REPORT紅の海
Xbox
2002年12月12発売発売:コーエー  

  比較的早い時期から、コーエーがミョーに力を入れて開発してたアクションシューティング。 アクションゲームとはいっても、「真三国無双」シリーズのω-Forceとは無関係な模様。


  ステージクリア形式の全25ステージで、 一応成長要素もあるんだけど、クリア済みのステージを繰り返しプレイすることはできなくなっている。
  基本的な操作形態は、ちょっと変わってる。 視点はガッチリとキャラの背後に固定されており、キャラを動かす右スティックは、スティックを入れた方向に進むタイプではなく、前身後退&左右旋回となっている。 よって、視点がかなり過敏に動くので、人によってはかなり酔ってしまうらしい。 そして、Lトリガを引くと「シフト移動」状態となり、正面を向いたまま移動できるようになる。 つまり、前進後退&左右旋回がメイン操作で、 平行移動がそれをフォローするという、最近になってやや廃れてしまったタイプの基本操作になっているわけだ。
  他の移動系の操作は、Aでジャンプ、Bで180°ターン、スティックを入れてBで「ステップ」という高速移動。
  攻撃は、Xの銃攻撃がメインで、Yのブレード(剣)攻撃(最大で4連続のコンボが可)がそれをフォローするという形。 敵が正面にくると勝手にサイトが付き、ある程度自動的に狙ってくれるという仕様で、本来、あまりそういうのは好きじゃないんだけど、 サイトが付いてくれる左右の範囲が狭めになってるようで、それが鬱陶しく感じられることはほとんどなかった。 また、Rトリガは「ロックオン」に割り当てられており、R+Lでレーザーポインタが現われて手動で狙いを付ける「フリー射撃」モードになる。
  キーコンフィグが皆無なのもどうかと思うが、 それ以上に、視点操作の上下のリバースが設定できず、スティックを上に入れると上を向くという非主流派な操作なのは論外。 そのせいもあって、フリー射撃を使うことはほとんどなかった(というか、避けた)。
  ちなみに、右スティックは一応視点操作に割り当てられているものの、 スティックを離すと正面に戻ってしまう仕様なので、一般的なアクションゲームの視点操作とは使い勝手が違い、使用頻度も極めて低い。
  白ボタンでの「ネオサイオニクス」は、「バイオプラズマポイント(BP)」ゲージを消費して発動する魔法のようなもの。 BPは敵を倒すと出現するので、群がる敵を銃&ブレードで蹴散らし、BPを発動して敵をなぎ払い・・・を繰り返す場面が多くなるわけだ。
  銃は、銃・ブレードのタイプを決める「バレル」、攻撃力を上げたり、エネルギー消費量を減らしたと攻撃を補強する「エフェクター」、 エネルギーの容量や回復速度を左右し、ブレード攻撃に特殊能力を与えたりもする「ジェネレイター」という、3つのパーツからなる。 主にステージ間のショップでパーツを買うことになり、時折、ステージ内でゲットすることも。 バレルのタイプは結構豊富で、その他のパーツとの組み合わせのバリエーションはさほど多くはないものの、それなりに独自色が出せて楽しい要素ではある。 敵を倒すと経験値を得て、それでバレルはレベルアップするんだけど、 上位のバレル(例えばヴァルカンなら「ヴァルカンI」「ヴァルカンII」「ヴァルカンIII」と3段階になっていて、 それがゲームが進むにつれ出現する)に経験値が引き継げないので、あまり育てる楽しみがないのは勿体無かったが。

