REPORTガレリアンズ:アッシュ
PlayStation2
2002年4月25日発売発売:エンターブレイン  開発:ポリゴンマジック  

1999年8月に発売されたPS『ガレリアンズ』に、かなり唐突気味に続編が登場した。 特に評価が高いわけでもなく、根強い人気を誇るわけでもなくなゲームだったと思うだけに、結構意外だったんだよなぁ・・・。


  ゲームは、前作のラスボス戦からスタート。・・・と思いきや、これは実はデータ上の話であって、 前作のラストで最期を迎えたかのように思われていた主人公「リオン」は、実は、データとしてバックアップされていたのだったという設定。 前作から6年後、前作のラスボスであるマザーコンピュータ「ドロシー」が破壊されたときに 自動的に起動するように設定されていた最強最悪のガレリアン「アッシュ」の脅威に対抗すべく、生き残っていたリオンのパートナー「リリア」が、リオンを復活させる。 ・・・と、(一応、説明書などで前作のストーリーは語られるものの)前作未プレイな人は置いてきぼり、 前作プレイ済みの人も違った意味で「ハァ?」という展開で、ゲームが始まることになる。

  攻撃手段は溜め撃ちが基本となる超能力で、使うごとに「中毒度(AP)」が溜まっていき、 これがMAXになると、付近にいる敵を一撃で倒す代わり、移動速度が遅くなり徐々にHPが減少する「ショート」状態になってしまう。 APを減らたりショート状態から回復するためには「デルメトール」という薬を使う、そういった概要は前作同様。
  ただし、便宜上、ジャンル的には前作と並べてあるんだけど、根本的な部分で大きく変化している。 一枚絵背景&ポリゴンキャラという典型的な『バイオハザード』タイプADVだった前作に対し、本作はフルポリゴンになった上に、 実はアクションRPG的な味付けが相当強い。
  実際、基本的な操作感は意外にもDC『ファンタシースターオンライン』に通ずるものがある。 移動のテンポも非常に近いし、視点操作が(ほぼ)いわゆるカメラリセットだけなのも共通。 自キャラが向いた方向に敵がいると、その敵にマーカーが付き、その敵を攻撃することになるってとこも似てる (ただし、このゲームではロックオン操作をして戦うことがメインになるけど)。
  何より、敵を倒すと(弾数的な青い薬も時折出現するけど、主に)赤い薬が出現し、 それを取るとちょっとだけHP最大値、AP最大値、各種超能力のいずれかの上限アップするという作りがアクションRPG的。 んで、敵は倒しても倒しても、(設定的な説明がないまま)次から次への湧いてくる。 一部を除けば、一定数(といっても数十体)を倒せば打ち止めになるようだけど、部屋を出たりしてマップが切り替わると、またそれが復活してしまったり。
  問題は、体力回復薬、弾薬の入手が、あらかじめマップ上に配置されているものを除けば、 敵を倒した結果としてランダムに手に入るだけってとこにある。 一応、体力とAPが全快できるポイントが設けられている場面もあるんだけど、移動が遅い上にマップが広いので、いちいちそこまで行くには鬱陶しいことこの上ない。 そのポイントを設けてあるからってことなのか、全体的に回復薬は非常に少ないし、何より、(弾薬を消費しない攻撃手段が無いにも関わらず)弾薬の入手がランダムなのはどうしようもない。 基本的にダメージゼロでこなせるような戦闘にはなってないんで、とめどない戦闘によって、自キャラの薬の残量が削られていくイメージ。 よって、その作りに気付いてからは、大部分の敵をスルーして進んでしまった(で、沢山の敵をラクに倒せる場面で効率的に自キャラ強化、と)。 普通に考えて、おかしいと思わないかな?   アクションRPG的にするならするで、攻撃手段(弾薬)と体力回復は、ある程度プレイヤーがマネイジメントできるような作りにすべきだったろうに。 もちろん、ロクな育成要素があるわけでもないし、戦闘の結果に得られるアイテムにバリエーションもない(体力、弾薬の回復薬のみ)。 この路線変更によって、一体何がしたかったってんだ?
  超能力は最初から使えるメインとなるものが3種と、後に使えるようになる強力なものが2種。 特にメインとなる3種は、その攻撃範囲とか以前に、敵によって効果的な超能力が前もって決められてる感が強い。 つまり、プレイヤーが使い分けるというより、ゲームに使い分けをさせられてるという感覚。 さらに、溜め行為中にダメージを受けても、ダメージの大きな攻撃以外ではその溜めはキャンセルされず、 相手の隙を見つけて超能力を溜めて攻撃・・・という色も、随分薄れてしまい、先手必勝、あるいはガチンコな戦闘になりがち。 ザコ戦に比べればまだ面白みがあったボス戦にしても、自分の攻撃手段が溜め撃ちということがあまり生かされてなかったように思う。
  カメラ操作の未熟さも大きなマイナスポイント。 壁に引っかかってしまうという典型的なものだけに、 例えば、部屋に入った直後は、部屋を見渡すような視点になってなかった(大体、入ってきたドアと主人公を一緒に捉えるような視点から始まる)り、 通常時は自分が向いている方向に自動的に視点が調整されることはないのに、カメラが自キャラを見失いそうになると、急にグルンと視点が回転したり・・・。 敵そのものの動きは速めなこともあって、あまりマトモに立ち回ることはできない。 敵の攻撃を避けて、こちらの攻撃を当てるという攻防がハッキリするボス戦も、ロックオン時に視点が低くなる仕様もあって、 視点的な問題によって敵の攻撃を避けきれなかったなんてことが非常に多い。
  ここらへんは、カメラリセットだけにこだわった視点操作法そのものに疑問が残る。 右スティックは、スティックを倒した方向に主観で向くという操作なんだけど、スティックを離すと客観視点に戻ってしまうので、実用性は限りなく低いし、 L1ボタンの、視点の高さを3段階に切り替えるという操作も、その変化が微妙すぎる上に、視点を下げる意味がないので、これまた実用性がない。
  また、全体的なゲームの流れにも難アリ。 パズル的な要素は皆無なのにも関わらず、フラグ立てが非常にわかり難く、「んで、どうしろと?」ってな状態が多いので、ゲームの流れがどうにも滞りがち (ちなみに、前作では特色のひとつでもあったと思う「メラトロピン」という超能力による調査要素は、完全に廃止されてしまった)。
  と、とにかく、ゲーム的にお粗末というのがまず第一。

