REPORTサルゲッチュ2
PlayStation2
2002年7月18日発売発売:SCE  

  前作PS『サルゲッチュ』は、デュアルショック専用のアクションゲームとして発売され、 出だしは地味ながらも、デキの良さとデュアルショックの普及によってロングヒット、結局、ベスト版も含めると65万本というヒット作になった。 自分としても、PSで最も遊べるアクションゲームのひとつだと思うし、続編のこの『サルゲッチュ2』が出るという話を聞いたときは、 間違いなくPS2で最も遊べるアクションゲームになるんだろうと期待していたんだけど、 同じようなジャンルのGC『マリオサンシャイン』と同日発売だったので、そちらを先にプレイし、やや遅ればせながらのプレイということになった。


  とりあえず、PS2『ピポサル2001』とは違って、 前作の真っ当な続編という感じで、ほぼまんまのゲーム内容と思ってもらって間違いないはず。
  またサル達の間にピポヘルが流出し、知性化した「スペクター」がサルを率いて世界征服を企む。 今回サルを集めることになる主人公は「ヒカル」(前作の主人公カケルのいとこ)、それをサポートするのは前作同様「ナツミ」と「ハカセ」。 最後には前作と同じような流れでまた宇宙に、と。 ただ、主人公ヒカルの気性が割と穏やかなこともあってか、前作ほどコロコロチックなノリが鼻につくことはなかったな。 ノリという意味では、丁度『サルゲッチュ』と『ピポサル2001』を足して割ったような感じかもしれない。

  基本的な操作感覚は比較的一連の任天堂の3Dアクションゲームに近く、 「ガチャメカ」という色んな装備を駆使しながら、ステージに散らばったサルを捕まえていく。 ガチャメカの使用は右スティック、ジャンプはRボタンで行うので、両スティックとRLボタンに指を添える形が基本となり、 ○×△□ボタンはガチャメカのショートカットに割り当てられている、と。
  ショートカットには攻撃する「メカボー」とサルを捕獲する「ゲットアミ」はほぼ常備することになるので、 結局、残りの2ボタンのガチャメカの割り当てを頻繁に変えながら進めることになり、この切り替えが面倒というのが前作での不満点のひとつ。 で、今回は、使用中のアイテムのボタンを押す度に他のガチャメカがそのボタンに設定されるというフォローが追加された。 確かに、ゲームをストップせずにショートカットを替えられるというのは嬉しいんだけど、最終的に11種類にもなるガチャメカをボタンひとつで替えるというのはムリがある (ボタン連打して狙ったアイテムを過ぎてまたボタン連打して・・・とか)。 やはり、ゲットアミは別枠で容易して欲しかったな(Rボタンの片方が空いてるわけだし)。
  視点操作は前作同様、L1でいわゆるカメラリセット、L2で主観視点、十字キーで手動のカメラ操作。 ボタンを多用するこのゲームの性質上、カメラリセットだけでゲームを進めなければならないというはやむを得ないところだし、 通常の自動調整される視点は、前作よりかはマシになってると思う。 それでも全体的に視線が低く距離感が掴み辛いとも思うし、各ボス戦では視点操作が不可になる割に、その自動調整される視点がイマイチだったりするんだけども。
  水中での操作も改善。 左スティック押し込みで潜るという変わった操作だったのが、今作では右スティックの上下で浮き沈みとなった。 しかし、確かに、好きなときに浮いていけるのは嬉しいんだけど、右スティックの上下が向きの変化を兼ねていることもあって、水中の的を狙おうとすると、 左スティックの左右と右スティックの上下で向きを操作することになって、かなり混乱してしまう。 どうせなら、水中ではスティックを入れた方向にキャラが進むという操作にはこだわらず、 視点をキャラの背後に固定するなり、ラジコン的な操作にするなりした方がわかりやすかったんじゃないだろうか。
  また、歩きながらR1+R2で前方にダイブという新アクションが登場したものの、使う機会は皆無だった。
  操作面での改悪と思われるのは唯一、ジャンプの高さが低くなってしまったことくらい。 よって、2段ジャンプを強要される場面が増えてしまい、若干テンポを崩してる。

