REPORTスターフォックスアドベンチャー
GAME CUBE
2002年9月27日発売発売:任天堂  開発:Rareware

  元々レアはN64用ソフトとして『Dinosour Planet』を開発していたんだけど、開発中にハードウェアがN64からGCにシフトしたこともあって、 GC用ソフトに変更、さらにキャラクターを「スターフォックス」に変えて作り直したのが、この『スターフォックスアドベンチャー』。 そもそも、レア社のゲームは自分のお気に入りのものが多く、 当初から予定表に名のあったこのゲームがGC本体を買った当面のお目当てだったんだけど、延びに延び、やっと発売ということになってくれた。
  ちなみに、先日レアはマイクロソフトに買収されたので、任天堂ハード最後のレアゲーということになるかもしれない。


  そのゲーム内容は、『ゼルダの伝説 時のオカリナ』をお手本にしたアクションADV。 『ゼルダ 時のオカリナ』と『スターフォックスADV』の関係は、丁度、『マリオ64』と『バンジョーとカズーイの大冒険』の関係に近い
  任意にジャンプができず、走って崖から飛び出すとオートジャンプしたり、CボタンユニットならぬCスティックでアイテムセレクトしたり、 Z注目こそないものの、敵をロックオンして敵を中心にステップして行う戦闘したり、プレイ感覚はかなりまんま。
  Cスティックを倒すと画面右上に「Cスティックメニュー」が表示され、 左右で「アイテム」「魔法」「トリッキーコマンド(後述)」という項目を変え、上下でその項目の中で使いたいものを選択するというもの。 アイテムを選ぶのにいちいちゲームを止めるようなことがないのが嬉しいし、なかなか使い易い形になっている。 ただ、アイテムの項目は結構数が多くなってしまうので、項目をもうひとつ追加し、消費アイテムとイベントアイテムを分けて管理した方がより使い勝手が良かったと思うな。
  本作でのフォックスの武器は「クリスタルスタッフ」という棍のような武器で、、 Aボタンでクリスタルスタッフを取り出し、Bボタンでクリスタルスタッフをしまう。 そして、スタッフを取り出した状態の時に敵にある程度近づくと、自動的にロックオン状態になるという仕様。 ロックオン状態の時には敵を中心に円を描くように移動する。 Aボタン連打で次々と攻撃を繰り出し、レバーによって攻撃が変化したりもするんだけど、 なんせ相手の隙をついて(あるいは作って)攻撃を当てるっていう要素がほぼ皆無で、なんとなく攻撃があたり、なんとなくガードされてしまう。 さらに敵の種類も少ないし、組み合わせで攻めてくるような場面もないしと、全くといっていいほど戦略性が感じられない。 まぁ、戦闘しなくちゃならないシチュエーションは多くないんで、苦痛ではないんだけど、もうちょっとなんとかしてほしかったところ。
  画面左下には「PDA」という小さなウィンドウが開いていて、十字キーの左右で「マップ」 「コンパス(「燃料セル」というアイテムがある方向を示す)」「注目物の説明(近づいてカーソルがついた対象の説明が表示される)」の切り替えを行う。
  Zボタンで主観視点モードになることを除けば、視点関係の操作はLトリガーによるカメラリセットのみ。 不便に感じることがないわけじゃないけど、ボタンをフルに使ってるゲームなだけにやむを得ないところだろう。 自動で調整されるカメラ位置は、近年のレアのゲームではピカイチじゃないかな。 まぁ、自由にジャンプできないこともあって、移動の自由度が高くないからこそってのもありそうだけど。
  操作系そのものは、『時のオカリナ』の流用&改良として上手くいってると思う。

