REPORTMISSING PARTS 2
Dreamcast
2002年10月24日発売発売:FOG  開発:オーツー / システムプリズマ  

  今年一月に発売され、好評を博した探偵推理ADV『ミッシングパーツ』の第2弾が、 なぜか前作からプライスダウンされ、男気溢れる\4800で登場。


  続編というか、最初から全6話での完結が予定されていた企画で、その第3話、第4話が収録されているというもの。 よって、ベースは前作と同じなわけなんだけども、意外や意外、細かい改良&向上部分が結構あったりする。

  ゲーム的な最大の変更点は、プレイの内容によって結果が変化するようになったところだろう。
  画面をクリックして調査するシーンを除けば、フラグ立てをしないと先に進めないシーンというのは極めて稀になって、 個人に対する聞き込みにしても、移動しての聞き込みにしても、一定数のコマンドを入れるとそれが終わってしまうというシーンが非常に目立つようになった。 さらに、細かい分岐もかなり増えたので、コマンド総当りで進めることができた前作とは、ちょっと作風が変わったと言えると思う。
  普通に選択肢を入力する場面にしても試行錯誤が必要になってくるし、 それこそセーブを使わないと、アッサリとゲームオーバーになる可能性も。
  とはいうものの、厳密に言えば、実際に推理をする部分というのは多くないし、複雑な推理が要求されるわけでもない。 実際に繰り返しプレイが必要となるのは、聞き込み的な場面で、 本作では、いきなりAを聞いた場合と、Bを聞いてからAを聞いた場合で反応が変わったりすることも。 クリア自体はさほど難しくないんだけど、ベストエンドを迎えるには効果的な聞き込みが必要となるし、 効果的な聞き込みを行うためには、一度クリアした後に試行錯誤しなければならなくなった。
  というわけで、前作では飾りといっても良かった「探偵度評価システム」も、 (まだそれほど試行錯誤したわけじゃないんで断言はできないんだけど) 今回はエンディングによって変化する(つまり、ベストエンディングを迎えるとランクA)という分かり易い形に変化。 しかし、前作からの流れだと結構気付かない人もいるんじゃないかな?  説明書に一言あってもよかったと思う。
  前作をプレイした限りでは、あえて一本道路線をまっしぐらかと思ってたので、正直、こういう方向に進むってのは結構意外だった。 その場その場でのゲーム的な面白み云々というより、ゲームオーバーを含めた各種エンディングが上手くゲームに組み込まれ、 繰り返しプレイの面白みが増したというのが一番のポイントだろうし、 それによって前作では不満点と言われることもあったボリューム感についても、改善されたということなんだろう。
  まぁ、“探偵推理”というよりは“サスペンス”という色が強いのは前作同様だし、 “トリックがあってそれを見抜いて”という話ではないんで、やむを得ない部分はあるんだけど、欲を言えば、文字入力とは言わないまでも、 沢山の選択肢を用意していちいち試す気を失せさせる(その代わりに推理させる)ような場面を設けるとか、もうひと工夫あればなお嬉しかったな。
  そんな中、この作りがもたらしたもうひとつの側面として、 フラグ立てに詰まって延々と移動を繰り返すといったような場面がなくなり、話のテンポアップに繋がったというのも見逃せない。

  さらに、あんまり期待してなかったんだけど、絵的にも向上した部分が見られたのは嬉しい驚きだった。 前作で自分が非常に好感を持った、キャラと背景に拡大縮小・スクロール・ボヤケといった工夫をし、 実際の動き的にも、構図的にも動きがあるグラフィックになっているという部分が、地味ながらもかなりパワーアップ気味。 より動きのあるグラフィックとなってる。 ここらへんは、古典的なADVの向上すべき余地たと思ってたので、やっとそれが成されたという喜びがある。 音声ナシでテキストメインのADVには、単純なアニメーションより相性がいいだろうし。
  オマケに、前作ではやや消化不良の感があった、フォントの大きさに変化を持たせた演出も大幅増と、 ゲーム的な変化もさることながら、こういった芸の細かいパワーアップが嬉しい。
  当然のことながら、テキスト、グラフィック、それぞれの基本的な表現力は共に前作から継承されている。 他愛もない会話、描写も結構あるんだけど、テキストがヘンにクドいこともないし、それらがムダに感じられることはほとんどない。 また、老若男女しっかりと描き分けられている原画の力量も大したものだと思う。 さすがに、若い女の子は美人揃いすぎな感じもあるんだけど、統一感を持たせながらもこれだけ描き分けられてるってのは、それはそれで見事。

