REPORTマキシマムチェイス
Xbox
2002年9月26日発売発売:マイクロソフト  開発:元気  

  車ゲーとしては公道レースゲーム「首都高バトル」シリーズの開発実績を持つ元気が開発を担当した、カーチェイスをネタにした新しいタイプの車ゲー。


  「チェイスモード」と「ガンファイトモード」それぞれ5ステージを交互に繰り返しての全10ステージで構成されている。

  チェイスモードは、迫りくる追っ手を振り払って目的地までいくというカーアクション部分。 速度が落ちて上空で追跡してくるヘリに撃たれたり、 障害物に追突したり、爆風に巻き込まれたりするとダメージを受け、自車のダメージゲージが一杯になるとゲームオーバー。 アナログスティックでステアリング、Rトリガーでアクセル、Lトリガーがブレーキというオーソドックスな操作に加え、Aのドリフト、Bの後方視点が割と独特なところ。 車の操作感はさすがに『クレイジータクシー』よりは一般的なレースゲーム寄りなんだけど、 速度を落としてドリフトボタンを押しながらターンをするとかなり小さなターンができたりと、なかなか絶妙なバランスになってる。 また、追跡車の様子を見るために、チョイチョイと後方視点で後ろをチェックすることになるんだけど、ここらへんも意外に新鮮なプレイ感覚。 追跡車には体当たりで攻撃し、敵車のドア付近に車体をぶつけるとダメージを与えられるし、 体当たりで敵車のバランスを崩し、壁などに激突させるなんてことも。
  一般車両をかいくぐりつつ、追跡車に体当たりをして、体当たりされ・・・ そんなカーチェイスの雰囲気は上手く再現されていると思う。 ステージ数こそ多くないものの、絵的には変化に富んで多彩なステージ構成になっているのもナイス。 ただ、最初のステージが一番箱庭っぽい作りになっていて、先に進むにつれドンドンと一本道な作りになってくという構成は疑問。 最初のステージでいきなり迷ってしまうというのもあるし、後半にももうちょっと箱庭っぽいステージがほしかった。

  一方のガンファイトモードは、パッドで行うガンシューティングといった内容。 アナログスティックでサイトを動かし、Aでショット、Bでリロード。 敵車は銃撃してくる前にオーラをまとい、そのオーラが緑から赤に変わると攻撃寸前、敵車を撃つことでこのオーラを解除できる。 また、敵車が体当たりをしてくることもあるので、これも敵車がつっこんでくるときに撃って対処する。 攻撃の特色は、溜め撃ちで行う「マキシマムショット」で、Aを押しっ放しにするとサイトが変化し、敵車のボンネットとタイヤにマーカーが表示され、 そのマーカーにショットをヒットさせると、一撃で敵車を破壊できるというもの。 ボンネットを撃つと爆発、タイヤを撃つとスピンするので、敵を巻き込んでダメージを与えることもでき、 1発のショットで複数の敵を倒すとその数だけ「コンボ」というボーナスが得られる。
  まぁ、それなりの工夫は見られるんだけど、結局、ガンシューティングをパッドでやっても面白くないわけで、その面白くなさそのままといった感じ。 どうせ車の操作がCPU任せなら、もっと演出重視にして、もうちょっと派手な見せ場を用意してほしかったところ。

  グラフィックは、パッと見の印象ではかなりイマイチ。 ただ、よく見ると結構細かく描き込まれてるんで、なんでこんなに全体的な印象がよくないのか、謎でもある。 光の感じや陰影の演出がマズいんだろうか。 背景も結構遠くまで描き込まれてるし、車もそれなりに丁寧、自車には背景が映り込んだりと、 ある意味、誤魔化しなく真っ向勝負で描かれているので、 リプレイでは、エフェクト&カメラワークが奇跡的にマッチングし、「おぉっ」という映像になったりすることも。 久々に、リプレイが楽しみなゲームに出会った気がする。
  グラフィックそのものの質以上に気になったのが、30fpsにも関わらずの処理オチの酷さ。 自分はあまり処理オチは気にしない方なんだけど、特にチェイスモードでの処理オチは相当に気になった。 処理オチというか、フレームレートが不安定って方が適切かも。 ドライバー視点では随分と軽減されるので、結構ギリギリのところでの調整不足なのかもしれない。 “誤魔化しなく真っ向勝負で”って、別に誉め言葉のつもりはないんで、もうちょっと上手く誤魔化すこと、つまり工夫がほしかった。