  話の大筋は、バラバラに砕けたダイナソープラネットを元に戻すために頑張るというものなんだけど、 その手段として、“「スペルストーン」をゲットして「フォースポイント」という場所に戻す”という要素と “「グラソアスピリット」をゲットして「グラソア神殿」でそれを解放する”という要素があって、 その2つが話的に(そしてゲームの流れ的に)あまりマッチングしてないってのがいただけないところ。 とはいえ、キャラクターが魅力的なので、退屈であるとか嫌気がさすということはなかったが。 導入も上手かったし、最後にひとひねりあったのも良かった。
  で、ゲームの大まかな流れとしては、メイン舞台となるダイナソープラネットを探索、イベントをこなすことによって、 ダイナソープラネットから砕けて宇宙の浮き島状態になってる場所へのゲートを開き、 そこへ愛機「アーウィン」で乗り込み(ここが簡単なシューティングステージになってる)、 そこでイベントをこなしスペルストーンをゲットしたらダイナソープラネットに戻り・・・というような感じ。 それほどハッキリした形ではないものの、一応浮き島が『時のオカリナ』でいうダンジョンに相当するか。 意外にも、アイテムや特殊能力を得てそれで行動範囲が広がって・・・っていう色が薄く、キャラクターにあっち行けこっち行けと言われる色が強すぎるというのもマイナス。 実際にプレイすると『時のオカリナ』のような冒険&探索する感覚は薄く、一本道的な印象が強い
  さすがに、ステージの構造や、ひとつひとつのギミックの作り&流れ&演出は上手いし、 そういう中に組み込まれたミニゲーム的な要素の作りもやはり上手い(特に「カーソル保持」っていうイベントにはニヤリとさせられた)。

  なのに、期待していた程の面白さはなかったというのが正直なところ。
  かなり根本的な問題は、専用のパネル等の特定の場所でしか使えないアイテム&行動が多すぎ、 逆に言えば、どこでも使えるアイテム&行える行動が少なすぎで、自由度が低く感じられるということ。 使う場所が決められた(パネルなどが設置してある)これはレアの最近のゲームでしばしば目立ってたところなんだけど、 特にこのゲームは移動の自由度が低い(好きなときにジャンプができないし、空を自由に飛ぶような仕掛けもない)ので、余計にそれが強く感じられてしまう。 例えば、途中から仲間になってあとからヒョコヒョコ付いてくる「トリッキー」という小さな恐竜を使ったアクションが、 このゲームの特色のひとつでもあるんだけど、そのトリッキーを使う「トリッキーコマンド」の中でも、パズル解きに用いて、 さらにいつでも使えるというのはその場に留まらせる「ストップ」のみ。 それ以外の「サーチ」「ファイア」は特定の場所じゃないと選択すらできない。 もっと膨らませることができる要素だっただけに、非常に勿体無かったと思う。 また、ブロックは想定された場所まで動かしてからじゃないとその上に乗っかれないっていう仕様にも自由度の低さを感じた (まぁ、それがネックになるのなんて一ヶ所だけなんだけど、やっぱり気になる)。
  謎解きの唐突さも気になるところで、目的とパズルが直結せず、 “目的のためにパズルを解く”というより“パズルを解いたら目的に達した”という場面があまりにも目立ちすぎた。 っていうか、スタッフでドアの封印を開いたりするんだけど、そもそもそのスタッフって部外者が持ち込んだものなわけで、 それがなぜダイナソープラネットのギミックにマッチングしてるんだ?っていうツッコミもアリ。 そこらへん、ストーリー的な説明不足ってのもあるのかもしれない。
  また、説明(≠ヒント)不足に感じられることもしばしば。 例えば、アイテムやスイッチが使えないときにCスティックやAボタンに×が付いたアイコンが出てくるんだけど、 それだけじゃなく、なんで使えないのかっていう説明がほしいところが幾つかあったし、何回かあるスターウォーズに出てくるスピーダーバイクみたいなのに乗るシーンで、 そこで何をすべきか(敵をやっつければいいのか、敵より早くゴールすればいいのか等)を提示してくれないってのは、 やってるうちに分かることとはいえ、典型的な配慮不足だろう。
  ここらへんは、洋ゲーチックなテイストが(少なくともゲーム的には)悪い方向に発揮されてしまったように思う。
  で、そんな説明不足から滞ることがあるのかもしれないけど、 いつでもヒントが聞けることもあって、基本的に難易度は相当低め。これがまた残念だった。 ミニゲーム系の難易度も控えめになってるし、体力回復アイテムが見つけ易いこともあって、結局体力がゼロになる機会も無かった。 どうせなら、こういうところにこそ洋ゲーテイストを発揮してほしかったのに・・・。
  ちなみに、シューティングシーンは、まぁオマケ的なものなんだけど、ラスボス戦を考えれば、その価値は十分にあったろう。
  ムダと思われる移動シーンが多いのも気になったな。 例えば、あるステージからあるステージを繋ぐ廊下みたいなところが、無意味に遠回りになってたりして、 一度ならまだしも2度目3度目にはさすがに鬱陶しく感じられることも。 ショートカットしてワープするような仕掛けがないので、地道に足で行って帰ってとしなければならないのもつらいところ。 その道中にやることが無いってのもイタい。 何か集めるようなアイテムを設定して、そういうものを散りばめれば、まだ退屈しないようにできたんじゃないだろうか。 この移動、そして戦闘で、結構プレイ時間が水増しされてる印象があるんだよなぁ・・・。 さらに、ハシゴを登るスピードの遅さにもマイッタ。 ハシゴは降りるときには滑り降りることができて爽快なんだけど、 岩壁を降りるときはそういうのがないので(途中からジャンプで降りるなんてことも不可)、これまた鬱陶しい。 アイテム取得時のイベントがビミョーに長く間が悪いのにキャンセル不可だし、(ショップでの会話なども含めて)一度見たシーンもキャンセル不可。 ここらへん、ひとつひとつの実際の時間は大したことがないんだけど、それぞれギリギリでストレスになる塩梅になってしまってると思う。
  その一方、フィールドではマップデータを先読みしているようでローディング待ちは皆無だし、 それ以外の先読みしてないであろうシーンでも、待たされる時間はかなり短い。ここらへんは評価に値する。

