REPORTEcks vs. Sever
GAME BOY ADVANCE[海外]
2001年11月28日発売発売:bam! Entertainment  開発:Crawfish  

  一部では結構有名なGBC『ストリートファイターアルファ』(要するにGBC版『ストリートファイターZERO』)で、 強引ながらもなかなか見事な移植を行ったCrawfishが開発したGBAオリジナルのFPSゲーム。 個人的には『Dark Arena』『Duke Nukem Advance』に続いてGBAで3本目のFPSとなる。 最大の特徴は、それら2本と違い、現実かつ現代の世界が舞台になってるというところだろう。


  妻と子供が爆破テロの犠牲になってしまったことを機に引退した、 元FBIのスゴ腕エージェント「Ecks」にFBIから接触があり、その爆破テロの情報をエサに、とある任務につく。 しかし、そこに、国家安全保障局(NSA)のやはり引退していたはずのスゴ腕女性エージェント「Sever」が立ちはだかるのだった・・・という話(っぽい)。
  プレイヤーは、ゲーム開始時にEcksかSeverを選択し、それぞれの立場から全12ステージのミッションをプレイすることになる。 ステージ自体は共通なんだけど、開始位置が違かったり、ステージによっては、追う側と追われる側で立場が違ったりもする。
  さらに、ステージ間にはテキストオンリーのイベントシーン的なものがあり、 この事件の2週間後に開かれた法廷のログが流れ、裁判官、弁護士、Ecks(Sever)のやり取りがあり、 「あの時の状況は・・・」とEcks(Sever)が説明し、そのミッションが開始するという、なかなか凝った形式になっている。 惜しむらくは、そのテキストが結構な量な上に、時間と共に流れていってしまうこと。 よって、話を完全に理解できたとは言えないのが悲しいところ。ボタン入力を待っててくれてもよかったろうに・・・。
  基本操作は当然のように、十字キーで前進後退&左右旋回、LRキーで左右平行移動、Aでショットというもの。 Bが扉を開けたりするアクションボタン(ただし、使用頻度はかなり低め)で、武器セレクトはセレクトボタンのみで行う。
  『Duke Nukem Advance』と違ってジャンプはできないんだけど、 その代わりにというか、このゲームではL+R同時押しでしゃがむことができる。 しゃがみながらでも移動可(ただし、しゃがみながら平行移動は、右に動きたいときは“Lを放す”という操作になるので、 若干慣れが必要)なので、しゃがんで敵に気付かれないようにする、撃たれないようにするとか、 しゃがんで通風孔に潜り込むなんてシチュエーションもアリ。 『DOOM』同様、多重構造のないレベルデザインだし、当たり判定の精度は低いしと、 『DOOM』世代のFPSの範疇ではあるんだけど、なかなか新鮮で、その舞台に合った楽しさがある。
  また、スナイパーライフルで狙撃ができるというのも嬉しいポイント。 スナイパーライフルを装備してAを押すと視点がサイト状に変化し、移動できない代わりに、L・Rキーでズームイン・ズームアウトを行い狙撃を行うことができる。 そこまで立体的なマップじゃないし、敵が自分に気付くのも速攻なので、自分に気付かぬ敵を遠距離から射撃で始末!なんていうシチュエーションこそ少ないものの、 良いアクセントになってるし、『Dark Arena』よりは狙撃らしい楽しさがある。
  敵の思考も『DOOM』なんかとは一味違い、物陰に隠れたりもするし、背後から近づくとこちらに気付かなかったりも。
  舞台のスケール感もそれなりにリアルで雰囲気はあるし、基本的にほとんどが結局“ゴールに辿りつけ”というミッションなんだけど、 いろんな工夫がされていて、あまり一辺倒な感じを受けなかったのもナイス。
  総じて、いわゆる“DOOMクローン”タイプのFPSとは、また違った面白みがあるのは確かだと思う。

  ただ、全体的に荒削りなのも、また確か。
  例えば、プレイヤーが2人いてザッピング的な作りになっているという点にしても、 そのステージ間のストーリー進行にしても、その発想は良かったんだけど、共に後半に進むにつれグダグダになってしまった感があって、 中盤以降はミッションの内容にほとんど差がなかったり、ステージ間の展開も淡白だったりと、消化不良気味ではある。
  また、難易度セレクトがない上に、理不尽気味な難しさがある。 というのも、とにかく敵が気付いてから撃つまでが早いし(酷いときはドアが開ききる前に撃たれてしまうことも)、 攻撃をヒットさせてのけぞってる最中に反撃されたりと、ダメージを喰らわずに進むというのは極めて難しいし、 後半は敵からのダメージもデカめなので、“死んで憶える”的な印象を強く受けた。 ラスボスの硬さも異常で、最終ステージは(ある意味当然ではあるんだけど)かなり難しい。
  ステージ内容は一応2人分合わせて全24ステージというものの、似通った内容がほとんどなので、それほどの楽しみはない。
  ちなみにセーブ機能はなく、パスワード制になっている。 5〜10文字程度の1英単語とはいえ、やっぱり面倒臭いな。
  例の如く、マルチプレイヤーモードは未プレイにつき、感想もナシ。とりあえず、1カートリッジ対戦は不可な模様。


  難易度セレクトがなく若干理不尽気味な高難易度だし、ザッピング的な面白みも消化不良だしと、 確かに荒削りなところはあるんだけど、いわゆる『DOOM』クローンタイプのFPSとは違ったプレイ感覚、緊張感があって、なかなか楽しめた。 ある程度洋ゲーに耐性があって、『DOOM』をプレイ済み人には、GBAのFPSの中ではこれを薦めてみたい。
  とりあえず、続編のGBA『Ballistic』も近いうちにプレイする予定。

2003年2月14日記載