REPORTメダル・オブ・オナー
PlayStation2
2002年10月24日発売発売:EA  

  『Medal of Honor』は、第2次世界大戦の欧州戦線を舞台にした PS出身のFPS(主観視点シューティング)シリーズで、 PSで『Medal of Honor』『Medal of Honor: UnderGround』、プラットフォームをPCに変えて『Medal of Honor: Allied Assault』、 そして第4作目に相当する『Medal of Honor: FlontLine』がPS2で登場(後にGCとXboxにも移植された模様)、 この『メダル・オブ・オナー』はその『Medal of Honor: FlontLine』の日本語版ということになる。
  元々、あまりマルチプレイの比重が大きいシリーズではないらしく、本作も完全にシングルプレイのみ (ちなみに、後のGC版、Xbox版ではマルチプレイが追加されてるとのこと)。


  一応、LRキーで左右平行移動ができるようなFPSとしてはひと世代前の操作系も用意されてたりするんだけど、 当然、基本となる操作は、左スティックでの前進後退左右移動&右スティックでの(旋回を含めた)視点操作というもの。 その他の操作は、R1で射撃、R2でリロード、L2でしゃがみ、×がアクションで、 △はジャンプ、□&○で武器変更、十字キーは望遠照準の倍率変更に使う。 L1キーを押しっぱなしにすると、やや画面が拡大され、スティックで上半身だけ動かせるようになるという「照準」ボタンが用意されていて、 これによって物陰に隠れながら、ちょっと顔を出して射撃して、また物陰に隠れて・・・という操作ができるようになってるんだけど、 これはN64『007ゴールデンアイ』なんかにもあった操作だし、 ジャンプの重要性も極めて低かったりと、極めてオーソドックスな内容と言ってよいと思う。
  そんな中、第2次世界大戦時のヨーロッパを再現したグラフィックは、このゲームの最大の特徴であり美点だろう。 全19ステージは、国(フランス、オランダ、ドイツなど)、シチュエーション(屋内、屋外)、時間帯(昼夜)など実に多彩で、 そのそれぞれがかなり描き込まれているし、それぞれのステージ共、プレイ時間が30分を超えるような広い舞台になっている (部分部分で先読みが行われてるらしく、ステージ中ではロード待ちはない)。 さらに、銃声はもちろん、敵兵の会話(当然ドイツ語)などのSE的な部分にも抜かりがないので、緊迫感、臨場感は結構なもの。 当時の実写フィルムをふんだんに使用したオープニングやステージ間での戦況説明ムービーも、雰囲気を盛り上げてくれる。
  最もインパクトがあるのが、いち兵卒となってノルマンディー上陸作戦に参加できる最初のステージ。 敵砲台からの砲弾が飛び交い、味方兵士が吹っ飛ばされ、上空には飛行機が飛び・・・と、まさに「プライベートライアン」。 で、「おぉ、これは!」と思ったんだけど、そこを過ぎてしまうと意外にコレっていう場面はなく、 良くも悪くも普通のリアル系(『007ゴールデンアイ』直系)FPSという感じになってしまったのが残念だった。
  遠景まで描かれてるとはいえ、単独行動が多く、広い舞台で乱戦になるような場面は少なめだし、 マップも極めて一本道な作りで、場が用意されていてそこでミッションをこなすというより、ミッションをこなすためのマップが用意されているという色合いが強い。 ダメージや不意に出現する回復薬などのバランスも、特にリアリティ偏重なところはなく、これまでのものと変わらぬ感じだし、 こなすべき任務が箇条書きで与えられていて、それを順にこなしていくというのも、『007ゴールデンアイ』からの変わらぬ流れ。 一応、用意されている潜入系ミッションも、 (FPSそのものが、実際に敵に察知されずに進むような作りにし難い形ってのはわかるんだけど)結局はただのドンパチで終わってしまう。
  もちろんここらへんは難点というわけではないものの、最初のインパクトが強かっただけに、ちょっと肩透かしではあった。
  ちなみに、一応ベースは60fpsなんだけど、その安定感は最悪の部類で、 ちょっとでも敵が出てきたり、目の前に煙などのエフェクトがきたりすると、フレームレートがガタッと落ちる。 これなら、個人的には30fpsで安定させてくれた方が嬉しかったんだけどな・・・。

  さらに根本的な問題として、ソフトの問題なのか、ハード(コントローラー)の問題なのか知らんけど、 異様に狙いがつけ辛いってのがある。 これはマウスじゃないからっていう問題じゃなく(別にPCからの移植じゃないんだし)、あくまでも他の家庭用機のFPSと比較してという話。 どうも、右スティックのバランス調整が上手くいってないんじゃないかと思うんだけどな。 細かく操作しようとするとあまりにも動きが小さすぎるようになり、大きく操作しようとすると旋回の最大スピードはそんなに速くない。 その上、右スティックの敏感さを調整するような機能もない。 最初のうちは慣れの問題かと思ってたんだけどもそうではなく、結局、最後までこの感覚は残ることになってしまった。
  これに、銃を撃った反動で照準がズレるという仕様がそれに追い討ちをかけ、本来なら主要武器になるはずのマシンガン系がホントに使い辛い。 ピストル系はまだマシなんだけど、これも咄嗟に狙いを付けるのは難しいので、 その結果、必要以上に狙撃重視になってしまった感じを受ける。 いや、狙撃は好きだし、それはそれで楽しいんだけど、それ以外の部分がイマイチゲームになりきれてない結果とあっては・・・。

  自分は難易度ノーマルでプレイして、少なくともその分では、難易度に理不尽なところはない。 若干、敵の狙いが良すぎるような気がしないでもないけど、全体としてバランスが崩れてるほどではないし。 って、今更“洋ゲー=理不尽な高難易度”っていう先入観もないわな。 ただ、各ステージは比較的長めだし、途中セーブとかはできないんで、酔い易い人にはキビしいかも。
  各ステージでの評価要素は、クリアの時点でブロンズメダル、 95%以上の敵を排除でシルバーメダル、その上、体力残量75%以上でゴールドメダルというもの。 どちらの要素にもイマイチ面白みが感じられず、あまり繰り返しプレイする気にはなれず。 どうせなら、クリア時間なども絡めた、もっと総合的な評価があっても良かったと思う。


  最初の期待とは裏腹に、良くも悪くも普通の(リアリティ重視という意味じゃなく、現実の世界を舞台にしたという意味での)リアル系FPSだった。 とはいえ、このくらいのゲームが安定して日本に入ってくるようになれば、もうちょっと日本でもFPSが市民権を得られるんじゃないだろうか。

2002年11月5日記載