REPORTリモートコントロールダンディ
PlayStation
1999年7月22日発売発売:ヒューマン  

  売上げはそれほどでもなかったものの、一部で埋もれた傑作的な評価を受けているこのソフト。 なんとなくプレイする機会を逃してたんだけど、 この8月末にその後継的なソフトであるPS2『ギガンティックドライブ』が発売されるということで、せっかくだからとプレイすることにしてみた。


  世界最大の財閥である王座財閥総帥の御曹司「王座 守」(12歳)が主人公。 突然世界各地に全長50mの巨大ロボットが出現し、破壊活動を繰り広げる中、 その王座財閥は新興都市「鶏野」に巨大ロボット撃退を目的とした株式会社「鶏野警備隊」を設立。 守に巨大ロボに対抗する巨大ロボ「ヴォーダン」のコントローラーが渡され、 鶏野警備隊のオーナーとして巨大ロボの脅威から鶏野を守べく戦い始めるのだった・・・というのがゲームの導入。

  ゲームの流れとしては、まずそのミッションのサブタイトルが示され、 出動までの経緯を語る「ストーリーパート」の後、実際にロボットを操作するミッションに入る。

  ストーリーパートでは、巨大ロボットを操る少年主人公、それをサポートする女性参謀、博士、 守と同年代の女の子のオペレーター、さらに守が鶏野で通うことになる学校などを舞台に、 ベタな展開満載のいかにもスーパーロボットなストーリーが語られる。
  ただ、説明不足が目立ったり、思わせぶりな伏線がアッサリと終わってしまったりと、その内容は薄っぺらい。 また、バストアップ(というかこのゲームでは膝上だけど)キャラによるフルボイスの紙芝居といった感じで進行していき、 そのバストアップのキャラがちゃんとアニメーションするところはポイントが高いものの、逆にそのせいでかテンポが悪くなってるところがある。 内容が薄いにも関わらず、テンポが悪いのでタチが悪い。
  自分は警備会社のオーナーということで、ミッションで建物を破壊してしまうとその分が賠償金としてマイナスとなったり、 鶏野市民の評判が悪くなったりする一方、ミッションをこなした報酬でロボを強化したり、資金を使ってCMを流して評判を上げたりもできる。 ここらへんは、ゲーム的な要素というよりも雰囲気的な要素といったところで、 自分の場合、その評判の良し悪しでどう変わるのかはわからなかったし、お金のマネイジメントで何らかの工夫が必要と思える機会もなかった。
  例えば、ストーリーパートをADV的にするであるとか、会社経営をちゃんとゲームにするとかも考えられるんだけど、 そうしたところで本編のロボ操作パートがそれに見合うものになれるとは思わないし、 ロボット操作をメインに据えたゲームという意味では、こういう形になるのはやむを得ないことだろう。

  というわけで、肝心のロボットを操作するパートについて。
  操作系はかなり独特。 ロボの操作はR1・R2で右足の前後、L1・L2で左足の前後というのが基本で、R1、L1を交互に押すことで歩いていく。 R1・R2の同時押しで右旋回、L1・L2で左旋回、R2・L2でしゃがみ、しゃがみ状態でR1・L1でジャンプ、R1・R2・L1・L2同時押しでガード。 そして、○で右パンチ、十字キーで上半身を動かし、□で左パンチ、○で右パンチとなっている。 加えて、上半身を前に倒して、体を起こしながらパンチでアッパーが打てたり、 R1・L1の同時押しで行う決めポーズの後にパンチでロケットパンチを出したりで戦っていくわけだ。 デカくて重たい機体を、ガッチョンガッチョンと動かす操作感は、確かになかなか楽しいものがある。
  ただ、このゲームでもっと重要なのは、守がロボを遠隔操作するというところあって、 守も操作しなければならないということになる。 守の操作は、十字キーで前進後退左右旋回、R1・L1で左右平行移動で、セレクトボタンで、ロボ操作と守操作を切り替えながらゲームを進めていく。 守を操作しなければならないというのは、まず守の視点でゲームが進行するからというのが第一で、なるたけロボを操作し易い視点を確保することが重要になってくるわけだ。 さらに、遠隔操作できる範囲は広くないので、ある程度ロボの進攻に守をついていかせる必要があるし、 ロボットに踏まれたり車に轢かれたりという危機から守を避けさせるという要素もある。
  確かに、守視点でゲームが進行するからこそ、ロボのスケール感が実感できるというのも事実。
  そして、実はこのゲーム、ロボの操作自体に大した面白みはないと思う。 足の運びはビミョーに自動化されてる部分があって、確かに操作に慣れていく過程は楽しめるんだけど、慣れたらそれまで。 そこからロボの動きが洗練されていくような感じは全く受けない。 ゲームの大部分を占めることになる敵巨大ロボとの戦闘も大味なだけで、あまり攻防の面白みはない。 左右平行移動のようなものがないし、飛び道具を筆頭に相手の攻撃を避けるという要素が薄く、ガードしては攻撃を繰り返すだけ。 当たり判定も大雑把なところがある。
  このゲームの攻略のキモとしては、自ロボと敵ロボの位置関係(お互いの向いている方向&距離感)を 第三者視点からどう把握するかが全てといっても過言ではないし、実は、それ以外に大したゲーム性があるわけじゃない。 守を動かしてわかり易い視点を確保する、とは言うものの、PSの表現力の限界もあって、そういう位置関係の理解には限界を感じるわけで、 どうにもならんところに一番のゲームのキモがあるとなっては、大味と言わざるを得ないし、肝心の上達感が感じられないということになる。 せめて、レーダーに自ロボと敵ロボの向いてる方向を示すくらいのフォローは欲しかったところだ。
  そういったミッションそのものの面白みが欠けた部分をフォローするべく、 ゲームを通した全体のバランスからすると多すぎると感じられる4体もの味方ロボットを登場させて、バリエーションをつけようとしたんだろう。
  また、せめて、ロボと守を同時に動かせればゲーム的に面白かったかなとは思うんだけど、 (デュアルショックならまだしも)PS1のコントローラーではムリだわなぁ。

  PSのゲームなんだけども、グラフィックの質自体は特に問題とは感じなかった。 見える範囲の狭さ、判定の大味さなどはいかんともしがたいものの、街並みは細かく描けてると思うし、 エフェクトの使い方も上手く、海面もちゃんとうねってたりと芸も細かい。


  一発ネタとしてはアリだと思うけど、 何よりロボの操作そのものを楽しむゲームを期待していた自分には、ゲームとしてそこまでの面白さは感じられなかった。 あくまでも、巨大ロボを遠隔操作するっていうシチュエーションに燃えられてナンボなゲームなんだろう。
  ちなみに、予想以上にアニメ色の強いゲームなんだけど、 タイトルといい、パッケージといい、当時のTVCMといい、そういう色を上手に消していた・・・というか、 結果からすると的外れな広告戦略を取ったとしか思えない。 もっとスーパーロボットな部分でアピールして、そういう層を取り込むような方向性にすれば、もうちょっと売れてたんじゃないかねぇ。 あるいは、今度の『ギガンディックドライブ』はそこらへんの反省の上で作られてるのかもしれないけど、 これはこれでまたちょっとズレてるような気がしないでもない。

2002年8月22日記載