックを除けば相当悲惨な内容だと思うんだけど、 バスケゲームってこのくらいのものが標準的なんだろうか?
  この際、せっかくだからEAの『NBA Live 2002』もプレイしてみようかね。 本当は、マイクロソフトのXB『NBA Inside Drive 2002』(国内未発売)をプレイしてみたいんだけどな・・・。

2002年8月27日記載