  ガチャメカは前作で登場した8種に加え、「バナナブーメラン」「ミズデッポー」「マグネッター」の3つが追加。 前の二つは決められた場所で使うだけといった色が強くイマイチ。 ただでさえガチャメカ選択には面倒なところがあるので、必要ないというよりも無い方が良かった。 マグネッターは、磁石マークの付いた鉄を引き付けるor自分がそこに引っ付くというもので、アクションに絡んだところもあるので、これはまぁアリかな。 右スティックで操作するというのが一番生きてて面白みがあった「メカヨンク」は、若干活躍の場が減ってしまった。残念。
  サルはより個性的になって、パンツの色による性格分けだけじゃなく、 どのパンツにも属さない個性的なサルがちょいちょいと配置された。 また、スペクター軍団の幹部的な位置付けのエリートサル部隊「グレート戦隊ウッキーファイブ」が登場。 その名の通り、レッド、ブルーといった戦隊ノリの5匹で、彼等が道中のボスステージではボスとして登場し、 その登場シーンはどれもよく動いてよく喋って、なかなか笑える。
  前作同様、とりあえず全ステージをクリア(提示された数のサルを捕獲)すると話がひと段落して、 全ステージを完全クリア(そのステージにいる全てのサルを捕獲)するとラスボス戦に突入するという形。 また、一度クリアしたステージでは、金銀銅3段階の評価があるタイムアタックがプレイ可。 これはステージを通してプレイするものではなく、大体4、5匹のサルを集めるというステージ序盤だけのダイジェストで、概ね1分前後、長くても2分程度のもの。 ゴールドクラスをゲットする基準も比較的甘く、何度も試行錯誤するようなステージはほとんどない。
  今回、ステージ内で「ガチャチップ」なるものを得ることができ(ステージに入る度に復活するし、敵を倒したときに出現することも)、 これをお金のよう使う「ガチャボックス」でガチャガチャができる。 これによって写真、文書、サウンドテストの曲、ミニゲームなどがゲットできるという、 一応収集的な要素なんだけども、正直、鬱陶しいだけだったな(特にゲットしたときにいちいち表示される文書関係が鬱陶しい)。
  ミニゲームは3種類。 両スティックで行う『DDR』といった感じの音ゲー「ダンスでBON!」、5vs5のサッカー「フットサル」、 物理的にシビアに動く『ドンキーコングJr』といった感じの面クリア型アクションゲーム「ウッキークライマー」の3種。 それぞれ、結構遊べるものだけど、「ウッキークライマー」は操作が難しすぎでイマイチ。 両スティックを使ってツタを渡ってくっていうアイデアは良いんだけど、 左右反転して、右スティックで左側の腕を操作しなければならなくなったりするのがイタかった。 しかし、どうせならこれらもゲーム本編に絡めてほしかったな。

  で、このゲームの問題は、前作以上に悪化した物足りなさにある。 ステージは箱庭っぽい作りが薄れ、一本道っぽい感じが強まってしまったし、ステージ進行に合わせてガチャメカが増えていくので、 全てのステージをクリアする前に以前のステージをプレイし直すことには意味がないし、 後に手に入るガチャメカによって行動範囲が広がるような仕掛けもほとんど無かったはず。 前作ではパズル色が弱い分、シビアなアクションが求めらることがあったんだけど、 今回はそういうシビアなアクションが求められる機会も激減(もちろんパズル色も薄い)。 工夫してサルを捕まえるというシーンも前作以上に減っちゃったように思うし、前作では結構歯ごたえがあったボス戦も、本作でてこずるのはラスボスくらいのもの。
  前作のスペクターコインのような、サル捕獲以外の要素がなくなっちゃったのもイタい。 自分の場合、全ステージクリアの時点でプレイ時間は約5時間、エンディングを迎えた時のプレイ時間は約8時間、 その後、ミニゲームをちょっとプレイして、ガチャガチャでアイテムを集めて、各ステージのタイムアタックでゴールドクラスをゲットした時点で約12時間だった (タイムアタックだけに絞れば、おそらく10時間ちょいで終わってたはず)。
  つまり、ヌルい上にボリューム不足特に前作をクリア済みの人間にとっては、こりゃいくらなんでもあんまり。 安易に“子供向け=平易”と考えた典型的な悪例だろう。 “『ピポサル2001』は別モノの番外編だった”とは思ってるんだけど、 このゲームのテイストは、意外にも『サルゲッチュ』と『ピポサル2001』の中間という印象だったりする。

  グラフィックは結構綺麗な部類のはずなんだけど、良くも悪くも小綺麗という感じで、サッパリというかアッサリというか。 まぁ、その分、60fpsで安定してるのは嬉しい。 サルという濃いキャラに反して、全体的に淡い色調になっちゃってることによって、 ステージそのものはバラエティ豊かなのにも関わらず、意外に地味な印象になっちゃってるってのもあるし、 見える範囲は結構広いはずなのに広さや高さの感じさせ方がヘタっぴなところがあったり、 スピード感にメリハリのある仕掛けが少なかったりと、演出的なパンチ不足もそういう印象の原因だろう。
  前作ではリアルタイムポリゴンで頑張っていたイベントシーンなんだけども、 今回は概ねプリレンダのCGムービーとなった。 で、それがなんだかイマイチ。 ナツミにしてもヒカルにしても、ポリゴンキャラの方が可愛く見えるんだよなぁ。 ムービーを使うにしても、ゲーム中と同じモデリングのキャラを使うような方向性のほうがベターだったように思う。 角を取ってポリゴン臭さをなくせば良くなるってもんじゃないだろう。
  CMでも使われているテーマソングは異常に耳に残る。グッド。
  細かいところでは、 両スティックとLRキーに指を添える状態を基本とするのであれば、 メニュー関係の決定・キャンセルも全てLRキーでも操作できるようにすべきだったろう。 また、前作に比べると、体力回復のクッキーが出現し難くなっている (一応、体力が少ないときには出現率が上がる)ので、 そうであるなら、せめてステージ開始時には体力が全快するような形にしてほしかった。 あと、サルレーダー使用時に主観視点に以降できないのも、地味ながらも結構ストレスだったな。


  当初は間違いなくPS2で最も遊べるアクションゲームになるんだろうと期待していたんだけど、 終わってみれば、新鮮さがあった分『ジャック×ダクスター』の方がむしろ好印象と思える程。
  ただ、前作同様、丁寧に作られた良作だとは思うし、アクションゲームが不作のPS2においては (って、ここまでのところはGCにしても誉められたもんじゃないが)貴重な一本として支持せざるを得ない。 『ジャック』はオマケでオススメマークを付けたんだけど、これは泣く泣くオススメマークを付けとくって感じだよ・・・。

2002年8月22日記載