REPORT幻魔鬼武者
Xbox
2002年2月22日発売発売:カプコン  

  『鬼武者』といえば、昨年の1月にPS2で発売され、PS2初のミリオンセラーとなったタイトル。 いずれはやろうと思いつつも、なんとなく延び延びに・・・。んで、今頃のプレイということに。 特に高難易度版ってとこに惹かれたわけじゃないんだけど、新品が安く売ってることもあって、せっかくだからXB『幻魔鬼武者』の方をプレイしてみることにした。
  とりあえず、難易度「普通」で2回ほどクリアしての感想。 セーブデータ上のプレイ時間は初回が8時間弱、2回目が4時間弱ってとこだけど、初回はかなりやり直してるので、実際は10時間以上かかってるかもしれない。


  内容は、戦国時代を舞台にし、金城武が主人公な、剣で攻撃する、良くも悪くもアップテンポな『バイオハザード』といったところ。
  一枚絵背景&ポリゴンキャラという手法で、キャラの操作はいわゆるラジコン操作。 十字キーでキャラを操作し、Xで攻撃(スティックの方向や、3段階の溜めによって攻撃内容が変化)、 Aで調べる&魂の吸収、Yは戦術殻というゲージ消費技、Lが防御で、Rを押しっぱなしにすると一番近い敵を中心に動く「構え」(要するにロックオン状態)になる。 元々LRキーが4つあるPSコントローラーが元になってるからなのか、黒ボタンが180°ターンに、 右スティックボタンがメニュー表示に、左スティックボタンがマップ表示になってたりするあたりは、ちょっとムリがあるか。
  敵を攻撃したり倒したりすると魂が出現し、Aボタンを押すことでそれを吸収。 魂には、武器やアイテムの強化に用いる赤、体力を回復する黄、「鬼力(戦術殻を使うときに必要)」を回復する青という3種に加え、 この『幻魔鬼武者』で追加されたの緑色の魂がある。 この緑魂を5つゲットしてから白ボタンを押すことで「鬼の解放」となり、しばらくの間、無敵&体力回復状態となる。 この魂は、敵も吸い取ろうとするのでAボタン連打で魂の取り合いをすることになり、敵がその魂を得るとパワーアップしてしまう。 そして、パワーアップした敵に、3段階目の溜め攻撃をヒットさせるとまた魂を解放し、敵が元に戻るというもの。 周りに敵がいるんで緑魂を吸収できず、敵がパワーアップして「ヤベェ!」なんてことがあったりと、この攻防自体にはそれなりに面白みがある。

  とは言っても、根本的な部分で問題大アリなんだよなぁ。 実は、「一枚絵背景&ポリゴンキャラってのは、画面上に映ってない敵を撃たなくちゃならないこともある遠距離攻撃モノより、 近接攻撃モノの方が相性が良いんじゃ?」と思ってたりもしたんだけど・・・ダメだこりゃ。
  ひとつは、その手法からくる当然の問題。 なんだかんだ言っても、やっぱり先が見えない。つまり、状況が把握できない。 そして、視点によっては、相対してる敵との間合いがわかり難い
  もうひとつは、おそらくそれをフォローするつもりであろう、敵を勝手に狙ってしまうという仕様のマズさ。 ロックオンしてる敵の分かり辛さ、ロックオン時と平時の操作感のギャップもあるんだけど、 それ以上に、非ロックオン時にも自動的に一番近い敵を狙って攻撃してしまうというのがマズい。 そもそも、このラジコン操作の美点は、状況によらずキャラクターの向いてる方向が変わらないところにあると思う。 攻撃したい敵を攻撃できないという場面が生まれてしまうこともさることながら、 何より、攻撃することで方向が変わってしまい、瞬間的に思った方向に動けないことがあるのがイタい。 ロックオンを多用させるゲーム性も、この難点をより悪化させてる。1vs1の戦いはまだしも、敵が多数いる場面での立ち回りダメさが致命的。
  このダブルパンチが、このゲームのアクションゲームとしての価値を無くしてしまっていると思う。
  視点を自由に動かせて、スティックを入れた方向に進むゲームだったら、まだマシだったかもしれない。 って、それじゃ『鬼武者』じゃないか・・・。 まぁ、同じ手法であるにしても、演出重視の視点切り替えではなく、 戦闘の状況把握し易さを重視した視点切り替えをと考えるだけでも、ちょっとはマシになった気がする。