  で、軽くストーリーの話を。
  第3話「託されたペーパーナイフ」は、色んな意味で他の3話とは趣向の違ったシナリオ。 まず、本来なら捜査のサポート役になることが多かった、成美は風邪でダウン、京香はその看病、ご隠居柏木は温泉旅行な状況で話が始まり、 そんな中、失踪した哲平の昔の友人の足取りを、恭介と哲平で調査していくことになる。 他のシナリオに比べると、かなり感情的な面が強く、人間的なモロさみたいなのが描かれているし、 連作の中の1つだからこそ出来えたシナリオとも言えるその事件の構造もやはり異質。 プレイヤーを本当に惑わせるつもりであれば、ちょっと要素が足りなかったかとは思うんだけど、非常に満足度が高く面白いシナリオだった。 ちなみに、他の話に比べると“ペーパーナイフならでは”(というか、“アンティークならでは”)っていう部分が感じられなかったので、そういう意味じゃ若干不満アリ。
  一方の第4話「傷ついたテディベア」は、超天然女子高生奈々子の出番が多いシナリオ。 探偵事務所に頼まれた調査と、恭介が巡りあった事件の解決という2つの軸があるというのが変わってるところで、 前作のノリと似た感じの後者に、試行錯誤要素の前者が追加されたというような作りになっている。 事件の本筋はアッサリ気味で物足りなさもあるんだけど、やはりそれなりに見せ場が用意されているし、良くも悪くも普通の面白さ。
  で、自分の場合のプレイ時間は、データ上で13時間強(クリア時のランクはCとB)。 おそらくストレートにプレイできれば、1回のクリア時間は前作より短めになるっぽいけど、 それはフラグ立てで滞るような場面が減ったからだと思うし、前作より小ぶりというイメージは無い。 むしろ、1回クリアしたら終わりってわけじゃない分、今回の方がボリューム感が感じられるに違いない。 自分も、両シナリオ共にベストエンディングを迎えてないし、その気力は十分。

  難点を言えば、より繰り返しプレイをさせる内容になってるにも関わらず、 絵的な演出が多いことによって、文章スキップのテンポがあまりよくないこと。 とはいえ、演出のオン・オフができるような形ではないと思うしなぁ。 理想としては、2回目からは演出込みで早送りができるような仕様が一番いいんだろうけど。
  また、いくらプレイ時間が長くないとはいえ、やはりプレイ再開時にそれまでのに得られた情報を参照できるような機能はほしかったところ。
  本当に細かいところでは、前作同様テキストにフリガナがふられていることには好感が持てたんだけど、 どうせなら、人物ファイル中の人物名にもフリガナをふってほしかった。 瞬間的に「あれ、これ何て読むんだっけ?」と思うのは人物名だと思うので。


  まぁ、前作を気に入った人は概ね購入済みだと思うけど、そういう人なら何の心配もなくプレイできる一本。 非常に良質な続編だと思う。 ただ、一応パッケージ裏には「各話完結ですので、このソフトだけでお楽しみ頂けます」とあるものの、やはりキャラクターを知っててこその続編なので、 いきなりこの『2』からのプレイはオススメしない。というか、やめてほしい。 おとなしく、前作からプレイすることを薦める。 というわけで、前作込みでオススメということにしておきたい。
  しかし、FOG自身はDCで完結させることに意欲的なようだけど、さすがにもうちょっとペースを上げてほしいなぁ。 なんせ、同じペースだとすると発売は来年の7月・・・って、今でさえかなりのギリギリ感があるDC市場なわけで。 さらに欲を言えば、恭介以外を主人公にした番外編なんてのが見てみたいんだけども。

2002年10月30日記載