  んで、そういうゲーム的な路線変更も含めて、続編としてのあり方にも疑問がある。
  病院、廃屋、廃退的なホテルと展開していくサイコ色の強い前作に比べると、 本作の、拠点となる地下基地、電脳世界(といっても、前作のラストステージであるマッシュルームタワー)、 アッシュが潜む発電所という、どこかで見たようなSF的風景に終始する展開は退屈だったし、 ムダに広いマップ構成、ムダに行き来させられるゲーム展開にもゲンナリさせられた。
  上でちょっと触れた通り、敵の造形やその配置にも脈絡がなさすぎ。
  そもそも、前作では敵ボスがコンピュータだったにも関わらず、 電脳世界っていう意味のサイバーさとは無縁に近い世界観だったのに、本作では電脳世界に入り込んだりと、いきなりそういう路線にシフト。 で、その描き方の中途半端さが、そういうのを題材としたゲームのシナリオとしては致命的だった。 プレイヤーに現実世界と電脳世界を混同させるように仕向けてるというより、単に作ってる側が混同してるだけなんじゃ?っていう。 ガレリアン側のサイコな面に気をとられすぎたのか、基本的な人物描写も極めてずさん。 特に、リオンと対立することになる人間側の司令官はお粗末。 上司をアホに描けば、主人公は賢く見えるってわけでもないだろうに。 途中、世界観崩壊モノな雰囲気を出して「おぉ」と思ったんだけど、結局それもハッタリだったしなぁ・・・。 っていうか、あまりにも非電脳世界の描き方が空虚なもんだから、そういうオチもありかと思った次第。
  さらに、SF的な理路整然さに欠け、ひたすらに勢い任せってのは前作同様。 継承せんでいいとこだけ継承してるんだよな・・・。
  そういえば、リオン&リリアの偽善者っぽい語り口も相変わらず。 少年少女だった前作では、それが状況にマッチしてたんだけど、既に青年となってる本作での二人のものとしては、少々気に障るところがある。
  ムービーの使い方も極めて前時代的。 パッケージ裏で「ハイクオリティCGムービーを60分以上収録」なんてのをウリ文句のひとつにしてるあたりからして、実に古臭い。 そのムービーは、ハイクオリティなものと、おそらくゲーム中のモデリングまんまのロークオリティなものが混在。 ハイクオリティな方はそれなりに綺麗だけど、もうそういうのがウリになる時代でもあるまい。

  ゲーム部分のグラフィックはそこそこ。 チラツキが目立ったりといかにもPS2っぽい画面だし、特筆すべきところもないんだけど、エフェクト関係が意外に凝ってたりと、努力の跡はうかがえる。
  細かいところでは、エフェクトのかかった音声が非常に聞き取りにくかった場面がチョイチョイあったのは気になった。字幕がほしかったな。


  ゲームとしての作り方にも疑問、そして続編としてのあり方にも疑問。 前作にしても、手放しで誉められるようなゲームじゃなかったけど、まさか続編がこんなに酷いものになってるとは思わなんだ。

2002年11月19日記載