  確かに、一度に出現する敵の量はかなり多く、 虫っぽい敵なんかはそれこそ群雲のように湧いてくる場面があるし、終盤には乱戦っぽい場面もあったりと、新鮮さはある。 『決戦』『真三国無双』と、量的なもので性能をアピールしようとしてきた光栄らしさを感じる。 敵の存在をファジーに示してくれる「探知機」もなかなかグッドで、必要以上にマップ&レーダー重視になってないのは評価したいところ。
  とはいえ、射撃はある程度自動で狙ってくれる上に、格闘はシンプル。 加えて、180°ターンとステップはボタン共用なためレスポンスがよくなく、 平行移動はボタン+スティックという操作のためどうしても通常移動とギャップ生まれと、直感的かつ素直に操作できないところがあり、 ダメージを受けると解除されてしまうロックオンは(特にザコ戦では)使い勝手が悪いこともあって、戦闘そのものはどうしても大味になりがち。 戦略性が感じられる場面は少ない。
  また、一応ジャンプができるものの、ジャンプして何かの上に乗る、ジャンプして何かを乗り越えるなど、 移動アクション的にジャンプを使う場面はほとんど無く、極めて平面的なゲーム展開が多い。
  要するに、ゲームの基本となる部分は特に面白いとは言い難いんだけども、 それをステージのバリエーションでなんとかカバーしようとしてるのがこのゲーム。 敵の全滅がクリア条件になってるステージばかりではなく、“ゴールに辿り着く”や“何かを守る”の他にも、 “姿の見えない敵をレーダー頼りで倒す”などなど、なかなか多彩なステージ構成になっており、 群がる敵を殲滅する爽快感と多彩な武器、そしてステージのバリエーションのお陰で、それなりに楽しいゲームにはなってると思う。
  ・・・まぁ、あくまでもそれなりなわけで、もうちょっと何とかならなかったんかとも思うわけだけども。 FPS的にするなり、『トゥームレイダー』的なアクションを加えるなりして、もっと空間的なゲームに仕上げられたんじゃないかな。 どうせクイックに視点を動かすのであれば、FPS的な操作をベースにした方が良いゲームになったんじゃないかねぇ。 じゃないなら、スティックを入れた方向にキャラを進ませるタイプにした方が、とっつき易かったろうに(どうせある程度勝手に狙いを付けてくれるんだし)。
  チームを組んで戦うというのは、まぁオマケ的な要素だろう。演出的というか。

  世界観は、他のゲームでは『ファンターシースターオンライン』、映画では「スターウォーズ」なんかに近いんだけど、 所々にアジアン(というか中華テイストがあるのが独自色と言える。 妙なケレン味がある服飾や髪型などのデザインは、非常にグッドだと思う。
  光栄らしい耽美な雰囲気漂う人物のモデリングもなかなかのもので、ポリゴン人形劇のレベルは、それこそスクウェア、コナミ、カプコンなどのゲームと比べても遜色ない。 イベントシーンの内容も、“ベタながらも”というより、そのベタさが心地良い。 ただ、せっかくキャラは立ってるのに、その活躍の場が少ない感じはある。ちょっとキャラが多すぎたかも。 また、おそらくローディングの為であろう暗転の間が悪く、テンポを崩してる場面が多いのは気になるところ。
  グラフィックそのものの質は良いはずなのに、それが見た目の印象の良さにあまり繋がってないのは、 平面的な作りもさることながら、全体的にくすんだ感じの色調によるところが大きいんじゃないだろうか。 さらに陰影の使い方があまり上手くないようにも思うし、攻撃のヒット感も若干弱めなもんで、 イベントシーンの力の入り具合に比べると、ゲーム本編では若干チープな感じを受けがちだったりする。
  ゴージャスな音楽は、ゲームから浮くこともなく良かったけども。


  それなりに労力をかけて作られたってのはわかる。ダメダメってほどつまらないわけでもない。 が、かけられた労力に見合った面白さが生まれたかっていうと非常に疑問。 世界観やキャラは良いんだから、ベタなRPGにでもした方がプレイヤーにはインパクトを与えられたんじゃないだろうか。 よりFPS的な方向性(要するに『MDK2』みたいなの)ってのも考えられるけど、 まぁそういうゲームはどうせ作れんのだろうし。

2003年1月19日記載