REPORTパンツァードラグーン オルタ
Xbox
2002年12月19日発売発売:セガ  開発:スマイルビット  

  ゲーム形式自体は初代SS『パンツァードラグーン』&2作目SS『パンツァードラグーン ツヴァイ』同様の3Dシューティングに戻った、 SS『パンツァードラグーン アゼル』以来のシリーズ最新作。


  その基本となるゲームシステムは初代と変わらず。 攻撃ボタンを押すと敵弾を落とせるバルカンを発射し、攻撃ボタンを押しっぱなしにするとサイトが変化してロックオンレーザーによる攻撃、 LRキーで90°置きに視点を回転させることができ、ドラゴン(プレイヤー)を真後ろから見る視点ではドラゴン自体を動かすこともできるというもの。 当然、『ツヴァイ』にあった「バーサク」(敵を倒すことで溜まっていくバーサクゲージを消費して行うボム的な攻撃)もアリ。

  そんな中、この『オルタ』からの新要素として「グライド」と「モーフィング」が追加された。
  「グライド」は加速&減速ができるという要素で、時間と共に回復していく「グライドゲージ」が溜まった状態で、Xで加速、Bで減速する。 また、ボス戦では加速&減速ではなく、 丁度『アゼル』の戦闘シーンのようにボスの前後左右に位置取りを切り替える動きになって、ゲーム的に重要なのはむしろこっちになってくる。
  「モーフィング」はYボタンで随時行えるドラゴンの変形で、 「ベースウイング」「ヘヴィーウイング」「グライドウイング」という3形態のドラゴンを使い分けるという要素。 ベースウイングは基本となる形態で、レーザーのロックオン数は最大(初期状態で8つ)、グライドゲージは2つ、バーサクは周囲の敵を満遍なく攻撃するレーザー乱射。 ヘヴィーウイングは攻撃偏重の形態で、レーザーのロックオン数は少ないものの(初期状態で3つ)、単発の攻撃力が非常に大きく、その代わりにグライドゲージが無く、通常時の動きも鈍い。 バーサクはある程度手動で狙う必要があるレーザーの集中攻撃。 グライドウイングは機動力&バルカン攻撃重視の形態。 グライドゲージが3つあって、バルカンはサイトが大きくサイト内の敵を自動的に狙ってくれるんだけど、その代わり、ロックオンレーザーを撃つことはできない。 バーサクはベースウイングに似た攻撃で、攻撃力が低い代わりに、それで敵を倒すと体力が回復する。 少なくとも難易度ノーマル以上では、敵弾が多くばらまかれたり、敵の攻撃を避けなければならないときはグライドウイングに、 体力が大きい敵が相手だったらヘヴィーウイングになど、状況に応じた形態変化がこのゲーム攻略の大きなキモになっている。

  全10ステージは、主人公である謎の少女「オルタ」と伝説のドラゴンの出会いから始まる物語に沿って進んでいき、 単純にシューティングゲームとしてのテンションは案外ムラがあって、特に道中は単調な場面も目立つ。 ただ、それをこのグライドとモーフィングが上手くフォローしており、ゲームとしての総合的な完成度は高いものに仕上がってると言えるんじゃないだろうか。
  また、今回のドラゴンは上下左右にかなりグルングルン動き回るので、3D酔い対策のためか、カメラのドラゴンに対する水平位置の固定が弱く、 場面によってはドラゴンを上から見るような視点になったりと、かなりカメラが上下に動き、ドラゴンと敵や地形に対する位置関係を見失いやすい。 これは、このゲームの一番の基本である“LRで視点を動かして攻撃する”ってのと相性が芳しくなく、良い意味でのデジタルさが失われてしまったような気も。 個人的には、もうちょっとガッチリとドラゴンの真後ろを捉え続ける視点の方がよかったな。 さらに、基本的な操作感も、より浮遊感重視になった感じを受ける。 ここらへん、純度の高い3Dシューティングゲームを求める人には、劣化と捉えられてしまうかもしれない。

  グラフィックは間違いなく最上級。 各ステージの背景は細かいところまで描かれていて、ハードパワーのお陰か、スケール感も上々で、終盤の幻想的なステージも良い感じ。 ドラゴンや敵キャラ(攻性生物&帝国兵器)のデザインも独特で、やはり描き込まれているし、その動きも良くできてる。
  一方で残念だったのは音楽関係。 同じくスマイルビットのXB『ガンヴァルキリー』もそうだったんだけど、なんだか効果音が迫力不足BGMも単体ではいい感じなんだけど、道中やイベントシーンでは垂れ流しな感じを受けることが多く、 イマイチ場面を上手に盛り上げきれてない。 演出重視のゲームとして、これはかなり痛かった。

  ゲームの攻略度によって「パンドラボックス」内のオマケ要素がオープンになっていく仕様は『ツヴァイ』から継承されており、 その内容の充実っぷりには目を見張るものがある。
  用語解説、生物&兵器解説などはもちろんのこと、ムービー&イラスト閲覧では、過去のシリーズのデータも用意されているのが嬉しい。 また、オルタ以外のキャラを操作する外伝的なミッションをプレイできる「サブシナリオ」には、 単発のミッションが4つと、帝国で生まれた少年「イーヴァ」を描く「帝国少年編」が全6ステージ用意されている。 密かに熱いのがこの帝国少年編。 Bボタンを押している間上昇するというポッドの操作は、LRで視点を変えるっていう基本操作との相性の悪さを感じるけど、 ステージ間に一枚絵とシンプルなテキストで語られるストーリーが意外に良かった。 その語り口は、なんとなく同じスマイルビットのDC『ハンドレッドソード』を思わせる。
  しかし、隠し要素がオープンになる条件は、明らかにしといてほしかったなぁ。


  音楽関係を除けば(って、結構それが痛かったんだけど)、概ね期待に応える一本だったと言える。 シューティングとしては『ツヴァイ』で既に完成されてる感があったので、そこにグライドとモーフィングで新たなゲーム性を加えて、 演出&ストーリー性重視にしたのも、個人的には好感が持てる方向性だった。 このゲームをプレイしたら、『ツヴァイ』じゃなくて、『アゼル』をまたプレイしたくなってしまったよ。

2003年1月12日記載