REPORTバルダーズゲート ダークアライアンス
PlayStation2
2002年9月26日発売発売:PCCW  開発:Snowblind Studios  

  『バルダーズゲート』とは、PCで高い人気を得ていたテーブルトークRPG「AD&D」を元にして作られたRPG。 自分は未プレイなんだけど、話を聞く限りでは、丁度『ウルティマ』の延長線上にあるような作りらしく、 あくまでも“オンラインでもプレイできる”っていう感じで、 『Diablo』『Ultima Online』『Ever Quest』のようはオンライン第一のRPGではないそうな。
  で、この『バルダーズゲート ダークアライアンス』は、PS2オリジナルのアクションRPG。 PCの『バルダーズゲート』とは舞台&世界観が共通してるだけのようで、あまりゲーム的な関連性はないらしい。


  実際にプレイしてみると、その内容は“マップを固定した『Diablo』のオフライン特化版”といったところ。 つまり、DC『ロードス島戦記』と似たようなコンセプトで作られたゲームだと思われるんだけど、 より一層『Diablo』の影響が色濃く見える。
  ゲームは3つの章から構成されていて、そのそれぞれの章にショップがあってNPCがいたりという拠点となる場所があり、 そこからダンジョンに入って、どんどんダンジョンを進んでいく。 んで、ダンジョンの中で「リコールポーション」というアイテムを使うと瞬時に拠点にワープして戻り、 次はそのリコールを使った場所から冒険が再開できる(要するに、『Diablo』での魔法「Town Portal」に相当)。
  視点はクォータービュー気味の俯瞰視点で進行するし、 ちゃんとストーリーはあるけど、基本的には“ダンジョンを進め進め”だけのゲームと思って間違いない。 戦闘以外の仕掛けで特に面白いものはないし。
  難易度ノーマルでのクリア時間は10時間前後と、ある程度繰り返し遊ばせようという作りになっている。 最初に選べる難易度はイージー、ノーマル、ハードの3段階で、 一度クリアすると、セーブができないミニダンジョンでのタイムアタック的な内容の「ガントレットモード」が追加され、 そのガントレットモードをクリアすると、「エキストラハード」が出現。 このエキストラハードのみ、セーブデータのキャラ(ただし装備品は除く)を引き継いでプレイを始めることができる。 さらに、エキストラハードをクリアすると、ガントレットモードで使用した「ドリッツ」というキャラでゲームをプレイすることができるようになるという作り。 ちなみに自分の場合、アーチャーでノーマルをクリアし(約10時間)、それを引き継いでエキストラハードをクリアした(さらに約15時間)という状況。 ドリッツは武器が固定されててアビリティの数も少ないのでイマイチ面白みがないし、 そもそも育成や収集に面白みがあるゲームでもないんで、そこまで繰り返し遊べるようなゲームではないものの、 少なくとも難易度を変えて2回くらいは飽きずに遊べるゲームじゃないかな。

  プレイヤーはまず、人間でアーチャーの「バーン」、ドワーフ「クロムレッシュ」、 女エルフの魔法使い「アドリアーナ」という3人の中からプレイヤーキャラを選ぶことになる。
  プレイヤーが意図的に行える育成要素は、レベルアップ時に得られるポイントを消費して習得する「アビリティ」のみと言ってもいいと思う。 各種魔法(あるいは気力を消費して行う技)や、能力値の向上、それぞれの職業に見合ったスキルなど、 このアビリティのラインナップの差が、キャラクターの差別化ということになってるわけ。
  とはいえ、アビリティは各キャラ20個弱ほどで、その各種アビリティは最大でも5段階のレベルアップしかできないし、 レベルアップの機会があまり多くないゲーム(ちなみに、難易度ノーマルのクリア時はLv18だった)なこともあって、 育成に面白みがあるゲームとは言い難い。 ノーマル、エキストラハードとクリアすると、アビリティはほとんどMAX状態。