  ストーリーそのものは非常にB級なアクションムービーといったところで、 ステージ間のムービーシーンと、キャラ達の会話が挿入されるリプレイシーンで展開していく。 ムービーシーンは、人物が実写で背景はほぼCGという変わった作りでなかなか新鮮。 リプレイシーンにキャラ達の会話が挿入されるってのも面白いアイデアだったんだけど、その会話がリプレイの冒頭にとってつけただけっぽいところがあって、 特に難易度ノーマル時にはリプレイの量と会話の量に差がありすぎる感も(難易度ハードだと会話の量が増え、より真相が語られるという仕掛け)。 道中にもタイミングを見計らって会話が入るとか、プレイ中のイベントに合わせた会話も表示されるとか、 もっとリプレイと会話を絡めてほしかったな。 主人公の外人さんの演技が・・・という声もあるようだけど、良い意味でのB級っぽさになってる感じで、個人的にはさほど気にならず。 どちらかっていうと、絵的には日本人にしか見えないヒロインの方がビミョーだった。

  で、クリア後には「PRIZES」というやり込み要素が用意されている。 “オブジェクトを○○個以上破壊”“LIFE90%以上残してクリア”など約20個の課題が、 その課題をクリアすると次の課題が明らかになるという形でツリー状(トーナメント表のよう)に配置してあるもので、 それぞれの課題が様々な隠し要素出現の条件になっている。 隠し要素には、隠しカー、映像特典、特殊効果(白黒、セピアなど)、オマケモードなどがあるんだけど、そのメインはやはり隠しカー。 走行性能以上に各車にそれぞれ固定されている武器が、バズーカやホーミングミサイルなど、デフォルトの車と大きく違うのが特徴で、 この隠しカーを使わないとクリアが難しい課題もあったりする。
  その作り自体は悪くないと思うんだけど、こういう形にするなら、 (別にそれぞれに隠し要素を設けないでもいいから)もうちょっと課題を細かく、たくさん設定してほしかったな。 その上、ツリー状にするのではなく、網目状にして、ある課題までのルートを複数用意するという工夫があってもよかったと思う。 チェイスモード、ガンファイトモード共に(敵の出現など)ランダムっぽいところがあるので、突き詰めた課題では理不尽に感じられることも。 特に終盤の課題は異常に難しい部分があって、お手上げなのもあった。 “800km走行しろ”の次がいきなり“20時間以上プレイしろ”ってなぁ・・・ (ちなみに現時点での走行距離は1000kmちょっとで、プレイ時間(というか実際の走行時間)は10時間弱)。
  そして、やり込む時にビミョーに気になったのが、そのメニュー的な配置。 ステージ選択ができるので、メインメニュー内の「SPECIAL」で実際には繰り返しプレイすることになるんだけど、 そこではPRIZESも含めた各種ステータスが確認できず(メインメニュー内の「STATUS」で見ることになる)、ちょっと煩わしく感じられた。 それ以上に、SPECIAL内の「SELECT CAR/GUN」で各ステージで使う車を決め、実際にプレイするのは「PLAY GAME」という作りに疑問が。 通してプレイするノーマルモードにまでSELECT CAR/GUNを反映させる必要はなかったろうし、 どうせならPLAY GAMEでステージを選択した後に車種選択とした方が、プレイヤーとしてはありがたかったと思う。
  細かいとこでは、タイトルのフォントの味気なさが意外に大きなマイナスイメージ。 それこそ、映画ビデオのパッケージを見るなりして、もうちょっと研究してほしかった。


  チェイスモードは確かに目新しさがあって結構狙ったものが表現できていたと思うだけに、 その処理オチの多さが痛かったし、ガンファイトモード、PRIZESにはもう一工夫ほしかったところ。
  とはいえ、特にチェイスモードは意外に飽きがこず、PRIZESもチャレンジングな内容で、 デキが悪い部分を感じながらも期待以上に楽しめてしまったのも事実だったりする。

2002年10月17日記載