REPORT斑鳩 IKARUGA
Dreamcast
2002年9月5日発売発売:トレジャー  

  トレジャーにとしては『レディアントシルバーガン』以来のアーケードゲーム2作目で、 タイトル前に「Project RS-2」と表示されることからも分かる通り、 その『シルバーガン』の流れを引き継ぐ縦スクロールシューティングゲームになっている。
  元のAC版は1回だけプレイしたんだけど、その『シルバーガン』よりは好印象。 さらに、「この時期にDCで縦シューを出すか!」ってなもんで、サックリと購入してみたわけ。 とりあえず、イージーのワンコインクリアを達成してのレビューなので、 当然の如く、ノーマルをワンコインクリアして出現するエキスパートモードは未プレイ。


  このゲーム最大の特徴は「属性」だ。 あらゆる敵が黒か白の属性を持っていて、その属性(色)の弾を出してくる。また、属性変更ボタンを押す度に、自機の属性が黒から白、白から黒へと変わる。 そして、同属性の敵弾がヒットしてもミスにならず、その敵弾を吸収して「パワーゲージ」が溜まっていき、 逆属性のショットで攻撃すると、敵に対して2倍のダメージが与えられるというのが基本。 ノーマル難易度では、同属性の攻撃で敵を破壊すると自機に対して撃ち返し弾を放ってくる。
  ちなみに、ショットボタンと属性変更ボタンを同時押しすると、 パワーゲージの溜まっている量に比例した数のホーミング弾を出す「力の解放」を使うことができるものの、いわゆるボム的な緊急回避的な性能は皆無になっている。
  この同色の弾に当たっても死なない、というか、死なないために同色の属性に変えるってのは、非常に斬新な要素で、感覚的にも慣れが必要。 つまり、ここにこれまでのシューティングゲームにはなかった上達の余地があるということになり、 プレイを重ねるにつれ心地良い上達感が得られるというのが、このゲームの何よりナイスなポイント。
  稼ぎのシステムは『シルバーガン』を継承したところがあって、 同属性の敵を3つ連続で倒すとチェーンボーナスが入り、それを続けることによってチェーンボーナスが倍々になっていく(最初は100点で最大25600点)。 そして、チェーンが途切れると、またチェーンボーナスは100点になる。
  ショットボタンはフルオート連射だし、ゲームのテンポも特に遅いわけじゃないんで、アドリブで狙って稼いでいくのはかなりムリがある感じ。 パターン作りに興味がない自分的には、ほとんどパス。 このシステムって本来は、もうちょっとテンポが遅めで、もっと一発一発敵を狙っていくタイプのシューティング向きだと思うんだけどな。
  ステージは全5面とやや少なめ。 序盤では地形は皆無でとっつき易い作りになってるものの、段々と当たり判定のある地形が出現していく。 特に第4ステージは、撃ち返し弾を戦略的に調整していくこと(敵をむやみに攻撃しないこと)が重要になり、一気にパズル色が強くなる。 というか、最終ステージではまたそういう色が薄れてしまうので、4面だけが浮いてる感じがしないでもない。 よって、欲を言えば、3ステージと4ステージの間に、もっとゲーム的に段階を踏んでいけるようなステージが1つ2つあったら良かったんじゃないかとは思う。
  稼ぎにしろノーマルの終盤にしろ、かなりパターン色の強いシューティングなのは間違いないんだけど、 難易度イージーでは撃ち返し弾が無いので、比較的普通のシューティングライクに楽しめるというのが、このゲームの懐の深さ。 そういうパズル色を前面に押し出した第4ステージはダレてしまうところがあるものの、イージーモードでも十分な面白みが感じられる。
  また、このゲームのパズル色を強めてるのは何より撃ち返し弾だと思うので、 個人的には、撃ち返し弾が無い形でもうちょっと煮詰められるゲームだったんじゃないかな、ってのはあるし、どう稼がせるかってのに囚われすぎな感があるのも確か。
  ボス戦は、ステージ数が少ない上に、攻撃パターンがあまり多彩じゃないってのはあるんだけど、どれも属性変化を使わせる工夫がされていて、上手く作られていると思う。

  これまでもポリゴンを使った2Dシューティングは数々あったけど、このゲームは描き込み具合、エフェクトの美しさ、演出が素晴らしく、 メカデザ、色調などに統一感があるので、それらの中でも絵的な印象はピカイチ。 一点、その絵的な統一感によってか、地形の当たり判定が見た目的に分かり難くなってるところがあるのは残念だけど。
  下手げにロックとかテクノとかではなく、重厚感がある真っ向勝負なBGMも文句なし。

  最後に家庭用機ゲームへの移植ということについて。
  まず前述の通り、イージー、ハードっていう難易度が追加されたってのが、何よりの追加だろう。 クレジットは(おそらくプレイ時間に応じて)徐々に増加していき、イージークリア、ノーマルクリアでギャラリーモードが出現、 イージー1コインクリアで、バックグラウンドストーリー付きのサウンドモードが出現、 ノーマル1コインクリアで、敵弾を吸収することでショットの弾数を得ていくというエキスパートモードが出現。 それぞれプレイ時間でも解除されるけどかなり長めに設定されてる(ちなみに、エキスパートモード出現の条件はプレイ時間が20時間以上)。 コンテニューを用いてのゴリ押しプレイでクリアしたら終了、ってことにならない工夫として、 こういう仕掛けは大歓迎。 まぁ欲を言えば、もうちょっと細かい区切りで多彩なオマケがほしかったところではあるけど。
  縦画面シューティングの移植ってことに関しては、 画面モードは2種の横画面モード(圧縮率80%or75%)&縦画面モードが用意されているだけで、 縦横比率や画面位置の調整はできないので、 PS2『サイヴァリア』なんかに比べると、若干物足りなさも感じる。 もっとも、このゲームは、自機が移動する範囲が大きい(状況によってはかなり前面に出て行くことになる)ので、画面位置は変えようがないか。 横画面ではどうやっても画面が100%は表示されないので、なるたけ早く敵の出現を察知したい稼ぎ、 ギリギリまで敵弾を見たい避け、共にマイナスになってしまうものの、ここらへんは縦画面シューティングの家庭用への移植ではやむを得ない部分だろう。
  そんな一方で、ローディングのストレスはほぼゼロ。ゲーム中にローディングを意識する機会は皆無といってもいい。 これに関しては、逆に「『サイヴァリア』はどういうことだったんじゃい!?」と思ってしまうな。


  元々パズル色の強いシューティングゲーム、地形のあるシューティングゲームは好きじゃないもんで、 突き詰めたところ(稼ぎ&ノーマル以上でのワンコインクリア)までは好きになりきれなかったってのはあるんだけど、 それでも、『レディアントシルバーガン』よりは随分と間口が広くなった印象だし、特にイージーモードの追加によって、あまりパズル色を意識せずにプレイできるのが良かった。 絵良し、音良しは基本として、さらに属性変更っていう要素によって、上達感が得られ易いナイスなシューティングに仕上がっていているので、十分以上に楽しめた。

【9/24追加】難易度イージー&ハードはアーケード版のときから存在していたとのこと。 とすると、もうちょっとオマケがあっても良かったかな?

2002年9月21日記載