  グラフィックはかなりパワフルだ。 キャラや地形のモデリングが凝ってて、オブジェもかなり多いのに、見える範囲もかなり広く、ポリゴン量も相当なものだろう。 その上、よーく見ると地面の草がユラユラ揺れていたり、揺らぎやボヤケなど、何気にエフェクトがかかったり。 それで比較的安定した60fpsを実現してるんだから、やはりスゴい。 ただ、その割には「高っ!」とか「広っ!」とか「デカっ!」っていう驚きが少なく、 総合的にはあまりインパクトがなかったり。 空間的な動きが少なく、見せ場が少ないというのもあるだろうし、開けた場所が意外に少なく、なんか狭っ苦しい印象が付きまとうというのもある。 また、スケール感&質感っていう意味じゃ、先にXB『HALO』のインパクトがあったからか、物足りなく感じられた。
  色調のエグさは相変わらずだけど、 スターフォックスが元にあるからか、レアの割にはメカ関係のバタ臭さはそれほどではないし、それ以外の各種デザインは上々。 キャラクターの表情&仕草作りはさすが。 動物や恐竜が元になってるキャラがこれだけイキイキ動いてるってのは、賞賛に値すると思う。
  英語音声も正解。 ただ、字幕の訳にちょっと雑なところがあって、映画字幕ほどの上手さが感じられなかったのが残念。

  レアといえば、これまでボリューム満点のアクションゲームを排出してきたんだけど、 本作は、移動や戦闘などで水増し感があるにも関わらずプレイ時間は15時間程度と、ボリューム的にかなり不満が残るものとなってしまった。 収集する要素があるわけじゃなく、これといったやり込み要素もナシ。 さらに、『Conker's BFD』のようなマルチプレイモードがあるわけでもなく。 この点ではユーザーの期待を裏切らなかったレアだけに、これは非常に残念だった。
  専用のレーダーを常備してるわけだし、本来なら燃料セルが収集要素になるはずだったっぽいんだけど、 なぜか店で(幾らでも?)買えてしまうし、なんせ、ゲーム終盤には世界を自由に動き回れなくなってしまう。 ここらへん、本来目指していたものとは違ったものになってしまったような感じも受けたな。


  期待が大きかっただけにかなりの肩透かし。 個人的には『ドンキーコング64』と並んでレア社のアクションゲームの中ではワーストとなってしまった。
  とはいえ、ステージの構造、ミニゲームの内容、共にハイレベルだし、イベントシーンの見せ方も上手い。 現行3機種で本作に匹敵するアクションゲームがどれだけあるか、そういう意味じゃ、やはり価値のある一本だと思う。 この程度のアクションゲームがコンスタントに出てくれると嬉しいんだけどな・・・。

2002年10月5日記載