  基本的な操作感はクセが無く良好。 一応このゲームの戦闘の特色となると、 攻撃ボタン○を連打すると、武器によって違う連続攻撃を繰り出すというのと、R1ボタンでの防御がかなり効くということだろう。 連続攻撃といっても別に連続ヒットするわけじゃなく、コンボの最中でも攻撃を受けたりするし、 このゲームには命中率っていう概念があるので、必ずしも攻撃がヒットするわけじゃない。 で、このゲームでの敵の近接攻撃は、一部の特殊なものを除いて、正面から受ける限りは防御可でダメージを受けない。 よって、まず防御し、敵、自分の武器によって1、2発攻撃し、また防御し・・・というのが、大抵の場合のセオリーとなってきて、 これを守っていれば、1vs1である限りはザコ敵相手に苦労することはまずない。
  難易度が上がると単発でもかなりのダメージで、さらにこちらの攻撃のヒット率も下がるし、 ノーマル以下の難易度なら突っ込んで斬りまくりなんてことができたりもするけど、 近接攻撃は基本的に1体の敵にしかヒットしないし、多数の敵を相手に有効な攻撃手段はあんまり見当たらない、 つまり、1vs多よりも1vs1がメインに想定されているという感じが強いので、 なるたけ1vs1というシチュエーションを作ることが大事になってくる。 ここらへん、1vs多により特化した印象だったDC『ロードス島』とは好対照。
  そういう形だからか、近くの敵に勝手に目標をつけて攻撃するようになってるらしく、 時折、狙ってない敵を攻撃してしまうことがあるのが、かなり気になる。こういう補正は好かんなぁ。

  さらに、残念ながらアイテムにもあまりバリエーションがなかったりする。 何より、基本的な武器&防具にボーナスが付いたものだけしか存在せず、いわゆるユニークアイテムがないってのが残念。 防具は基本的な防具に最大+5までのボーナスが付加されるだけ(一応、重量が軽くなるというボーナスもあるにはある)だし、 リング、アミュレットなどは単純にステータスを上げるだけのものしかない。 バリエーションがシンプルなだけに、ショップで売ってるアイテムが結構使えちゃったりするのがなんとも・・・。
  章が変わって新しいショップに訪れたときに一気にパワーアップしてしまったりと、 意外に冒険中にアイテムをゲットする喜びが少ないゲームだったりするのが残念。
  言っちゃなんだけど、育成、戦闘、収集などの各要素に、特筆すべき面白みがあるわけじゃない。

  ただし、グラフィックは文句無く素晴らしい。間違いなく、このゲーム最大の美点だろう。 屋内に屋外と舞台は多彩で、質感の表現が上手いし、細かいオブジェまで実に描き込まれている。 一昔前ならプリレンダの一枚絵じゃないと表現できなかったレベル。 その上、光源処理もシッカリなされてて、陰影の感じも上手いので、全体的に非常に美しいものに仕上がっている。 また、池の中を歩くとそれに従って波が立つ(しかも、その波は壁にぶつかって跳ね返ったりもする)という 処理が行われてるのも驚きで、その波によって敵の存在がわかったりも。 敵キャラのモデリング&モーションもグッド。その上、ギザつき、チラつきも全く目立たない。 こういう俯瞰で見下ろすゲーム形式ってのがプラスに働いてる部分があるにしても、 グラフィックは間違いなく特級品。 単に綺麗というだけじゃなく、ファンタジックな世界を雰囲気良く表現できているので、それがゲームとしての長所になり得ているんだと思う。
  イベントシーンやNPCキャラとの会話時は、字幕付きの英語フルボイスで、口パクも含めて身振り手振り付き。 モーションとモーションの繋ぎはぎこちないものの、個々のモーションはなかなか凝ってて好印象。 セリフの内容も雰囲気があってナイス。 ただ、買い物のときだけ店主が日本語で語りかけるってのには違和感を感じたな。 ここだけ字幕が付いてなかったから、ってのはわからんではないんだけど、 別に重要なインフォメーションがあるわけでもないので、ここは英語のままの方でよかったんじゃないだろうか。

  細かいところでは、右スティック左右での視点の回転速度がちょっと遅めなのが気になるし、 自キャラが壁に隠れそうになると、真上から見るようになる自動調整も、 そのお陰で先が見えなくなる方が気になることもあったので、できれば右スティックの上下で手動で操作するようにしてほしかったな。
  また、小さな説明不足がチョイチョイ気になることも。 画面右上にミニマップを表示できるんだけど、全体図を見ることはできないし、方位を示すものがないので、 フとした瞬間に自分の進むべき方向を見失うことが。 さらに、ステータス関係、特に各種アイテムに付加されているボーナス能力についてはかなり説明不足なので (というか、ゲーム中ではまともに説明されていない)、ここらへんは説明書などでフォローがほしかったところ。

  ちなみに、途中参加という形(セーブデータのキャラを使うこともできる)で二人同時プレイが可能。 ただ、二人同時プレイができるようにこういう内容になったのか、 こういう内容だから二人同時プレイができるようにしたのかは知らんけど、どうせならもっと1人プレイに特化してほしかったなぁ。


  ゲーム的に特筆すべきものは皆無に近いんだけど、それは別につまらないということではないし、 素晴らしいグラフィックと和モノにはない雰囲気の良さで、それなりの価値は見出せるゲームだったと思う。
  っていうか、改めてDC『ロードス島』のアレンジっぷりの上手さを痛感したわけなんだけども。

2002年10月11日記載