  近接攻撃版『バイオハザード』と言っても、そのゲームの流れはちょっと違って、 当然のように近接攻撃には弾数制限がないことから、敵がワラワラ湧いてくるところがある。 部屋を出てまた入ったら敵が復活してた、とか(ただし、ある程度倒すと、また何らかのフラグが立つまでは敵が現われない模様)。
  そういう仕様もあって、体力回復手段も個数制限があるアイテムだけじゃなく、青魂や魂の解放があるということなんだろう。 ただ、後者に関してはその出方がランダムっぽく、どうしても行き当たりばったりになりがち。 ゲームの大味さを増長する結果になっている。
  武器をパワーアップすることで、戦術殻が3段階にレベルアップするんだけど、 ところどころに、武器をレベルアップさせないと開かない扉が存在し、 プレイヤーの好きなようにパワーアップできるわけじゃなく、ゲームの進行によって強制的にパワーアップさせられる感じ。 そういう扉を開ける段階で赤魂が十分にないと、その時点で経験値稼ぎならぬ赤魂稼ぎをしなくちゃならなくなるのも、なんだかなぁ・・・。 3種類ある武器の使い分けも(戦術殻を除けば)必要性を感じなかったし、弾数制限のある弓も取って付けたようで、いまいちゲームに馴染まず。 また、一部の宝箱には単純なパズルがついてたりと、その難易度自体はさほどではないものの、パズル部分がゲームのテンポを崩してる部分もある。 などなど、全体的なゲームとしての収まりの悪さも気になるところ。
  主人公「左馬介」とくノー「かえで」を、強制的にザッピングさせられる部分にしても、 ストーリー的な唐突さもさることながら、魂がない分、体力回復手段がアイテムに限られるかえでには、ムダなキビしさも感じる。

  ストーリーは、あってないようなもの。 簡単に言うと、左馬介がかえでと共に、幻魔にさらわれた「雪姫」を助け出すという話で、これに対して「話がつまんねーぞ!」ってのはちと筋違いに思える。 まぁ、信長が絡んでくるあたりの裏設定的なものが、あまり生かされてないのも確かなんだけど、そこらへんはシリーズ化を睨んでの布石なのか。
  ただし、PS2版のときから散々言われてたようだけど、金城武の棒読み風のセリフは、やはり大きなマイナス。 ああいうのが合う題材もあるんだろうけど、少なくともこのゲームのこのキャラには合わんて。完全な人選ミス。
  グラフィックは、同じ手法のGC『バイオハザード』が出た後となっては、 やはりひと世代前という感じは否めないものの、PS2版の当時としては頑張ってたんだろう。
  イベントシーンも概ね一枚絵背景&ポリゴンキャラで、この手法を用いると淡々となりがちなんだけど、 このゲームの場合、キャラの(表情を除いた)演技がシッカリしていて、カメラワークの切り替えが上手いので、 予想以上に躍動感があった。これはさすが。
  バタ臭めな色調&各種デザインは、まぁこのゲームのカラーなんだろう。 もうちょっと和風なのかと思いきや、結構すぐに剣(刀じゃなくsword)が武器になっちゃったりと、割と早々に和洋折衷だったのは肩透かしだった。
  一応、当時の『鬼武者』の売り文句は“バッサリ感”だったんだけど、 カプコンらしいヒット感の良さこそあれ、そこに刀らしい“バッサリ感”があるかっていうと、結構疑問。 ウリが“バッサリ感”なのであれば、斬られた敵がバッサリとなるような仕掛けがほしかったところ。
  そういや、PS2『鬼武者』では、イベントシーンがキャンセルできないっていう不満を聞いた記憶があるんだけど、さすがにそれは改善されていたな。


  別に期待はしてなかったんだけど、予想通りのハッタリが効いた似非アクションゲームだった。 というのが『鬼武者』に対しての感想。 PS2『デビルメイクライ』でもそうだったように、 『バイオハザード』の視点を継承してたら、その時点で良いアクションゲームにはなり得んと思う。
  んで、本物でないアクションゲームをアクションゲーム的な方向性で難易度を上げようとしても、ロクなもんにはならんわな。 というのが『幻魔鬼武者』に対しての感想。

2002年11月28日記載